アイアンクローのレビュー・感想・評価
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爪で破れないのは本当に家族の不幸なのか?
予告編で見た時 ロッキーのような興奮できる物語と思った。だが 全然違う。兄弟達は爪で一生懸命に家族の不幸を破りつ漬けという残酷な物語である。
ボクシングを見る時の気持ちも全然違う。興奮や盛り上がりというより苦しいと感じられるの方が多いのだ。
でも 結末まで見ると 家族の不幸っていう噂は運命ではなく 父権の思想からの反噬だと考える。夢を息子達に強行する 更にストレスが多く与えさせるとか それが兄弟達を殺す物だと考える。
では 結末で息子と孫の話によると 全く別なやり方で子供達に教育することで その父権という不幸な噂が破れるでしょう?父子との絆が感じられたから。
今年一の感動作
子供の時はプロレス全盛期で、テレビのプロレス中継が楽しみだった。
鉄の爪フリッツ・フォン・エリックは懐かしい。その子供もプロレスラーになったことも覚えているが、こんな物語があったことまでは知らなかった。
次から次へと兄弟に不幸が訪れて、ケビンの家庭も壊れてしまうのかと思ったが、妻子がいたことが呪いを跳ね返す力になったのかな。
悲劇的なの物語だったが、ケビン一家が大家族になって、若くして亡くなった兄弟の分まで
幸せに暮らしているようなラストに感動した。
当時プロレスファンだった私
小学校のころはプロレスブーム。タイガーマスクが子供たちの心を鷲掴みにしていた。初代タイガーが引退したのが1983年、デビッド・フォン・エリックが亡くなったのが1984年。ショッキングなニュースであった事だけは覚えているが日本で亡くなった事は覚えてなかった。
ケビンとデビッドが一緒に来日したのは知ってるが、プロレスを見出す前の記録が見てないのに記憶になった。ケリーの初来日はなんとなく記憶している。そんな位置関係をネット記事などで映画鑑賞後につなぎ合わせた。
呪われた一家と言われる割には幸せな一家の物語が続く。充実したプロレス人生を揺るがしたのは、過去に長男が亡くなった事の記憶とデビッドの死。そこから崩れ落ちる幸せは、落差の大きさにより効果的に伝わった。ケビンが次々に弟に先を越され落ち込むが追い越した弟が不幸に襲われる。この心情なんて想像出来ないがよく映像化されたと思う。
亡くなった弟たちが天国で再会するシーン。あれは誰の目線として描かれたのだろう。ケビンのねがいだったのかな。
現実のケビンは子供に囲まれ幸せに気付く。
終わらせ方としてはこれが正解だろう。プロレスファンだった自分としてもこうあって欲しい。
蛇足ですが、調べると描かれていない末弟がいたそうです。彼もまたプロレスラーになり、彼もまた自殺で自ら命を絶ったとのこと。
悲劇の一族を見届けた不器用な男の物語
プロレスファンなのでエリック家の悲劇は知っていました。しかし、情報として受け取った話と、映画として丁寧に描かれたものでは、やはり胸に刺さる深さが違います。
個々の悲劇が起きる前のひたすら不穏な長回し。そして、悲劇そのものは直接的に描かずに何が起きたかを婉曲的に伝えることで、逆に観客に印象深く見せる演出。そして何よりリング上のパフォーマンスの素晴らしさ。
主人公のケビンは誰よりも父を尊敬し、兄弟で一番苦労し、努力してトレーニングにも励んでいました。それでいながらレスラーとしては、リング上の立ち回りの悪さやマイクパフォーマンスが上手くないことなどから、弟たちに先を越されてしまいます。
先に行った弟達が悲劇に遭う中、最後までプロレスに向き合い続け、彼だけが生き残ることができたのは、妻と子供の存在が大きかったのでしょう。
私がプロレスファンであることを差し引いても、心に残る一作であることに間違いはありません。
この呪われた一家の悲劇を丁寧に映像化したキャストやスタッフたちにひたすら感謝しています。
しみじみと考えさせられる映画
フリッツ・フォン・エリックとかアイアンクローは、プロレス素人の自分でもなじみがあった。小学生のときにサンデーで「プロレススーパースター列伝」とかで出てきたかも。最初の方の対戦相手にブルーザーブロディとか出てきて、その漫画でも紹介されていたように思い、懐かしかった。映画はこれが実話かとびっくりしつつ、自分の夢や希望はどう育むべきか、親はどう係わるべきか(家族仲はとてもよいし、一筋縄ではいかない)、希死念慮と自殺観念とか色々考えさせられた。その後のエンディングがとても良かった。
Brothers
プロレス自体はあまり詳しくなく、実在する一家のことも全く知らない状態での鑑賞。
呪われた一家という名目に惹かれましたが、家族映画という印象が強い作品でした。
呪われた一家というのは言葉の綾で、父親から託された夢が結果的に重荷になってしまっている重厚な家族ドラマ、兄弟愛を緻密に描いた作品でした。
史実を知らなかったので、映画で明かされる内容とともに、兄弟達最期を知っていくのは中々に辛かったです。
幼少期に長男は事故で亡くなっていることが明かされ、三男のデビッドは日本に来日のタイミングで急死、四男のケリーは事故による後遺症で未来が見えなくなりピストルで自殺、音楽にお熱だった五男のマイクは薬の過剰摂取で死亡、六男のクリスもシーンはないながらもピストルで自殺と、ケビン以外の兄弟が何らかの形で、ケビンよりも先に旅立っており、兄弟の仲がとてもよさげだっただけに、これが史実なのは心にきました。
その兄弟愛が深いがゆえに両親の愛の注ぎ方や態度はぶっきらぼうすぎないかなと思いました。
父親のフリッツは夢を託したといえば聞こえはいいですが、基本的に鍛えることにしか目が行っておらず、心のケアなんかはまともにしているようには見えませんでした。どんな相談を受けても、プロレス以外だったら兄弟で話し合えと突き放すだけですし、息子達が成長してからも考え方が変わっているようには思えず、いわゆる洗脳のような形で息子たちを支配していたなという印象が強く残り、胸糞でした。
母親は放置しているかの如く教育に携わっている様子が見られず、これまた兄弟たちで話し合ってと突き放すばかり。後は神頼みに逃げているようで、父母どちらからもしっかりとした愛は注がれていないようでモヤモヤしました。
こういう作品で死後の世界が描かれるのは珍しいな〜と観ていましたが、壮絶な死の後に兄弟揃って再会、幼い頃に亡くなった長男とも再会して歩き出すシーンはとても切ないんですが、どこか安心できるシーンにもなっていてとても良かったです。
ラストシーン、素晴らしすぎました。
プロレスラーという職業を辞め、リングから降りて、自分の子供たちと向き合って、兄弟たちに想いを馳せて涙ぐむシーン、それに子供たちが気づいて駆けつけて、僕たちが兄弟になる!と純粋に言ってくれたシーンは観ているこちらもウルッときてしまいました。
エンドロールに大家族で牧場を持って幸せに暮らしているという旨が記されてあって、一安心しました。ケビンの息子たちもプロレスに挑戦していたりと、その後もプロレスとの縁は続いているんだなぁ、血筋だなぁと思いました。
役者陣、ザック・エフロンが素晴らしかったです。肉体改造もさることながら、何かに取り憑かれたんじゃないかってくらい狂気じみたプロレスのシーンや、兄弟の死やうまくいかない生活に感じる悲哀だったりと、様々な表情が見れて素晴らしかったです。
ノンフィクションの物語としての重さがずっしりとあり、全くの他人のはずなのにケビンに強く強く感情移入してしまう作品でした。
家族という名の呪いに兄弟で立ち向かっていく姿、兄弟を失って悲しみに喘ぐ姿、どこを切り取っても辛いはずなのに、自らの手で呪いから脱したケビンに拍手喝采です。どうかこれからもお幸せに。
鑑賞日 4/9
鑑賞時間 12:30〜14:55
座席 F-3
ファミリードラマ
ケビン目線の家族愛と、家族を失う悲しみを描いていました。
A24らしい「説明少なめ、感じろ」な作り方。
家長(父)の横暴と、事故や故障の痛み止め多用&麻薬に手を出したり、心を壊したりで自ら命を絶つ弟たちの姿に涙する兄ケビン。
彼が結局、父やレスリングから遠ざかり、自らの家族を守って生きる決意に至る、オーソドックスな「ファミリードラマ」として楽しみました。
タイトルのアイアン・クローが、あまり意味をなしてなかったのが気になりました。
父から受け継いだケビンとデビットの必殺技がでまたアイアン・クローであることを明確化するとか、運命を縛ったのもまたアイアン・クローだとか、何かこう、因縁を絡めた方が引き立ったように思いました。
きっと、昔のレスラーに関する知識や思い出があれば、私が見ながら感じていたよりずっと面白いんだろうなぁ。
どこまで本当にあったことに近づけているかなども、私には分からず、そういう差異に関する指摘や論評は、わかっている人に任せようと思いました。
願望という名の呪縛
上映館が少ないので、これはすぐ観に行かなければと仕事を切り上げ平日に鑑賞。平日の割にはまあまあの観客数なのかな?
自分が成し遂げられなかったことを、子どもに託すというのはよく聞くことやけど、この一家の場合父親の願望が重い重い呪縛となって続いていたんやろうなあ。
尊敬している父親の期待に応えたい。だけど、限界はいつかはくる。その限界を見極められなかったきょうだいたちは死に向かった。やけど、ケビンは最初の強敵に挑んだ後の父親の態度をみて、自らの限界或いは父親への違和感に気がつき本気で戦うことが怖くなったのかなと思った。
きょうだいたちの人生はどこかで変えることができたんやろうか。残されたケビンの気持ちを思うと本当に胸が痛くなった。
ケビンが今はたくさんの家族に囲まれて幸せそうに暮らしているというのをみてほっとした。家族のことを考えると幸せになるって結婚する時に言ってたもんね。ジムを手放したのもケビンにとってはいい決断やったんやと思う。
最後に、ザックエフロンといえばペーパーボーイのちょっと情けない感じのイメージで止まってたんやけど本作ではムキムキゴリゴリマッチョに大変身!あそこまで鍛えたんやろうか…すごいなあ…
兄弟愛に泣いた。゚(゚´Д`゚)゚。
ケヴィンが健気過ぎて…っていうか兄弟全員、パパの言う事聞きすぎ!マイクまで持ってプロレスラーにさせるとか、もー、あんな華奢なバンドマンだったのに…
ラストのケリーが三途の川渡った先に死んじゃった兄弟が待ってたシーン、めちゃくちゃ泣いてしまった。5歳で死んじゃったジャックjrもいて、みんなやっと楽になったねぇ…って。そして最後ケヴィンがプロレス辞めて牧場主になって大家族に囲まれてる写真がとっても幸せそうで(赤ちゃんがポーンで投げられてるの!ww)すごく嬉しかったです
とにかく再現度が凄いのだが、クリス関連もきちんと描いて欲しかった
2024.4.9 字幕 T・JOY京都
2023年のアメリカ映画(132分、G)
実在のプロレス一家フォン・エリック家の栄光と悲劇を描いた伝記映画
監督&脚本はショーン・ダーキン
物語の舞台は、1980年代のアメリカ・テキサス州のダラス
父フリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)は現役を退き、プロレス団体を設立し、息子たちを鍛え上げる方向にシフトした
長男のジャック・ジュニア(ロメオ・ニューカマー)は5歳の時に病気で亡くなり、父の期待は次男のケビン(ザック・エフロン、幼少期:グラディ・ウィルソン)に注がれた
ケビンには、陸上でオリンピックを目指す弟ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、同じくレスリングをしているデビッド(ハリス・デッキンソン、幼少期:ヴァレンタイン・ニューカマー)がいて、末っ子のマイク(スタンリー・シモンズ)は大学生の友人たちと音楽活動に励んでいた(実際には六男のクリスが存在するが映画では割愛されている)
彼らは母親ドリス(モーラ・ティアニー)の愛を受け、それぞれの進むべき道をひたすら走っていくことになった
転機になったのは、ソ連のアフガニスタン侵攻を受けて、アメリカがモスクワ五輪への不参加を決めたことで、これによってケリーは目指す道がなくなって、実家へと戻ってくる
ケリーは父に促されてレスリングの道を進み、頭角を表してくる
元々不器用なケビンは、力をつけてタイトルを獲っていくものの、マイクパフォーマンスではデビッドに圧倒され、ファンの獲得もままならなくなってくる
弟二人に先を越され、父もその状況を容認し、ケビンは華々しい舞台の一歩後ろで、弟たちの活躍を見守ることになってしまうのである
映画は、フォン・エリック一家の「呪われた」負の連鎖を描いていくのだが、映画的には「毒親の影響で道を誤った」というふうに描かれていく
実際にどうだったかはわからないが、唯一生き残ったケビンがプロデューサーに名を連ねているので、息子目線ではこう見えたということなのだろう
ケビンは呪いの存在を信じていて、自分の息子の名前に「フォン・エリック」をつけないのだが、プロレス自体は愛しているので、息子たちを鍛えてデビューさせている
あくまでも、自分たちの不遇は両親の方針とタイミングだった、という感じに描かれていた
世代としては、少し上の世代で、日本での興業などもあったが、あまり興味のない時代だった
それでも、名前ぐらいは聞いたことがあるというくらいの知識で観に行ったが、問題なく理解できるように作られている
プロレスは興業であり、いわゆるエンタメとして「台本がある」のだが、それを後のケビンの妻になるパム(リリー・ジェームズ)が突っ込むシーンは面白い
この時のケビンの反応が「スターになれない感」を醸し出していて、彼が向かうべき道は「オリンピックのレスリングだった」のではないかと思わせるのである
いずれにせよ、プロレス好きだと「日本関連がほとんど描かれない」ので不満かもしれないが、日本人プロレスラーを演じられる俳優が皆無なのでやむを得ないと思う
フォン・エリック兄弟たちを演じた俳優たちの見事な体の作り込みを再現することは難しいので、割愛されても仕方ない
また、六男クリスは悲劇的になりすぎるとのことで割愛されたが、映画的には描いた方が良かったと思う
クリスも自殺をしてるのだが、彼が自殺した理由が「プロレスラーとしての体格に恵まれなかったから」というものなので、これを描いてこそ、フリッツの方針の無茶さというものが浮き彫りになるのではないかと感じた
魂が震える
僕自身もともとプロレスに関しては昔からそこまで興味はなく、
でも「アイアンクロー」という必殺技は聞いたことがあるぞ、
というくらいの初心者レベル。
なのでフリッツ・フォン・エリックというプロレスラー名までは
記憶に無かったし、もちろん一家の悲劇も全く知らなかった。
ただ番宣で非常に惹かれて、思わず速攻で鑑賞してきた。
結果…やられました。事前の予想を大きく超えてくれた。
実話に基づくとの事だが、ちょっと信じがたいほどの悲劇の連鎖。
当初は一家の悲劇を淡々とドキュメンタリー的なタッチで描くのかと
想像していたが、思いのほか家族ドラマとしてきっちり成立させていた。
特にケビン(ザック・エフロン)には泣かされた。
優しさゆえの気弱で繊細な性格、実は次男なのに長男的な役割に徹し、
父親との歪んだ主従関係に苦しみ、弟達への嫉妬と憎しみを一人で抱え、
それでも何があっても家族を愛し続ける一途さ。なのに止まらぬ悲劇。
そして何よりもプロレスラーとしては「平凡な才能」という悲しさ。
彼がどんな思いで生きた来たんだろうと想像するだけで号泣ものです。
ケビンが色んな場面で見せる戸惑いの表情。たまらんかったなあ。
優しい人ゆえに傷つきやすいのよね。
地獄のような展開の最後、ケビンの現在がとても幸せである事が分かり、
涙が止まらなかった。あのラストに本当に救われた気持ちになれた。
役者陣は肉体作りも含め素晴らしかった。
そのマッスルな仕上がりは決して「なんちゃって」などではなく、
役者達がこの作品に真剣に打ち込んだであろう本気さを強く感じた。
あと個人的に一番痺れたシーンはリック・フレアーの「煽りV」。
TVの中で狂犬のごとく吠えまくるリック・フレアーがマジで凄過ぎて、
ずっと鳥肌が止まらなかった。
ていうか登場したプロレスラー、みな似すぎてないか?(笑)
なお作品としては別に凝った作りでもないし、何の小細工もない。
伏線もないから回収もない、おしゃれさも全く皆無。
つまり何のひねりもないどストレートな作品と言える。
でもそれが良いんだよね。だからこそこの作品は光るんだと思う。
つまりはそういう意図で作られたのだろう。
プロレスに興味のない方でもおそらく存分に楽しめる作品じゃないかな。
それにしても今年は「当たり」が多いなと思う。
言葉の呪い。
1980年代元AWA世界ヘビー級王者フリッツ・フォン・エリックに育てられたプロレスの頂点を目指す息子達の話。
世代が違うのでまったくこのレスラーの方達を知らないけど…、本作観ての率直な感想は作品を通して観てるからこのオヤジが綺麗に映ってるかもだけど、ただただ一方的なダメな奴としか思えなかった。自分の子供に夢を託すってリアルでも有りがちだけど、やらすならちゃんと身体、メンタルとケアをしっかりやってやれよ!って思いましたね私は。
呪いの家族なんて解説、予告にあったけれど、「チャンピオンになれ、目指せ」と言うオヤジからの言葉の呪いで息子達が無理しすぎてこうなってるんじゃんと思いました。
終盤ラスト辺りの亡くなってしまった兄弟達があっちの世界で自由になれたみたいな感じで抱き合うシーンと、ケビンの息子達が「僕達が兄弟になるよ」のシーンは泣けた。
こんな家に生まれてきてしまった息子達がちょっと気の毒と思ってしまった印象の方が強い。
終盤の
フィクションならではの演出が無ければ、凡作と断じただろう。自分だって首を締める迄いかなくともフリッツを責めたい。天国の兄弟たちを見てやっと涙が出そうになった。
他にもプロレス一家はあるが、そんなに儲かるのか? 子どもにやらせよう、自分も家業を継ぐんだ、とよく考えられるもんだ。プロレス史的には結構いい加減で、フリッツがNWA会長だった事には触れられないし、ナチスギミックの大ヒールがあの時代のNWA世界王者になれる筈がない。ライバルたちも冗談? 仮装? 位の出来でした。
ファンなら常識でしょうが、どうしても知ったかしたい。
・ヘルウィグとは当時WWF王者アルティメットウォリアー。
・レスリング監修チャボゲレロJRも3代プロレス一家。
・ケビン&ダビッドは初来日から線が細かった。とてもモノにならないだろうとの印象で、それは出世してからも自分の中では変わらなかった。
鉄の爪の呪縛
作品としては良く出来てましたが、題名にもなっている鉄の爪という凄まじい必殺技があまり出てこなく、またフリッツ・フォン・エリックが少し悪く描かれすぎだというのが気になりました。
フリッツ・フォン・エリックというレスラーと、その技アイアン・クローがあまりにも偉大なので、兄弟達がそれに追い付こうとして果たせなかった悲劇と個人的には思っています。
兄弟それぞれに、○○の爪と異名がつけられていて、ファンが期待する鉄の爪の呪縛から逃れられなかったという事があまり描かれてなかった事が少し不満ですね。
作品としては掛け値なくおもしろく、ハーリー・レイスやリック・フレアーといった、超スーパースターの存在も素晴らしく、当時の良きプロレスの雰囲気がよく出ていて、見る価値のある映画だと思います。
この作品は家族・兄弟愛に満ちた悲劇のヒューマンストーリです。
プロレスファンなら必ず観に行くであろうと思いいざ映画館へ。しかし作品はもちろん基本はプロレスなのですが、この一家のヒューマンストーリーです。ありえない悲劇の実話です。何よりも泣けるのは、4人の兄弟愛です。ケビンは僕の幸せは家族と一緒にいたいだけだと言います。この4人を見ているだけで兄弟が欲しくなります。父親はヒールっぽいですが、その中に愛が無いわけではありません。厳しく育てるのも兄弟愛の結束になり、強い男になると自分は思いながら見ていました。色々な悲劇がガンガン押し寄せてくる中にラストの方で兄弟に再開するシーンやケビンの哀しみと幸福を感じる涙に涙腺が緩みます。
エンディングロールで拍手が起こりました。素晴らしい映画でした。
パパをそんなに責めないで。毒親じゃないヨ。
ケリーが銃で自殺したとき、ケビンは 「(自殺しないように) 何で気を付けてなかった」と言ってパパを非難する。
おいおい、そのセリフは自殺した人の家族や親しい人、そのとき身近にいた人に言わないほうがいいセリフらしいぞ。そんな事は他から言われんでも、残された家族や友人は、「何で気付いてあげられなかったんだ?」、「何で救ってあげられなかったんだ?」とか言って自分を責めて悩むらしいゾ。
自殺しないように、メシもトイレも睡眠も取らず24時間見張ってられんよね (3交代シフト制勤務という手もあるが ^^ )。
自殺する原因が誰かの言動のことはあるが、自殺を止められなかったのは誰のせいでもないと思う。
この映画を見て、パパのせいで息子達は不幸になったとパパを非難するのは、家庭内暴力で暴れてる子供が、「お前らの育て方のせいでこうなった」と親を責めるのと同じではないかと思う。パパとママのせいじゃない。
あと21世紀にもなって「呪い」ってなんだ呪いって? チャンチャラ可笑しい。
「御札でも貼っとけ~」である。
◎ 結論
この映画を見て、呪いだ、強権的だの言うより、息子達が思いやりでパパの夢を叶えた映画と言うほうが良かね?
ー 終わり ー (/--)/
僕がもしパパかママかケビンの立場だったら、自分の家族や友人に起こった悲しい出来事を「呪われた何タラ」とかいって、ゴシップのネタにしてほしくない。
人の口に戸は立てられないから広まってしまうのは仕方ない。だけど映画で改めて家族の不幸を呪いとセットで取り上げないでほしいと思う。
だいたい、もう21世紀なのに「呪い」とかチャンチャラお菓子食って笑っちまうヨ。
あるいは、まだ21世紀だから「呪い」なんてものが有ってもいいが、話題で取り上げて良いのは、200年ぐらい昔の自分のご先祖様か、自分の死語200年先なら良いかなということだ。
映画ではパパやママが 「兄弟で解決しなさい」と言って冷たく突き放し、息子たちの悩みに寄り添ってくれない親だったという描写がなされている。
これは映画でのフィクションなのか、生き残ったケビンのつらかった思い出なのか分からない。
だけどアイアンクロー家の長い営みの時間の、ほんの一部分を取り出してダメ親に認定されても親も困ってしまう。常に子供に寄り添った親であることが不可能なのは、親になったケビンなら分かると思う。親にならなくても25才ぐらいまでには親も完璧な人間じゃないと気付くような気がするが、僕は昔のことすぎて全く覚えてない。
もしかしたら「兄弟で解決しなさい」は、自律心を付けようという親の教育方針だったのかもしれない。
僕はパパが息子達にプロレスラーになるように強要したとは思わなかった。パパは自分の夢を語っただけだ。
パパは息子に有無を言わせない強権的父親だったろうか?世界チャンピオンになれなかった自分の夢を果たすために、息子達にプロレスラーを強制しただろうか?。僕の答えはどちらもNOだ。
自分の言うことを聞かせようと、叩いたり、ご飯を食べさせなかったりしていない。四男マイクから音楽を無理やり取り上げたりしていない。
国のボイコットでモスクワ五輪に出れなかった息子にプロレスラーという新しい目標を持たせた。
コイントスで決めたのは、兄弟2人の間に遺恨を残さないためだ。2人が実戦対決して決めても遺恨が残る。恨むならオレを恨めということだ。
だけど映画は、パパが毒親だと観客が思うように、パパのセリフや話の展開が作られてると思った。
息子達がプロレスラーになったのは、成熟して良くできた子供達が、思いやりでパパの夢を叶えてあげようと思ったからだと思う。熱く夢を語り一生懸命なパパに、子供ながらに、ほだされてしまったのだ
「ああ、もうパパは自分の夢のためにやってるだけなんだけど、あんなに一所懸命に僕をプロレスラーにしようと頑張ってくれている。期待に応えないといけない。パパがガッカリしたら可哀想だ。もうホントどっちが大人でどっちが子供か分からないよ。でも僕、パパのために頑張るよ」
これは果たしてマインドコントロールによる洗脳支配に当たるのだろうか?
パパから受け継いだ会社を経営不振でケビンが売ろうとする。裏から手を回して会社が売れないように買い手を脅す卑怯なパパ。だけど自分が手塩にかけて育てた会社が売られてしまわないようにジタバタするのって、そんなに責められることだろうか。未練がましいけど、そんなに責めないでおくれよ。
◎ 結論
この映画を見て、呪いだ、強権的だの言うより、息子達が思いやりでパパの夢を叶えた映画と言うほうが良かね?
「オレは息子達4人全員をプロレスラーにするぞ~」。
息子の試合後、リングでマイク片手に熱く吠える父であった。やれやれ。
スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットは最強。
真の強さとは
伝説のプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。元プロレスラーの父親はリングの名誉を
息子達に強さありきとしての有害を与え続けてしまう。
絶対的な父親にはイエッサーしか答えられない。
相談しても兄弟で解決しろと突き放す、母親は
信仰心で息子達を祈る。
リングロープからの父親から貰う呪縛は
相当な物。
どれだけ体を鍛え上げても心が満たされなければ
強くはなれない。そして自分自身を攻めてしまう。
花田家と亀田家のイメージが脳内をよぎる。
男は泣くなと言うけど、たまには泣いた方が
スッキリする。
知らなかった家族の栄光と挫折を垣間見た。
成功って何だろうね……。
ケビンはパムと出逢えて本当に良かったと
思う。4人の子供と13人の孫に恵まれて牧場経営。
兄弟の分も皆さんで生きて欲しいと願う。
映画としては正しい描き方とは思うが
プロレスファンの私には、なんかスッキリしなかった。
どこかしら、プロレスの試合が場末のショー扱いに見えた。
あれでは、チャンピオンの価値も、殿堂の偉大さが伝わない。
なんか、プロレスを離れたから、呪いから解放されたようなラストにしか見えなかったのは気にしすぎか。
呪いより父の呪縛か
父を尊敬するから4兄弟はレスラーになったのだけど、呪いというより、こうあるべきという父の呪縛だと思う。一人生き残った二男は、二人の息子の前で涙を流し、兄弟になってあげると言われ、ようやく父の呪縛から解放された。子供が次々と亡くなる中、涙を流せない母も夫の呪縛にあった。プロレス一家の悲劇だが、どこの家庭で起きてもおかしくない。
全48件中、21~40件目を表示