「自分の夢を子どもに押しつけてはいけない!」アイアンクロー 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
自分の夢を子どもに押しつけてはいけない!
子どもは親を喜ばせたいと思うものだから… 夢を語るのはいいと思う。でも、選択するのは子ども自身でなければならない。「鉄の爪」はプロレスの技として、名前は知っていたけれど、その使い手のことはよく知らなかったし、その家族のことはもちろんだ。実話ベースの話ということだが、実際はもう一人息子がいるのだという。みんながみんな、プロレスに進ませるのではなく、ミュージシャンや陸上の投擲競技を続ける選択肢も残してよかったのではないか。一番罪深いのは父親で、次々に問題が起きても、我関せずで向き合おうとしなかった。兄弟で解決しろと言っていた。母親もその次に残念だ。よく家族の全体像が見えていた次男ケビンが相談しようとしても、受けつけなかった。たとえ、夫に意見するのは無理だとしても、理解していることを子どもたちに伝えることができていたら、違った結果になっていたかもしれない。とても悲しいし、悔しい。誰か、彼らを救うことはできなかったのだろうか。ケビンの家族だけが救いになっている。演じる、ザック・エフロンは肉体改造もすさまじく、一見では彼だとわからないほどだ。実際のプロレス・シーンも自分で演じたらしい。そのがんばりぶりに頭が下がる。とにかく、事実は小説より奇なりということわざがあるが、本当に圧倒される内容だった。
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