「父親というカルト」アイアンクロー bionさんの映画レビュー(感想・評価)
父親というカルト
不幸にも偶然が重なって災いがエリック一家にやってきた。最初のうちは、そう解釈できなくもないレベルだったが、物語が進んでいくと、呪いではなく、父親という名のカルトが原因であることがはっきりしてくる。
家族が全て、家族の夢を家族全員が力を合わせて叶える。そう父親から言われてしまうと、父親の夢が自分の夢であるかのように錯覚してしまう。それで上手くいけば、心に歪みが生じることもないのだろうが、一旦、綻び始めると、自己崩壊が止まらなくなる。
試合のシーンは、スタント無しで再現したらしいが、信じられないくらいの迫力。ザック・エフロンもレスラーにしか見えない体に仕上がっている。
強い者がチャンピオンなのではなく、プロレスでは、実力とショーマンシップと人気がある者でないとチャンピオンになれない。その辺の雰囲気がよく伝わってくる。
ケビンが父親の呪縛から解き放たれるまでの物語で、重苦しい気持ちを何度も追体験することになる。
「困難を克服して跳ね返さなければならない」父親が唱えるスローガンを死ぬ気で実践しても不幸は消えない。消えないどころか再生産される。
長い時間をかけて下したケビンの決断に、見ている自分も安堵。
リリー・ジェームスにあんなこと言われたら、そりゃー、もう大変。
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seiyoさんのコメント
2024年4月14日
こんばんは~。
父親もですが、母親も少し…だと思います。
でも、そんなちちおやを尊敬しできるのも素晴らしいと思います。
ザックエフロン君の身体づくりも素晴らしいですが、細マッチョに戻ってほしいです