「とてもよかった」アイアンクロー 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
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80年代のプロレスラーは人類史上もっとも人生を謳歌できる人々のはずなのだけど、エリック一家はつらい。お父さんがもっと強権的なのだと思ったら、けっこう子どもの意思を尊重するタイプだ。星一徹みたいな感じではなく、子どもたちは決して無理やりプロレスラーにされたわけではない。みんなすっごく体ができていて完全にプロレスラーだ。美術も素晴らしくて当時にしか見えない。
欲を言えばもっとプロレスが見たい。特にリック・フレアーはコーナーに投げられて頭から突っ込んで逆さになって勝手に宙づりになるのと、マットにおしりをついて両手を交差させて許しを請うのが見たい。撮影したけどボツにしたのかもしれない。
最後は暗いまま終わって、エンディングでケビンは家族に恵まれて大家族になっていると語られる。何か試合で盛り上がって終わってくれたらよかった。
ケビンがずっと兄弟で一緒にいたいと願っている。僕自身、一人っ子なのでその感覚は分からない。しかし、今5人家族で誰がいなくなっても本当につらい。今のままずっと一緒にいたいと切に願っているので、家族が失われる場面は心が苦しい。
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