劇場公開日 2024年4月5日

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「プロレスファンは絶対に観ましょう」アイアンクロー バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5プロレスファンは絶対に観ましょう

2024年4月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

先行上映にて鑑賞。

事実通りに描いているわけではありません。
あくまで「基づく」です。
事実との相違点は鑑賞してお気づき下さい。
ですから「これは違う!」というのは無粋。
というか、事実を映像化することが目的
ではなく
「なぜ、こうなってしまったのか?」
を描くところに本テーマがあるのだと思う
のです。

当時の雰囲気、プロレスシーン、プロレス
中継シーンの再現度。(個人的にはブックと
カメラに向かってのマイクアピールの
シーンが特に好きです)
兄弟を演じた俳優陣や登場する全レスラーの
「失笑コスプレ」では「決してない」本物志向
の仕上がり具合に舌を巻きます。
昔、テレビで見ていたアメリカンプロレスが
そこにあります。これ見るだけでもプロレス
ファンならうれしいはず。

そして、いわくつきのこのプロレス家族の
物語。知ってるけどぐいぐいと引き込まれて
いくのは、もちろん実話ベースってことも
あると思いますが、脚色によってエピソード
がとても分かりやすくスッキリとして
テンポよく描かれているからかな?

本作はある家族の物語。
子供への愛情深い親と、その愛情と期待に
応えようと努力と葛藤を続けた息子たちの話。
この描かれ方はきっと監督の想いが反映されて
いるとは思いますが・・・
うん、そうなんだろうなぁっておもいます。
元凶は・・・まぁ、それだよねって。

しかし、本作は暗澹たる暴露物語ではない
ですよ。そこはまさに風車の原理。
最後の最後、3カウントが入るまで結果は
わからないのです。
エンドロールが始まっても席を立たずに
一家の試合の結果を見届けてほしいです。
僕にはそれが願いのようにも、
後悔や贖罪のようにも見えました。

良い作品でした。

バリカタ