劇場公開日 2024年11月22日

「犯人を知ってても?たから?泣いた青春譚」六人の嘘つきな大学生 LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5犯人を知ってても?たから?泣いた青春譚

2024年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

萌える

 2022年のラジオドラマは繰り返し聴くほど好きな作品。ヒロイン嶌(土村芳)の声が素晴らしく可憐。
 実写もキャストが発表された時点で、浜辺美波と赤楚衛二はイメージにピッタリ過ぎて期待が増した。特に、種が明かされてからの波多野(赤楚衛二)の叫びは強く打った。綺麗事と嗤われそうだが、清くあとうとする青さに若さの輝きがあった。
 ミステリとしては、肩透かしに感じる観客も多そう。ただ、散見される中身が薄いという批判には全く共感出来ない。渦中にいる者にとって、就活は痛い程切実で、何度も心を傷付けられる体験。犯人を知っていた為か、純粋な青春譚に感じた。波多野の苦しみと達観が、痛いほど胸に刺さった。
 「六人の嘘付きな大学生」は見事にcatchyな表題だが、諸刃の剣かもしれない。表題から、6人の学生が内定を賭けて騙し合うゲームを期待しかねない。実際には、積極的に嘘を付くのは「犯人」だけで、後の5人は基本誤解を招く経歴を自ら語ろうとしないだけ。ド直球のミステリや頭脳戦を期待した観客は、低く評価してしまいそう。

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LittleTitan