「月の裏は地球からは見えない…しかし、見る必要もない」六人の嘘つきな大学生 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
月の裏は地球からは見えない…しかし、見る必要もない
原作は2022年の新刊発売当時に既読。その後も文庫化やコミック化もされ、今も尚、『読書メーター』のランキングで上位に顔を出し続けている人気作品の映画化。就職活動を題材として、全編を通して就活生同士の究極の心理戦を描いた、ヒューマン・ミステリーとして仕上げている。原作では、第1部と第2部によって主人公が入れ替わっているが、本編ではそんなことは無く、全編を通して、6人の就活生それぞれにスポットを当てていく。
人気企業スピラリンクスの最終選考に残った6人の就活生。その選考方法が『自分達のフリートークによって、本企業に相応しい人物を一人だけ決めよ』という残酷な内容。各々が「我こそは」として臨んだ最終選考だったが、その会場で、不審なある封筒を発見する。その中には、6人に纏わる写真が…。
誰もが持ち合わせる過去の過ちや裏に潜む素の姿を、封印することで過ごしている日常。その知られたくない裏の姿を綴った写真と解説文が、封筒の中には、6人分収められていた。最終選考試験で仕掛けられた、この卑劣な嫌がらせに巻き込まれ、次々と暴露されていく就活生のデリケートで触れられたくない姿。と同時に、6人の嘘と忌まわしい過去が、明るみになって、翻弄される最終選考。
この場に、この嫌がらせを仕掛けた犯人は誰なのか?互いが疑心暗鬼となり、駆け引きが繰り広げられていく中で辿り着いたのは、就職ライバルを蹴落とすために、この6人の中に仕掛けた犯人が居るということ。物語は、上手くミスリードしながら展開し、犯人像も二転三転して浮かび上がらせ、観る者を惑わせていく面白さもある。就活生6人が、抱えている動揺や葛藤を見事に描き、その中で、一人また一人と追い込まれていく緊迫感も伝わってくる。
主人公の洞察力に長けた嶌衣織を浜辺美波が演じ、若いのに安定感のある演技をみせていた。また、その嶌に恋する誠実な男・波多野祥吾には、飛ぶ鳥を落とす勢いの赤楚衛二が演じた。残り4人の就活生には、佐野勇人、山下美月、倉悠貴、西垣匠人の若手俳優が務め、個性あるそれぞれの役柄を、張り切り感マックスで演じていた。
共感ありがとうございます。
正の字を書いていき、投票を繰返すシーンはダラダラしてましたが、お互い疑心暗鬼と自己嫌悪にぐちゃぐちゃになって、本当の動機が合格!なのか考えが至らなくなっていく描写は悪くなかったですね。
その分真相がなんか取って付けた感でした。浜辺美波さんは今後もショッカー(スピラリンクスの事)で大幹部を目指していくんでしょうか?
ゆきさん(^^)こんなレビューにお褒めの言葉をいただき,恐縮です☺️
原作を読んでる分、内容的にも理解はできていたかと思います。自分がレビューで心がけている一つに、せっかくお金出して観たのだから、少しでもその面白さを伝えたいと思ってますよ。
こんばんは。
とても良いレビューですね。
本作のアピールポイントや見所がしっかりと伝わって来ました。
この作品、観たいですw
的を得たレビューは勿論素晴らしいのですが、それを確実に文章に起こせるbunmei21さんの文才が羨ましいです。