スオミの話をしようのレビュー・感想・評価
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それほどひどい訳ではない
以前は三谷作品を先入観で毛嫌いしていましたが、「鎌倉殿」以降に印象を変え、見るようになりました。
本作は酷評が散見されますが、それほどひどいとは思いませんでした。ミステリーしてはやや浅薄ですが、ミュージカル仕立ての荒唐無稽なコメディとしては楽しめました。
不完全な人間たちが哀しくて愛おしくて、可笑しい
低レビューが多くてちょっと覚悟して見に行きましたが、私は好きでした。
夫婦になった相手にだけ見せる、警戒を解いた男性の甘えからくる素の人間の不快感や、その無防備さゆえの愛らしさ。
相手のことを自分が一番愛していると言いながら、そして実際自分なりに愛していながら、全く相手を見ておらず、女性に去られたことに気づかされる悲しさ。
いいように使われていたことに気づいた後も、結局は相手を思いやって手助けする善良さ。
そして、境遇と頭の良さゆえに相手によって無意識にキャラを使い分け、心の内を夫に見せず、怒鳴ることや不器用ささえ相手に求められているから、という女性の空虚さと、その欠落を武器にして次に進むしたたかさ。
あまり映画をたくさん見ている方ではないので見当違いかもしれないけれど、村上春樹原作、西島秀俊主演の「ドライブ・マイ・カー」という映画をコメディにした、みたいな印象を受けました。
そういう意味では村上作品が好きな人はこの映画好きなのでは…。
演技達者な人たちの会話劇、長澤まさみの美しさ、シュールすぎるヘルシンキ連呼のミュージカル、サバゲーシーンの宮澤エマ、エンケンさんのイジられっぷりなどなど、ジャブのように細かく自分のツボに入りました。
自分自身、誰かの孫、娘、妻、母、誰かの部下、同僚、上司など、平坦ながら人生経験を経ているので、スオミの感覚は、コメディだから誇張されているけれど、スッと腑に落ちます。
爆笑というわけでもなく、強い主張があるわけでもなく、退屈に感じる人もいるかもしれないけれど、良品だと思います。もう一度見たいです。
ミュージカル劇
学生時代から三谷幸喜さんのファンで、テレビ、映画は欠かさずに観てきました。
もちろん今回も周囲の評価は気にせず、これまで観てきた実績をもって期待して鑑賞に臨みました。
なので、あえて厳しく評価します。
この作品の主題でもあるように、人や物事の印象はやはり観る側に左右されます。
その意味で、あくまでも個人的な視点に過ぎませんが、私が好きな三谷作品の絶妙なストーリーテリングや丁寧な登場人物の描写、いずれも物足りないものでした。
そんな風にスオミと向き合っていた元夫たちの滑稽さと重なってしまうかもしれませんが、そんな印象を持った方も多かったのではと想像してしまいます。
長澤まさみさんが好きだからといって自分を納得させられる感じも持てませんでした。
少なくとも、「最高傑作」ではありませんでした。
これまでの数多くの傑作を低く評価されたようで、悔しい気持にすらなりました(「鎌倉殿の13人」は秀逸でした)。
「大豆田とわ子と三人の元夫」とも比べられないストーリーの薄さでした。
しいて言うと、舞台やミュージカル劇として観せてもらえたら良かったのかなと感じました。
次回作に期待しようと思います。
長澤まさみが素敵
演出、演技など全体的に舞台っぽい作品。
三谷幸喜作品ということでかなり積極的に笑わせに来ているので、三谷作品の笑いが合わない人にはなかなか厳しい作品かも。
三谷作品ファン、そして何より長澤まさみファンならとりあえず見ておいて良いかと。
ただ映画館で是非!という作品よりはお正月とかテレビで見るのにちょうど良い作品な気がする。
あとは舞台版とかあっても面白そうだけどなぁ。
「スオミ、いや長澤まさみという存在」
回想シーンでちょいちょい出てくるけど、スオミは誘拐されているので、序盤ほどスオミが出るシーンが少ない。
が、出てくるシーンのスオミ、いや長澤まさみさんがどれも魅力的だったので、それだけで満足。
っていうかまさか高校生役までやるとはね…
その隣で母親役もやってるし…
すごいな…
各夫に合わせた人物になりきるスオミだけど、遠藤憲一さん演じる夫の時はツンデレ、西島秀俊さんの時は控えめな感じ、小林隆さんの時は中国国籍の人、わかりやすい変化があるけど、それに比べると残りの2つの性格?キャラ?はやや特徴が薄かった印象。
ひとつは天然ちゃんか、ぶりっ子キャラのスオミがいても面白かったかも。
とは言えどの性格でもなんだか魅力的なのはある種長澤まさみだからというのも大きい気がする。
「あとは三谷作品が好きかどうか」
俳優人は不足なしだと思うし、ストーリーとしてはそこまで巧妙に練られているわけでもないので、ふんだんに用意されたボケを笑えるかどうかな気がする。
劇場は結構笑い声が聞こえていたし、自分もクスッと何度も笑ってしまったけど、この辺りは、ほんと好みだろうなぁ。
「金持ちYouTuberという存在感」
自分は結構金持ち系のYouTuberを見ていた時期があるので、本作松坂桃李さんが演じるYouTuberのイメージ、描写感なかなかリアルというか、あれこれビジネスはじめたり、元マルチ詐欺の人とか高級車はレンタカーって言われたり、参考にしたYouTuberわかるなぁって感じでそれはそれで面白い。
「ヘルシンキが頭から離れなくなる」
まさかこんなにヘルシンキに興味をもって劇場を後にするとは思わなかった。
フィンランドの首都がヘルシンキということ、今後きっと忘れることはないだろう。
「シング」の吹き替えでも歌ってたけど、長澤まさみ歌も上手いのすごい。
三谷幸喜はヘルシンキに旅行でも行ったんか??
「総括」
劇中語られるようにスオミはフィンランドの言葉でフィンランドのことらしい。
そしてスオミが最期向かうのは世界の住みやすい都市ランキング8位になったこともあるフィンランドの首都ヘルシンキ。
ヘルシンキはある意味理想郷のようなものでスオミはいろんな男性の妻になると同時に自分にとっての理想を、そして男性陣もスオミ(=理想)を追っていた話だったのだと思う。
まさにスオミ(自分の理想とするもの)の話をしようって感じ。
基本的に長澤まさみファンで三谷作品ファンなら大満足でしょうって作品。
男性俳優陣の感じもとても良かったけど、
終盤の質疑応答のシーン、ある意味ボケまくりのシーンをあの感じでやれるのは長澤まさみさんくらいかなぁって気もする。
(綾瀬はるかさんもなかなか良さそうとか思ったり)
映画館で見なくても地上波でやってたら是非くらいな感じかなー
面白かったけどね。
長澤まさみの歌とセイラー服以外になんかある‼️❓
舞台でやったらいいんじゃないかな
面白くない
化学反応が起きていないような印象
うーーん……残念だ!!
三谷幸喜作品は好きで、もともと演劇も好きで、また真田丸はかなり大好きで、今回長澤まさみ主演というのもあり期待していたのですが、残念ながら期待はずれでした…!
何が言いたかったのか…とくに何も言いたい事なんかないか…大体いつもなんだか円満な空気に転換して終わるのが三谷幸喜作品…なんて思いながら、終始眉を潜め苦しみの表情のまま大画面を見つめ終わりを迎えました。
以下、観終わった勝手自由な生の感想です。
まず、たしか三谷幸喜は再婚していたと思います。この作品の女性像はだいぶ古い感じなのですが、何か奥様への当てつけ的なところがある作品でもあるのか?なんて勝手に感じちゃいました。実際どうなのでしょう。他の方の感想を漁りたいです。
また、歳をとると価値観は時代遅れになるためか、それが作品に出てしまってつまらなくなってしまうのか、なども感じました。宮崎駿などもそうだと思っているのですが、歳をとると監督の性癖が如実に作品に出るところがあると思います。年若い女性がこんなにおじさんと何人も何回も結婚する話は生理的にちょっと受け入れられないというのも感じました。たぶん男性はそれが理想でなんだか素敵な女性をイメージするのでしょうが、女性の方は一般的におじさんと結婚したいというそんな願望は無く、できれば避けたいことなので、きつい展開だな、なんて感じました。スオミを自由で面白い人として描きたかったのかもしれないですが、私にはかなり不自由で古い女性に見えてしまいました。
演出としては、ある意味演劇らしいと言えばらしいわざとらしい演技が、今回ツボに入らず、笑えなかったところがあります。
という感じで、楽しみたかったのですが、残念な結果となりました。
また真田丸のようなテンポの良い面白い作品を観たいです。
ちょっと物足りないコメディ
役者さんって、すごいね
ヘルシンキ女と哀れな6.5人の男達
『鎌倉殿の13人』で高評価を得た三谷幸喜が、久しぶりに監督・脚本を手掛け、コメディー・ミステリー。ミステリーと言っても、三谷作品であるから、緊迫感や緊張感は無く、クスクスと笑いを交えた楽しい作品となっているが…。三谷作品だから期待値は高まって鑑賞したが、残念ながらこれまでの作品の面白さには及ばなかったように感じ、レビューの低評価も頷けた。
当然、三谷作品だから出演者はいつもの様に豪華。長澤まさみを主演に据えて、演技力ある個性派俳優が彼女を囲んでいる。しかしながら、全体のシーンが、大豪邸のリビングシーンに終始し、俳優達の言い回しや立ち居振る舞いが、舞台演劇のようで、映画としての自然さにかけていたように思う。「それが三谷作品だ」と言われればそれまでだが、三谷監督が出演者と共に楽しんでいる内容で、結末も途中から予想出来てその通り。ミステリーとしてのサプライズも無く物足りなさを感じた。
物語は、詩人で大豪邸に住む寒川の妻・スオミが失踪するところから始まる。そこで、寒川は、スオミの行方を追う為に、スオミの4番目の夫で刑事の草野とその相棒の小磯に隠密に調査を依頼する。草野達は、直ぐにでも警察に失踪届を出すように寒川に迫るが、寒川は自分の保身の為に断固拒否する。そんな中で、スオミの行方を心配した最初の夫で、寒川邸で庭師をしている魚山、2番目の夫でユーチューバーの十勝、3番目の夫で警察課長の宇賀神、そして、現在の5番目の夫で詩人の寒川の5人が集結する。そこで、互いにスオミの行方を心配しながらも、彼女との思い出話に花を咲かせる。しかし、そこで語られたのは、全く違った人格のスオミだった。果たして、スオミの本当の正体は…と言う物語。
スオミ役の長澤まさみは、5人の夫に対して全く違った女性を演じ分け、三谷監督が、彼女の魅力を、大いに引き出していたのは認める。また、5人の夫役の西島秀俊、遠藤憲一、小林隆、松坂桃李、坂東彌十郎は、それぞれ個性あるキャラで、スオミに翻弄される男達を演じていた。また、瀬戸康史と嫁巣純貴も展開のうえでは、よいアクセントにはなっていた。それでも、今ひとつと感じるのは、展開の切れや内容の面白さと言う点で、三谷作品に求める面白さとは、少し違っていたように感じたのが残念だった。
そんな中で、私にとって壺ったのが、遠藤憲一の「7000円」のセリフだった(笑)
良くも悪くもおもしろいだけ
The film of Masami, by Masami, for Masami
「みんな大好きよー!」
大富豪の詩人・寒川(演:坂東彌十郎)の妻・スオミ(演:長澤まさみ)が突如失踪する。スオミはバツ4であり、彼女の行方を追うために集まった4人の元夫(演:①遠藤憲一②松坂桃李③小林隆④西島秀俊)と関係者(演:瀬戸康史、戸塚純貴)。しかし5人の夫達の口から語られるスオミという人物はそれぞれまるで異なるものだった。このスオミという女、果たして何者か?そしてどこに消えたのか?
三谷幸喜監督・脚本最新作。今回は東京サンシャインボーイズを主とした「三谷組」+「鎌倉殿の13人」のカラーが濃い。というか「鎌倉殿〜」での出会いに味をしめて本作が製作されたとさえ感じる。そして新しいスパイスとして西島秀俊、松坂桃李、戸塚純貴を迎えた。
長澤まさみの長澤まさみによる長澤まさみのための映画(The film of Masami, by Masami, for Masami)で、とにかく長澤まさみに色々させたいから映画を1本作っちゃいましたという三谷幸喜の欲望を前面に押し出した作品。「さすがにふざけすぎでは?」と少し引いてしまう場面もあったが、まあまあ楽しめたし何より長澤まさみがかわいい。昔はそんなに好きではなかったが知らない間に綺麗になった。そして終盤の髪の毛を使った演技は素晴らしい。
僕は三谷作品は基本的に好きだし、「古畑任三郎」に至っては大ファンであるが、こと映画に関しては「作・三谷幸喜」に一抹の不安をおぼえる。というのも、三谷幸喜自身が言うように「大脱走」(1963)のようなスター勢揃いで何かやるのが傾向として強く、そうすると2〜3時間という映画の限られた枠では不完全燃焼に終わりやすいからだ。また、自身の創作の根本が喜劇であるため、真剣なシーンで笑いに走ってしまい話の腰を折る場面がしばしば見受けられた。だから常々三谷作品を観るときは「どうか三谷幸喜がスケベ心を出さずに最後まで書き上げていますように」と祈るような気持ちになったものだ。
今回は所謂「羅生門スタイル」のコメディになるわけだが、これまでの羅生門スタイルはひとつの出来事に対して複数人が証言するもので、事実そのものは動かない。しかしこちらでは1人の人物像について複数人が証言するため、矛盾していながら誰も嘘をついていないという状況があり得る。これに笑いの要素が加えられたため話が脱線しがちで、「もう15分削ってくれれば...」という気持ちはあるにはあったが、でも長澤まさみが綺麗だから大目に見よう。まあもう少しシリアスでもよかったかな、面白かったけど。
ヘールーシンキヘルシンキ!ヘルシンキイイイイイイイ!
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