侍タイムスリッパーのレビュー・感想・評価
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これを日本の映画の基準にして欲しいぐらいだ
遅ればせながら見たのだが、面白くてビックリした。例に出して申し訳ないが、カメラを止めるな、は私は受け入れられなかったので、たぶん、これも同じ感じなのだろうと思ってしまっていた自分を恥じたい。
人間の声色、トーンがリアルなので、それだけで共感できるぐらい演技が自然だった。大抵の日本映画は声色が気張ってる感じがして私は受け入れられないが、それがこの映画には殆ど無かった。みんな自然体に近い演技をしてる。それが素晴らしかった。貴方の回りにも日本映画は嘘くさいから受けられられない、という私のような人がいるだろう。そういう人にでも遠慮なく勧める事ができる快作の映画だと思う。
むしろ、もっと予算がある日本の映画は、なぜ、こういう風な自然体の演出になれないのだろうか。これが日本映画の正解例だ、もっと真似しようという流れになって欲しい。その上で派手な映画は派手、内容のものは内容という枝分かれが望ましいのだが……。
文句なしの星5!!
こんなに面白い映画あったのか!と今まで観てなかった自分を引っぱたきたい!
なんの前情報もなく、暇つぶしに流し見するつもりで流した映画だったんだけど、導入からもう引き込まれて結局最後まで食い入るように観てしまった
間違いなく人生トップ3に入る。それくらい自分の好みドストライクで、滅多に星5なんかつけないんだけどこれはもう何の迷いもなくこの評価
とにかくコメディとシリアスのバランスが本当に絶妙。自分の描く"創作"の理想形そのままだった。殺陣で切られ役なのに侍が染み付いちゃってるせいで反応して斬っちゃうのも涙出るくらい笑ったし、「コメディ映画」としてだけでも完璧なのに、そこに「侍の矜恃」を時代劇と上手く合わせるこのシリアスさ
30秒くらい無音で両者動かずに間合いを取り合うあの時間、あんな風な時間の使い方したら普通は「長すぎやろ!笑」ってなるところ、二人の演技が本当の「侍」に見えて、これから始まる本当の殺し合いを感じさせて目が離せなく、手に汗握る
最初は本物の侍がタイムスリップしてきたらその本物侍パワーで時代劇を無双する!みたいな話かと思ったら、「現代においては無用の長物」として斬られ役という脇役として生きていく、というのもいい。でもそういうなろう展開が一切ない訳じゃなくて、ちゃんとその等身大を見せたあと、最後その場にいたスタッフには「本物の侍だった」って理解できるような構図になっていて、それは勿論過去からタイムスリップしてきたという証明ではなくあくまで「侍の心を持つ者」という証明に過ぎないんだけど、ここではじめて本当の侍の凄さを現代人が理解する、ってのが斬られ役に徹してきた下積みからのカタルシスを感じさせる展開になってる
もうね、とにかく本当に面白かった。コメディもシリアスも、脚本も演出も演技も、全てが完璧だった。人生で好きな映画トップ3にはいりました。「笑って泣ける」みたいな宣伝文句してる映画で一切笑ったり泣いたりしたことなかったけど、この映画は終始笑って泣きました
やはり最後の殺陣
ねぎらわざるをえないふんいき
伝わってくるものがあったが言いたいことはある。
むかしのことだが一般の国内映画冷評にたいして映画関係者が「必死で味噌汁をつくっている裏方の苦労なんかおまえたちにはわからんだろうな」とツイートしたのが話題になったことがある。じぶんはこのエピソードを日本映画界を言い表すエピソードとして何度か使っている。
俗にこれを根性論と言い、日本では往々にして芸能が根性論というエンジンによって動くことがある。そして根性論にたいする日本的反応が「ねぎらい」である。日本映画界が根性論で作品をつくると、やさしい日本人は「ねぎらい」によってそれに応える。たとえおもしろくなくても「ねぎらい」票は入る。
そればかりか低予算やぎりぎりのスタッフ・キャストでの映画作りならば「ねぎらい」が賞賛に変わる。金も人もない状況下でつくった映画を賞賛しなければ不人情になってしまうからだ。日本では映画が免罪符要素を持ってしまうことがある。
こうした根性からのねぎらいからの免罪符──という展開は海外映画にはぜったいにない。日本映画だけの特殊事情といえる。さらに幕末設定により武田鉄矢的な泣き要素が加わることで、もはや手に負えない根性論免罪符環境が構築されたと言っていい。命がけの会津っぽに誰が抗えるのかという話である。
もちろん侍タイムスリッパーの製作陣は「根性論からのねぎらい」を狙って映画をつくったわけではないだろうが、見ていて気恥ずかしくなるほど実直な作りかつアマチュア精神な作りなので、ねぎらい&賞賛をせざるを得ないような気分へと追い詰めてくる映画だった。意図してはいないのだろうが、必死で味噌汁をつくっている裏方の苦労を思いやってほしいオーラを感じる映画だった。
なにしろ低予算であるし─『10名ほどのスタッフで制作しており、安田は車両からチラシ作成・パンフレット製作まで11役以上を1人でこなしている。助監督役の沙倉ゆうのは実際の助監督なども務めており、沙倉の母親も小道具の刀の整備などを手伝っている。また他の演者も度々スタッフとして協力している。』(ウィキペディア、侍タイムスリッパーより)
──という家内制手工業でつくられている。その努力や頑張りをかんがみて、またその大変さやけなげさを思いやって、また、みんなが一致団結してつくった温かみに触れて、みなさまご苦労様でした、としか言いようがなくなる、わけである。
このように皮相が根性論で塗られている映画を一般的な日本人はけなせない。わたしも人の子であるし鬼じゃないから限られた予算で頑張ってつくった製作陣をねぎらいたい気持ちがないわけではない。が、あまりにもベタすぎていやになるところはあった。
たとえば高坂(山口馬木也)が剣心会への入門を願い出た際、住職が滑るとか落ちるとかそういうことぜったい言うたらあかんで──とふっておいてからの(雨道に)つるっと滑って怪我でもしたらとか、(内閣の支持率)こんだけ景気わるなったらそりゃおちるに決まっとるとか、──言ってしまう超絶のベタスクリプトには恥ずかしさで鳥肌が立った。
こ・の・低・脳・な・台・詞・は・な・ん・な・ん・で・す・か。
しかし「真剣の重みを感じるようにしたい」という監督の意図は伝わってきたし、殺陣も緊張感があった。
根性論とは製作側の思い入れのことだ。映画とは製作側の思い入れを観衆につたえるものだ。で、大概の日本映画が根性論の段階で止まる。
本作の斬られ役のモチーフになっているのは福本清三氏だと思われるが、個人的に福本清三氏の情陸風コンテンツに見たのは、ほかの斬られ役に比べてどこが違うのか解らない斬られ方と、かれを褒めまくる著名な時代劇役者だけである。もちろん福本清三氏は悪くない。5万回斬られた男──だからなんなのか、5万回斬られたことをもって観衆はなにを面白いと感じればいいのか──を提供していないことが悪い。5万回斬られた男という装丁だけでそれ以外のアイデアをもっていない作り手が悪い。そういうのを根性論というのだ。
が、侍タイムスリッパーはストーリーがクライマックスの真剣勝負へ誘導していくし、観衆を話の中に引き込む工夫もあった。侍タイムスリッパーははじめて見た根性論ではない斬られ役コンテンツだった。と言える。
ただ貧乏くさすぎる。これは2025年の日本映画である。
にもかかわらず金もなくスタッフもキャストも限られ貧しさの極地で映画作りしている日本とはいったいどんな発展途上国なのだろうと思った。
先日見たネトフリ映画The Electric Stateの製作費は465億円だそうだ。侍タイムスリッパーは2,600万円だそうだ。
文化庁と経済産業省のお抱えNPO法人映像産業振興機構(VIPO)に給付される税金750億円はどこへ消えて無くなるのだろうと思った。
結果的に、日本映画界のわけのわからなさをひしひしと感じてしまう映画だった。また、カメ止めはねぎらいを感じなくてよかったからカメ止めとの近似性は感じなかった。
時代劇だけど自分の話。
ナミビアの砂漠
面白かったです。
この映画は、定番の「映画を作る人達についての映画」なんだけど、
ここのレビューで高い評価をつけた人たちは、
「映画を作る人達についての映画を作った人達の物語」
として楽しんでいるっぽい。俺もだ。
額縁が中身を引き立てる額縁効果が、額縁が増えたせいで増し増しになっているうえに、
「私財をはたいて車も売って」みたいな応援したくなる物語にもなっている。
「映画を作る人達についての映画」としても良くできていたし、
「映画を作る人達についての映画を作った人達の物語」としても、
若干チープなつくりや、様々な名作映画へのリスペクトや、
八面六臂なエンドロールや、
助監督役の女優を実際に助監督にしたりなど、巧みな演出がされていた。
よくよく考えられたメタ構造は、エンタメに昇華している点で、
「映画通」好みの「ナミビアの砂漠」のそれより好感が持てるかも。
ちなみに助監督役の「沙倉ゆうの」さんのYouTubeは、
謎の自然体トークがマジでナミビアの砂漠(オリジナルの方)なので、
「映画なんか観てなんになるんだよ!」って人におすすめです。
つうか、エンタメ映画はためになると思う。
ためにならないのは、マウントを取るツールとしての映画だ。
最高でした
正直、不自由な体を押して行っても今の世では常に映画館はガラガラです。配信サイトで見ればプロローグを早送りできる、最近はインターネットで早送りできるので、映画館で座って全編見ることが苦痛に感じる人が多いようです。製作者側ではないので、それを承知でそれでも映画を作るメリットが分からないのですが、この映画のようにインディーズで最初は1館だけの上映だったものが、最終的には、最優秀作品賞を獲得する、日本の映画界も捨てたものではないと思いました。
タイムスリップした時代も不良がいた昭和の終わりか、平成の初期というところも良かったです。
ラストも日本人が好きなラストだな…と感じました。見ている側にとって「1番ほしいラスト」で監督はじめスタッフも分かっていて、そういうラストにしたんじゃないかなと感じました。昭和世代には、たまらない作品です。
様々な評価があるようですが
安田監督のデビュー作を観賞していたので、温かい作風を期待して地元での上映を待って速攻で観賞。リピーターになってしまいました。
世間での大きな評価に疑問を持たれたレビューが散見されますが、沼に落ちた身としては、この映画は映画館で観賞しないと正しい評価が難しい映画なのだと感じています。
リピーターから見ても監督本人の弁でも???な場面は多々あります。(文庫本並の活字量のパンフレットより。)
しかし、スクリーンの中で京都の街並みを彷徨う主人公の姿からは、そのサイズ感から自分も一緒に彷徨っている様に感じ、おむすびには躊躇なくかぶりつきながら、ケーキやビールには人の所作や匂いを嗅いだりして安全を確認する部分に不安に押し潰されそうになりながらも置かれた現状を受け入れようとする姿に「そりゃそうだよなぁ。」と共感を覚えるのです。
監督がインタビューで「有名な俳優さんで映画を作るんじゃなくて、この映画で俳優さんを有名にしてあげたいんです。」旨の発言をしておいででしたが本作に出会って推しの俳優さんがすごく増えてしまいました。まんまと監督の策にはまった様です。
動画配信サービスで初見された方は、時間が許されるなら映画館での再鑑賞をお勧めします。
きっと又会いたくなりますから。
大好き
てっきりゆるめのコメディ作品だと思ってたのですが、真面目な作品でした。
主人公の人柄がとても気持ちが良い。
タイムスリップものってまずは現地の人に自分の素性を伝えて(なかなか信じてはもらえないものの)理解してもらった上で、何らか協力してもらう流れになることが多いかとおもうのですが、こちらの作品はそれがありません。
自分の足で、目で、自力で現状を把握し、戸惑いながらも受け入れます。
制作上の時間の都合だったのかも知れませんが、そうしたことによって主人公の真面目で優しく、頭の良い人という印象を強くしていたように思います。
好敵手のキャラクターも、ヒロインも良。
主演の俳優さんの演技も最高!
コミカルで愛らしい部分もありつつ、締めるところはしっかり締める、ラストの仕合シーンは緊張感に痺れました。
話題になるだけありますね、とても良い映画でした。
侍タイムトリッパー
入口としては入りやすいタイムトリップから意表をつく展開。コメディながら熱い気持ちが伝わる良い映画でした。
最後の映画作りの過程からラストまで二人とも同様に大切なものを全力で守ろうとしていたこと。ただし、その大切なものが違うだけであるという状況が切なかった。
最後の殺陣のシーンの二人がすごい迫力で圧倒された。今を全力で生きるだけしかないというメッセージが伝わってきた。
初めのタイムトリップのシーンで相手役の方ががいい雰囲気を持っていたので、あの人はどうなったのかな?と思っていたが、案の定途中で現れた時にキターってなりました。そしてぼんやり、じゃああのパッとしない人はどうなったのかな?って思っていたところエピローグ的なシーンで、第三者的なアングルに変わったときに、もしかしてもしかしてと思ったら、やっぱり最後に現れてスッキリ!
楽しめましたが、欲を言うと
今日がその日ではない
侍と言えばサッカーの時代、
(真剣で)討 てーーーーーーっ!からの(時代劇が廃れるのは)今日がその日ではない、からの心配ビンタが最高!
後半の盛り上がりが見事としか言いようがない。
同じ撮影ものでも名作、カメラを止めるなをはるかに超えてきました。
カメラを止めるなと同じく無名の俳優が多く、私は紅萬子さん以外は誰も知らなかったけど、本当に熱演で観てるうちに侍のように凛とした姿勢になるほど。
映画愛、時代劇愛にあふれた作品でこの緊迫感たるや!
思った以上に長いストップモーションからの立ち回り、全部がアドリブの真剣の刀での勝負✨本物の刀の重みを感じます。
ここから絶対止めるな!が始まります。
まさにカメラを止めるなです。
ほんまもんの侍がおる!
状態!
いやー侍って素敵なお仕事♪
時代劇の再興隆のきっかけになれ!
時代劇、全然見られなくなって
とても寂しいばあちゃん子の私。
めっちゃくちゃ楽しかったです!
本物の侍が殺陣の芸術性を語るシーンなんて
拍手もの!!
現実と虚構の塩梅が素晴らしすぎました。
海外でも上映されて、時代劇リバイバルブームよこい!!
期待し過ぎたか
随分と評判がいいので、アマゾンプライムで見られるということで見てみた。映画館で見ていたら、もうちょっと印象はちがったかもしれないが、アマゾンプライムでみると、テレビドラマ風にしか感じられなくて、それほど面白味もなかった。過去から現代にタイムスリップするという、SFではありがちだが、こういう日本の映画ではそれほど作られてはいないテーマのものだろう。それが生かされている、とはちょっと思えなかった。
この映画の主題は、時代劇は素晴らしいものだ、ということが言いたいのか、それを演出するために、過去から侍をつれてきました、というだけの内容だったように思う。
劇場公開されていたときには、私の趣味ではない日本映画、と言う印象だったが、その印象通りだった。なんというか、日本映画らしい役者の演技、というものがあるようにいつも思うのだが、それがよく感じられた映画だった。
最初から最後まで抜かりなし
欲しいところに欲しい玉をくれる。
映画というエンターテインメントが心底好きな事が伝わってくる、丁寧な作りの映画。
ラスト前の殺陣も良かったし、
ラストはそうそう、それだよねというシーンで良かった。
傑作。
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