「リアルな京都と“侍魂”の融合が光る、現代劇コメディの秀作」侍タイムスリッパー jasperさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルな京都と“侍魂”の融合が光る、現代劇コメディの秀作
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撮影所スタッフの空気感や京都弁が自然で、リアルな現場が伝わってきました。特に、太秦の撮影所の描写が素晴らしく、現場の空気まで感じられるようでした。
バーのシーンは、市役所前のホテルオークラ京都ですね。飲めない酒を飲みながらも男同士の語り合いは侍としての品格がにじんでいて印象的でした。
物語の軸である侍と現代人との関係性もとても魅力的。ライバルとの距離感、互いを認め合う空気感がとても心地よかったです。特に殺陣の練習シーンは静かな緊張感があり、侍としての誇りと真剣さが伝わってきて好きな場面のひとつです。
終盤の真剣(本物の刀)での勝負のシーンでは、空気が一変し、観ているこちらも息を飲むような緊張感がありました。にもかかわらず、ラストの“あの丸顔侍”の登場でクスッと笑わせてくれる、絶妙なバランスが光ります。
また、優子さんの温かさや、出てくる人々のほとんどが「いい人」であることにも癒されました。嫌な人物はヤンキーくらいで、全体的に安心して楽しめる映画です。
お寺でで出てくる白いごはんと浅漬けなど美味しそうなごはんの描写も印象的。映画全体を通して、時代劇というジャンルへのリスペクトが込められていて、心から共感しました。こういう“エンタメや時代劇”がもっと作られると嬉しいです。
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