ラストマイルのレビュー・感想・評価
全935件中、261~280件目を表示
わたしたちは同じレールの上にいる
大袈裟ではなく人生で1番何度も繰り返し観ているドラマがアンナチュラルとMIU404なので『シェアードユニバース映画』とても楽しみにしてました。
期待どおり2時間あっという間で色々な仕事をしている人達で世の中が成り立っていて、そのどれもが大事な仕事でみんな同じ世界線で生きている。
ドラマと映画がなんの違和感もなく繋がっているのが観ていてとても楽しめました。
日本人は良くも悪くも真面目で勤勉で約束を守る。
いったいいつから配送料無料、翌日配送が自分の生活の一部になっていたのかわからない程、当たり前になっていて、2024年問題、ドライバー不足、過重労働による過労。ニュースで見聞きはしていたけれど、どこか自分とは無関係のように感じていた。けど無関係なわけがなく、わたしたちは同じレールの上にいて、誰かの便利な当たり前を支えているたくさんの人がいる事をつい忘れがちになってしまう。
そしてその便利な当たり前を支えるしわ寄せはいつだって弱者と呼ばれる人達にくるものだ。
利用する消費者に何か少しでも出来ることはあるのだろうか。
野木さんの脚本はあった事をなかった事にはしないし、間違えたらまたやり直せばいいという軸のようなものがあるように感じていて、きっとそこが野木脚本に惹かれる理由なのかもしれません。
無事、パンフレット購入出来たのでゆっくり読みたいと思います。
これからも野木さん、塚原さん、新井さんの作品を楽しみにしてます。
長ったらしい割に肝心な部分は説明わからなかった
ブラック企業が勝ってしまう物流業界の陰陽
非常に残念ながら、物流業界はブラック企業が勝つ仕組みであり、本作はその根本に迫るものであり、複数の登場人物の視点から、あるものは見て見ぬふりを、あるものはあらがい、あるものは潰れ倒れていくことを捉えていく作品である。
消費者はより安くより早くを求め、経営陣はブラックフライデーなどの繁忙期を作って売上を達成するために現場に高負荷のオペレーション「2.7m/s」以上を求め、センター管理者は達成のためにたった7名で700人の派遣労働者を扱い彼らを非人間的要素として90%未満達成時の減点化を求めると共に主従契約に近い形で運送会社に安い委託配達と厳格な管理を求め、
運送会社管理職は下請けに昼休憩さえ取れない1個150円の200軒配達しきることを命を犠牲にしても求める形に晒されている。
そして消費者のより安くより早くを求めた企業が大きくなり、原価の高い製品の企業は売れず潰れて配送の仕組みに組み込まれていく。
この巨大暴走機関車を止めるためにあるものはベルトコンベアにダイブし、あるものは無差別爆破テロを起こす。そしてテロに巻き込まれても止めてはいけない社是と自身も命を落としそうになって立ち返った満島ひかり演じるセンター長と運送会社のストライキによりセンターは一時的には止まるが、経営方針が見直されることもなく阻害要因として排除、または1個20円アップのみで、また暴走機関車は走り出し、次の管理職はそのノルマへの恐怖とブラックな環境に押しつぶされていく。
日々より安くより早く(Daily Fast)を求められ巻き込まれる物流業界の労働者の犠牲と、外部で安く早く受け取れる幸せを享受できる消費者の対比を通して、物流危機を考えさせる契機になっている本作は成功と言えるのだろうと思った。
それと同時に物流業界に身を置くものとしては、労働者は使い潰され持続不可能に近い、この業界の限界も就活生などに教えますます人手不足が助長されることも危惧している。
よくこのテーマでヒットさせたよ
物流業界を舞台にした社会派エンタメ。
周りの人々が皆面白いから是非見た方がいいというので観に行った。
ブラックで地味な物流業界の社会的問題を扱っているが、TVドラマと上手にコラボさせ、満島ひかりの明るさでコミカルでライト感も上手に出しており、業界を知らない若い人や女性でも楽しめます。
それにしてもこの映画で描かれている物流業界の問題は本当に深刻で、知ってる人なら全然新鮮な話でもないが、電子商取引の発展で、物流が市民の末端まで浸透しており、知らない人にもこの問題が知れ渡るきっかけになるのであればこの映画の社会的意義は十二分に評価されるし、ヒットしなければ問題が注目されなくて作る意味が半減になってしまう事を製作サイドは分かっているからこそ、TVドラマとのコラボに固執したのだろうと想像させるほど、パワーを感じる映画でした。
結局、ウチの家族全員が何らかの形でこの映画に出てくる世界に関わっていて、それも興味深かったけど、多分、関わっていない人はいないんじゃないかな。
それくらい物流は社会のインフラで、大事で、もっと皆がコストを負担してあげるべき業界だと思う。
というわけで沢山の人に観てもらえることを願います。もちろん面白いから。
BGM?サントラ?が大きすぎた。 ストーリー的には良いと思ったけど...
CMや番宣で見た印象とは違った
配送物が爆発、巨大センターを止めるな!みたいな手に汗握るクライムサスペンス!みたいな感じの印象を受けてワクワクしながら映画館に行きました。きっとハラハラな展開に終始ドキドキ!みたいな感じでしたが、見た感想としては、迫力あるシーンもたくさんあったけどそれ以上に現在の物流業界の闇みたいなものを伝えたかったのだなぁと思いました。ポチれば物が届く現在の便利さに潜む闇。そんな感じです。ドラマのコラボもあったのだけれどそれはあくまでおまけ。ある謎があるのですが最後までいまいちわからず考察サイトなどを見て理解が深まりました。
物流の重要性を改めて知る一本
巨大ECサイトとそのラストマイル輸送を担う物流会社で働く人々を中心に描かれるクライムサスペンス。テンポが早く少し置いてけぼりになる箇所もあるが、小気味良く進むストーリー展開は心地よさを感じる。取り上げられている物流問題についても現状をよく取材されており臨場感があった。顧客のわがままに対応するために高度にシステム化され、決して止まらないあのベルトコンベヤーが歪にゆがんだ資本主義の邪悪な仕掛けのように見えてくる。あのセンターを担う者は、「2.7m/s→70kg→0」の呪いに取りつかれ、その魔物を止めなければという気持ちに駆られていくのではないか。ある者はベルトコンベヤーに飛び込み、ある者は物流の動脈を断ち切ってまでそれを止めようとする。ただし、一旦は止まるように見えたその巨大な仕組みは歪んだ資本主義の中で生きる人間の欲望を燃料としてまたゆっくりと動き始め、それが日常化していく。岡田将生演じる梨本孔はその役目を引き継がれ、ロッカーの前であの呪文を見ながら、これまで同様に繰り返される自身の運命を見通し身震いする。
物流を扱った映画というのは少ない。裏側がどうなっているのか分からず、インフラとしてうまく回って当たり前ということでブラックボックス化し軽視されやすいという側面があると思う。血液が体内に上手く回らないと生物が死んでしまうように、物流が滞ると経済自体が破綻してしまう危険性があるということをエンターテインメントに落とし込み、物流の重要性を改めて理解する意味でも意義のある一本だと思った。
細部を味わうためにももう一度観たいと思った一本だった。
ラストマイラー?の視点
2つのドラマは全く知らず、見終わった後公式サイトを閲覧して初めてそう言う仕組みだったのを知った
それを知って、そう言えば雰囲気に合わない変な刑事がいたよなって納得した
映画自体は、サスペンスというよりも物流業界の問題点をドラマとして眺めていた感じだった
その点ではしっかり作り込まれていると思う
勿論、これは無いみたいな現実離れしている部分もあるにはあるけど、本質は間違っていない
物流ドライバーとしては、あって当たり前のサービスじゃ無いんだよと言う感じで
エンドユーザーに見てほしい
以下蛇足
物語の中で、物流会社が混乱して医薬品が届かなくヤバい!的な話があったけど
これはまあ起きませんね
まず、命に関わるヤバめの薬はあんな売り方はできないし
仮にできたとしても、病院は一つの業者に依存する事がまず無い筈です
後、個人事業主のドライバーさんの雨天休憩中の描写ワイパー動かしっぱなしにしてたけど
休憩中ワイパーは普通止めるよw
役者さんの顔を映さなくちゃいけないからそうしたんだろうけど
めっちゃ不自然に感じてある意味面白かった
まあ些細な重箱の隅ってヤツで、作品自体の魅力を損なうモノでは無いですね
物流業界の問題
社会問題をサスペンスにして見やすくした作品
私たちが何気なく利用している物流について、モノの流れや仕事内容、今起きている問題を紹介する映画。
問題提起にサスペンス要素を加え、エンターテイメントに仕上げていて楽しめました。陰謀がありそうに描いたり、主人公もスパイかのような印象を与えたりと見せる工夫をしつつ「現実はこんなもんだよね」って小さくまとめるところが日本映画っぽいなと思いました。
あと色んな別作品が共演していたようですが、知らなくても問題なかったです。豪華なキャストが度々登場して、ストーリのキーマンになるのかと思ったら本筋には絡まず、不思議だなってキャストがきっと別作品の登場人物なんだろうって感じです。
一粒で二度美味しい
導入部うまいですね。一気に引き込まれました。
何の情報も無しで行きましたが。
途中からチラホラ、、これってアレの劇場版だったの?
と思いきや、、どこかで見覚えのあるドクターが。
なるほど。
役者さんたちの演技に加えて大手通販の物流システムが圧巻でした。
リアルに凄いなと。ちょっとアニメのサイコパスのシーンのようで
これって近未来でも何でも無く、今のリアルなんだ。
ブラックフライデー私も利用させていただいてますし、
昨日頼んだものが今日届くって凄すぎる。
人間がシステムを動かしてるんじゃなくて
人間がシステムに組み込まれているような。
名も無き人たちの血と汗が今の便利を支えているのだけど、
便利すぎるって良いことなのかな。
最後の最後に、洗濯機の伏線が良かった。
ハマる人はハマると思いますが……。
MIU404は全話視聴済み、アンナチュラルは5話くらいまで視聴済みです。MIU404は無駄の無いシナリオ構成に感動し特に好きな作品。
そのうえであの二人が出てくるということで期待に胸を膨らませて観に行きました。
勿論世界線が同じなだけであるとは知っていたし二作品を履修されておられない方も楽しめるという評判から、本作品単体としても楽しみにしてました。
それがあっての感想なのですが、最初の事件なんかはこれから起こることが色々想像膨らんでワクワクしました。ですが、話が進むに連れてそのワクワクがどんどん萎んでいきました。つまらなかった訳ではないし起承転結の転も何回か仕掛けてあるのは分かりました。しかし、物語としての盛り上がりにこちらの心が付いていけなかった。あまり場所が変わらず、大部分が倉庫を映しての展開だからかな、とも後から考えたのですが、まず主人公に対する違和感。
この主人公がどういうスタンスなのか全く分からず感情移入出来なかった。最初はお客様の安全のために止めなきゃ!と説得したと思ったら、荷物は止めちゃ駄目、会社の利益的に駄目とか言い出し会社至上主義なのかと思えば、やっぱり止めよう!ってスタンスにいつの間にか変わっていて、彼女が何をどう思いそういう考えに変わっていったのかが私には分かりづらく感じました。
彼女が怪しいという展開になった時は「おっ」となりましたが、結局それも別に犯人だったという訳ではなく。でも私は彼女のスタンスが全く分からず、感情移入出来ないまま彼女が動き回るので最後らへんまでずっと彼女を怪しんでました。
また、犯人側や犯人の動機。犯人に関しては終盤まで疑惑に至るような登場シーンも無いので、ひょいっと突然出てきて「こいつが犯人です」と言い渡された感じで、犯人は誰だ誰だ?と色々考えながら見ていた私は肩透かしを食らってしまいました。
後から「こいつです」ってそれまで全然出てない人物が犯人として出される展開が私と同じく苦手とかモヤモヤするって人にはあまりハマらないかもしれません。
犯人と動機となる人物のやり取りなどの掘り下げも無いため、悲劇のうえに起きた事件として認識は出来るものの、感情はそういう風に動かなかったです。
そして、個人的に一番この作品観て感じて、レビューに書きたかったことなのですが、MIU404などはテーマなど分かりやすく心情に訴えかけてもくれたのと比べ、本作品は分かりづらく感じました。
言葉で説明してくれるシーンはあるし、ぼんやりと「これが伝えたいのだろうな」というのは分かりますが、肝心の暗号のようなものが意味する答えが観ている側に開示されずに、登場人物達だけが「そういうことだったのか」という反応をし、そして泣いている。ここが一番登場人物と観ている私とで見ているものを共有できなくなった場面でした。この暗号については推測は出来るものの、明確な答えを出してくれないので最後までモヤモヤがつきまといます。
私はMIU404も一話一話観終わった後更に内容の深みを実感し浸る為に解説や感想を漁ってました。そしてその作り込みに感動しました。
今作もテーマに向き合って描かれたのだとは思いますし、随所随所に伝えたいことを織り混ぜられていた印象は受けます。しかし今回は「浸る為に解説や感想を見る」ではなく、「分からなかったから解説や感想を見る」形になったのが個人的に、ハマる人はハマるとは思うけど……という感想に繋がった感じです。分かりやすい映画を好む方がハマるかは微妙なラインかもしれません。物語は全てを開示しなくともある程度きっちり答えを提示してから終わってほしいというスタンスで観ている私はそのへんが今作と噛み合わなかったためにあまりハマれませんでした。
しかし、考察が好きな方、物語を何度も観たりしてスルメみたいにじっくり味わいたい方はハマると思います。
その点で、向き不向きは少しあるかもしれないなと感じました。
作り自体は雑ではないし丁寧にされてはいると思う。ただ、感情移入したいとか、スッキリ物語の中であらかたの答えは知りたいといった部分は満たされなかった。映画や物語などに触れる時にその部分を重視される方がハマるかは分からないと思いました。
MIU404やアンナチュラルの皆、ちょっとだけの登場ではありましたが、特に完走済みということもあり、伊吹と志摩が今もちゃんと小突き合いながらもバディ組んで活動してる姿は安堵と共に嬉しさがありました。彼らはこれからも活躍してくんだろうなあ、彼らの物語はまだ終わらないんだなと思えました。陣馬さんー!って心の中で呼んで喜んだりもしてたので、MIU404やアンナチュラルの登場人物ファンには嬉しい。
様々な感情が交錯する倉庫
大手ショッピングサイトの物流倉庫から出荷された荷物が爆発する連続事件に関係する人々の話。
事件の全貌を追う機動捜査隊や、通常業務を遂行する様々な立場での解像度が高く思え、終始引き込まれました。
誰も彼もが力を尽くして実直に生きているのに、やりきれない。報われないとも違う、この気持ちを何と呼ぶのかわからないけれど、様々な人のそれぞれの立場を作品を通して想像し、何度も胸に迫るものがありました。
登場人物については、倉庫の主な関係者が限りなく人数を絞られていたことで、会話が散漫にならずストーリーに集中できてよかった。緊迫感のあるシーンが続く中息を抜くことができた配達員親子のシーンは微笑ましかった。上映期間中にまた劇場に足を運べたらいいな。
お客様に届ける為の最後の距離
便利の犠牲を見せつけられた
とぎすまされた脚本と演技に没入
セリフひとつひとつが研ぎ澄まされていて、キャスティングや俳優さんの演技にも違和感なく、映画に没入できました。
見終わってからも、哀しさが残るのは、
勧善懲悪とはいかない、現代の物語を描いた映画なのだとおもいました。
凛とした、麻生久美子さんをスクリーンで観られて良かったです。
シェアードムービーの醍醐味
複数の作品の世界観が一致した作品を日本で作ったという話題性、しかもどちらもヒットしたドラマという事で注目度が高かった。
アンナチュラルは当時観ており、MIU404の方は観た事なかったが、映画公開後にどちらも一気見し鑑賞。
どちらも全く観てなくとも楽しめる作品であるが、観ておくと些細な点でワクワクしてより楽しめるのではないか。
肝心のストーリーは、物流倉庫でありそうでなかった舞台。
話の繋がりも素晴らしく見応えがあった。
全935件中、261~280件目を表示