「ナナは可愛いしテーマもしっかりとしてるけど・・・」映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記 アホウドリさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 ナナは可愛いしテーマもしっかりとしてるけど・・・

2025年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

カワイイ

★ポイント
・子供向けとしては◎なのかも
・恐竜の子ナナが可愛い
・家族愛がテーマ
・ご都合展開の犠牲になるナナ

二つの家族愛が描かれているな、と思いました。

一つは野原家。
新しく野原家にきて、シロの等身大の友達にもなる恐竜のナナ。
ナナには恐竜ならではの危険性もあるものの、しんちゃんと父ひろしの漢らしい器の広さによって、家族の一員として受け入れられていく様子はハートフルでよかったです。

もう一つはネタバレになるので詳しくは言えませんが、野原家とは対比になる方。
歪んだ愛の形に囚われた家族が、ナナとの物語で良くも悪くも変わっていく過程が深くてよかったです。
この親子に対する「子の幸せを親が決めるな」というみさえの言葉がグッときます。

テーマとしてみれば、ちゃんと掘り下げられたいい作品だなと思いました。

あと、ところどころ脈絡なく挟まるギャグシーン。
クレしん映画らしさというものがあってよかったです。
ただ大人が楽しめるかというと・・・微妙?
子ども向けのおもしろさかな、と思いました。

ただ、ナナの扱いが不遇。
良くも悪くも話の展開の犠牲になっているなと思いました。
ラストのピタゴラスイッチ的なキッカケでナナがロボットのように暴走してしまうシーンも「そうした方が都合がいいから」といった感じで脚本の奴隷になってる感が否めず、感動もありませんでした。

ただ、クレしん映画はご都合主義で全然良いとは思っていて、「そうはならんやろ」と心の中でツッコミつつも、熱くなれたり楽しめるところが好きです。
なので、今回のラストに納得いかなかったのは私の個人的な嗜好の問題かもしれません。
(同じご都合主義でも、しっかり伏線の張られていた『アッパレ戦国大合戦』のラストは納得できたのですが・・・)

最新作ですので、クレしんファンでこの映画が気になる方は一度観て、こういったラストに納得できるか確かめてみてほしいですね。

アホウドリ
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