劇場公開日 2024年5月10日

「意外に良かった」トラペジウム R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意外に良かった

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

解説に、「アイドルグループ「乃木坂46」の1期生として活躍した高山一実が、現役アイドル時代の2016年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載した長編小説「トラペジウム」をアニメーション映画化」とあり、なるほど~と思った。
そもそもこの作品を見てしまったのをすぐに後悔したが、次第に面白さを感じた。
背景が新海監督のように細部にまでこだわった作りなのに対し、人物画は平面的で粗さが目立つ。
この粗さは、おぼろげな夢を見始める年代層を表現しているのかなと思ったが、アイドルだった作家自身の体験談だった。
作家がトラペジウムという言葉をどこで知ったのか?
そこに重ねた東西南北という仮のグループ名と自分たち自身の輝く姿 夢
オリオン星雲の中心にある4つの星の集まりを指す天文学用語
アイドルになるための計画書
アイドルになりたいと思う強い願い
これが原動力であり強い牽引力だった。
ところがみんながみんな同じ思いではなく、次第に自分自身を殺しながら生活していることに気づいてゆく。
それ自体はどんなものにもありがちなことだが、アイドルのそれは他よりも圧倒的な束縛との犠牲の上に成り立つのだろう。
理想と現実のギャップ
浮かび始めた疑問と崩壊する関係性
そんな青春の1ページは決してネガティブなんかじゃなく、自分を成長させてくれたこと。
大人になってまたみんなで集まったこと。
それぞれの人生
最後にあった「10年後の自分を仮装で表現した」ときの写真
当時の自分
諦めきれない思いだけは間違いなかったことを確認したことで再出発できた。
星の輝きとその中のトラペジウムを目指したこと。
それをアイドル スターとして夢見たこと
理想と現実 夢と儚さ
崩壊したアイドルグループだったが、そこに刻み込んだ確かな足跡
人生で、夢を形に変えることができれば、こんなに素晴らしいことはない。
たとえ短命になったとしても、そこには確かに光があったのだろう。
そんな彼女たちの青春に拍手

R41