劇場公開日 2024年9月20日

「「ベビ大ちゃん・プチ大ちゃん・ミニ大ちゃん・チビ大ちゃん・ラスボス大ちゃん」【12月24日追記】」ぼくが生きてる、ふたつの世界 ひなさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「ベビ大ちゃん・プチ大ちゃん・ミニ大ちゃん・チビ大ちゃん・ラスボス大ちゃん」【12月24日追記】

2024年12月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

【12月24日レビュー追記】

私の2024年ベスト1映画です。

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「2024年ベスト3」
まだ何者にもなれない今の自分を受け入れ、周囲との暖かい関係に支えられ、少し上を見て前を向き生きていく、というラストの映画3本を選びました。

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「ベストレビュー」
12月初めに、私にとってのこの映画のベストレビューと出会いました。そのレビューに私の想いの全てがあると思い、素直に「読者でいたい」とコメントしてしまいました。

人の縁とは不思議なもので、そのレビュアーさんに自分でレビューを書くことをススメられたことがきっかけで、こうしてポンコツレビューにも追記しています。

大好きな作品だけに思い入れが強くレビューが書き終わらず、映画の中と外にあるものを書き散らかした下書きのまま、未完成のレビューを追記しておくことにしました。

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「非公式アンバサダー」
初日に映画館で観た後、毎日会う人に2種類のフライヤーを渡して、勝手にボランティアアンバサダー活動をしていました。

オススメした相手全員が、その当日から週末に映画館に行ってくれたこと、そして全員が良かったと感想を教えてくれたこと、そんな小さな奇跡が起きた映画でした。

(男の人たちは映画で泣いたと言うのが恥ずかしい様子で、その話を聞き出すのが楽しかったです、ごめんなさい)

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「ロングラン」
9月13日の宮城県先行公開、9月20日の全国公開から、細く長くロングランが続いています。『侍タイムスリッパー』も9月13日の全国拡大公開からロングラン中なので、どちらもファイナルランまで頑張ってほしいです。

11月17日の「ロングラン上映御礼舞台挨拶」に呉美保監督と吉沢亮さんが登壇して、公式Xで募集した質問に答えるというステキな企画がありました。

海外5カ国の映画祭で上映された報告を読むと、日本と同じように、コーダとしてだけではなく普遍的な親子や家族の物語として受け止められている印象でした。

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「バリアフリー字幕」
『ぼくが生きてる〜』で、初めてバリアフリー字幕を体験しました。映画館で3回観ましたが、初日に字幕で鑑賞したことは「ふたつの世界」の理解を深めてくれました。

邦画の字幕版のニーズは多様な理由で増えているので、座席で簡単に表示の選択ができるようになればいいなと思っています。

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「パンフレット」
劇場パンフレットを久しぶりに購入しました。初日に全国的に売り切れてしまったことをSNSで知り、再々入荷でやっと手に入れました。

「宮城県の漁港で東日本大震災は?」「ラストの演出の意図は?」「エンディングの手紙の歌詞はどうして英語なの?」、完成台本も掲載された素朴なパンフレットは、私の疑問に答えを教えてくれました。

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「監督復帰作」
呉美保監督は、次男が産まれた頃に映画の企画の話があり、小さな男の子2人の育児をしながら監督復帰したそうです。この映画からやさしい母親の愛情が伝わってくるのは、復帰当時の監督の目線もあるのだろうと思います。

子役4人が本当に吉沢亮さんに成長していくように見える連携リレーは、五十嵐大さんのノンフィクションを映像化するのに欠かせない演出でした。

母親役の忍足亜希子さんが54歳、父親役の今井彰人さんが33歳、21歳差でも赤ちゃんを抱いている夫婦に見えること、30歳の吉沢亮さんと父親が3歳しか違わないのに親子に見えること、これも監督のマジックでした。

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「主演男優賞」
吉沢亮さんは、今年デビュー15年で、この映画で初めて主演男優賞を受賞。2018年に俳優として初めての映画賞の新人賞も、同じTAMA映画賞で最優秀の受賞でした。

11月30日の映画祭授賞式のスピーチで「緊張しています。ご縁を感じています。受賞したのがこの作品で良かったです」
監督とのトークで「30歳になる男が中学生を演じました。監督が絶妙なダサさにこだわった昭和の髪型のかつらは不安でした。手話は顔の表情によって意味が変わってくることを知りました」

監督から「役にも周りにも媚びないストイックな職人のよう」、脚本家から「役作りの努力や演技の苦労をおくびにも出さない」と、公式Xでもコメントがありました。

「俳優30歳の壁」をこの作品で乗り越えてくれたこと、吉沢亮さんとこの映画の一ファンとして、とてもうれしいです。
(12月23日、吉沢亮さん主演の吉田修一原作『国宝』の公開が、2025年6月6日に決定しました。予告映像に息を呑みました)

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「ティザー広告」
今年7月に少し退屈なハリウッド映画を観た日、この映画の予告編を観ました。ちょうどその日、この映画のフライヤーのティザーと本公告の入替えでした。

ティザーは、予告編でも印象的な吉沢亮さんのアップ、ポスターとパンフレット表紙や原作文庫Wカバーにも使われたメインビジュアル。本公告は、五十嵐大(吉沢亮)とお母さん(忍足亜希子)が駅に並んでいる、映画.comの画像です。

製作費も宣伝費も少ないこの映画で、このティザー広告のビジュアルと予告編は、「映画の嘘のない宣伝」と「この映画を観に行きたい」と感じた観客の予感の、本質を捉えていたのではないかと思います。

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「エンディングソング」
映画のエンディングに流れる「letters」のMVが、映画の大ヒット記念で、今年の10月10日から1年期間限定でYouTubeで公開されています。

呉美保監督の公式Xの表現が面白かったので、このレビューのタイトルにお借りしました。

「映画の編集中に、ベビ大ちゃん(3ヶ月)、プチ大ちゃん(6ヶ月)、ミニ大ちゃん(4才)、チビ大ちゃん(9才)、ラスボス大ちゃん(15才〜28才)、5人の大ちゃんがあまりにも似てるから、短めに繋いで主題歌をのせてみたら、なんかええやん!とMVが完成したのです」

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P.S.
まだレビューを書き始める前の、12月7日の自分のコメントを引用しておきます。

「ラストの駅のシーンを『ニュー・シネマ・パラダイス』に例えられていて、あー先を越されちゃった(泣)…を思い出しました(笑)
鑑賞後に完成台本が載っているパンフレットと原作を読み、公式SNSもフォローしました。
監督があの駅のシーンをラストと決めたところから、この映画作りが始まったことを知り、私の思いをレビューにしたかったのですが…」

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P.S.2
12/19「第79回毎日映画コンクール」3賞ノミネート
12/1「第46回ヨコハマ映画祭」2024年日本映画ベストテン7位
11/13「第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」1部門ノミネート
11/12「第49回報知映画賞」2部門ノミネート
10/3「第16回TAMA映画賞」特別賞(監督/スタッフ/キャスト一同)・最優秀主演男優賞2部門受賞

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今年は邦画の当たり年で豊作だった、という声をよく聞きます。
初日に鑑賞して、映画館でリピートした作品が何作もありました。
私の2024年ベスト3候補は、この映画です。

今まで映画.comはほぼ見る専門でしたが、★★★★★の作品には評価とレビューの投稿を最近始めました。
他の方のレビューを読むと自分の語彙力と文才の無さで、好きな映画ほど言葉が見つからなくなります。

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9月20日・10月17日映画館で鑑賞
10月28日★★★★★評価
12月2日レビュー投稿
12月24日レビュー追記

ひな
みかずきさんのコメント
2024年12月26日

共感&コメントありがとうございます。

本作に対する作品愛に溢れたレビューですね。
口語体で書かれているので読み易かったです。
章を設け、書きたいことを素直にまとめているので分かり易いです。
作品に対するひなさんの想いがストレートに伝わってきます。

本作、主人公の両親を筆頭にした聴覚障害者達の自己肯定感の高さが素晴らしかったです。脱帽でした。自分を肯定する、自分を好きになるって生きる上で大切なことだと思いました。敢えて劇的にせず主人公の今に寄り添ったラストがgoodでした。

では、また共感作で

ー以上ー

みかずき
琥珀糖さんのコメント
2024年12月25日

一気に追記を書かれたのですか?
とても面白いのでスイスイ読めます。
文才ありますね。
〉コーダとしてだけではなく、普遍的な親子や家族の物語。
だから自然体、と感じたのでしょうね。
プチ大ちゃんは、6ヶ月・・・そうかー
予想より小さかったです。
お母さん役の忍足さんが54歳!!
信じられません。若くて純粋で。
呉美保監督はお母さんになられて、作風が変わりましたね。
「そこのみにて光輝く」
「きみはいい子」
とても攻めてる、野心的な作品です。
嫌悪するような表現もあり、人間の醜さにも、それを忖度なく描く
呉監督の若さも眩しいです。
今後の活躍も楽しみですね。

琥珀糖
トミーさんのコメント
2024年12月25日

コメントありがとうございます。
控えめな感動表現の方がじわじわ来る良い例だと思います。
自分の今年の邦画ランキングでも2位ですね(1位大いなる不在、3位違う惑星の恋人、ちなみに総合1位シビルウォー)。

トミー
トミーさんのコメント
2024年12月24日

吉沢亮くんという人材が大きく頭をもたげた年になったと思いました。白くてどことなくふてぶてしい感じ、二階堂ふみと共演した時は弱々だったのに。菅田くん、仲野くんとはまた違った立ち位置に居てほしいですね、銭湯の変な役も演るみたいですが・・。

トミー
琥珀糖さんのコメント
2024年12月24日

共感ありがとうございます。
朝、早くに出かけたので、コメントせずに、すみません。

でんでんさんの蛇の目の安、烏丸せつこさんの祖母、
そして耳の不自由な父母、
いい家族ですね。
大ちゃんの母を思う気持ちは、きっと、照れて隠してますね。
「駅のシーン」
呉美保監督も、このシーンから逆算して
撮影されたのですね。
一番最初に「自然体」と言う言葉が浮かびました。

琥珀糖
ひなさんのコメント
2024年12月8日

luna33さま
侍タイへのコメントも、ありがとうございました。
実はレビューと合わせて、他の方宛のコメントも読んでいました。
ラストの駅のシーンを『ニュー・シネマ・パラダイス』に例えられていて、あー先を越されちゃった(泣)…を思い出しました(笑)
鑑賞後に完成台本が載っているパンフレットと原作を読み、公式SNSもフォローしました。
監督があの駅のシーンをラストと決めたところから、この映画作りが始まったことを知り、私の思いをレビューにしたかったのですが…
もう少しコメントで場馴れしてから、レビューを書いていこうと思っています。

ひな
luna33さんのコメント
2024年12月7日

共感とフォローありがとうございました。

本当に良い映画でしたね。個人的に今年は本当に映画の当たり年だと思っているので、ベスト3となると死ぬほど悩んでしまいます(笑)

でもこの作品も最後まで候補に残りますね。吉沢亮君には主演男優賞をあげたいくらいです。

luna33
ひなさんのコメント
2024年12月3日

オプンチアさま
続けて共感、ありがとうございます。コピペ連投レビューで恥ずかしいですけど、嬉しいです。
どこにコメント返信すればいいか分からないので、あちこちで言わせてください。
『ショーシャンク』を好きな人に冷たい人はいません!

ひな