劇場公開日 2024年2月2日

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「美貌に加え知性にあったのではなく、知性が美貌になった人」ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 Kanaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0美貌に加え知性にあったのではなく、知性が美貌になった人

2024年2月9日
iPhoneアプリから投稿

 私の思い描いていた夫人そのものでした。美しい女優さんならいくらでも候補にあげられたでしょうが、これほど知性の滲み出る演技は、監督である本人しか演じることは難しかったと思います。

 当時の美しさの基準は現代の測りでは知れないことです。顔立ちなのか、肌の色なのか、髪質なのか、流行を知っていることやそれに乗ることが出来る財力なのか、少なくとも国を跨いでヨーロッパ中から美女が集まるベルサイユでルイ15世ともあろう人が足を止めたと言われるほどの美人というのは、ただ容姿が整っているだけではなかったかと思います。

 そもそも、夫人はただの娼婦ではなく高級娼婦です。当時の高級娼婦というのは出所は違えど貴族の女性とほとんど同じような暮らしをしていました。高級娼婦になるためには、貴族のようにたまたまその血を持って生まれてくるだけでは決してなれません。女性の美しさは短く、その短い寿命のうちに出世してしまわなければならない。夫人は映画で語られた奔放で芸術の才に富み画期的な思考を持つ一面以外にも数多く優れている点があった女性だろうと、歴史文献を読んでいても思います。

 「国王に溺愛された美女」という言葉だけで誰もが想像できる人物ではなく、きちんと中身を描かれていたように感じ、とても丁寧で大好きな映画でした。

 この映画を思い出せるよう、自分用のレビューです。

Kana