「史実を全く知らないからか、割と恋バナだったという印象を持った。愛し合う恋人同士の物語。見てて暖かい気持ちになった。ベルサイユ宮殿、例によってスゲー。」ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
史実を全く知らないからか、割と恋バナだったという印象を持った。愛し合う恋人同士の物語。見てて暖かい気持ちになった。ベルサイユ宮殿、例によってスゲー。
◆ジャンヌは国王の寵愛を受けてるとはいえ尊大ぶることがない。庶民出身だからかもしれない。陽気で気さくな感じも良かった。もうずっとジャンヌを応援してたヨ。
だけど、王候貴族からみたら卑しい身分の出身だし、娼婦だし、宮廷や貴族社会のルールも破ったりするから3人娘や貴婦人達からはヒンシュクを買う。
そんなジャンヌを、王の側近や政府の高官とおぼしき背が低いおじさん(名前忘れた)は暖かく見守って支えてくれる。
◆イヤがらせに対してジャンヌが涙を流して嘆き悲しんだり、やたら暗いドロドロした物にしてないのも良かった。
敵役の3人娘にしても、「コイツらだけはもう絶対許せーん、成敗せにゃならーん」なんて思えるほど悪らつ陰険には描かれていない。末娘はジャンヌの味方ではないが、姉たちのイヤガラセには参加せず中立を保つ。
◆マリー・アントワネットって、ヤッパシ政略結婚?若いのに遠くから1人でやって来て心細さそう。3人娘の言い付けどおりにジャンヌを無視する。まあ次期王妃とはいえ新参物だから3人娘には逆らえずってとこかも。
・こういう所は国王のルイ15世、絶対権力者なんだから、「お前らジャンヌを無視すんじゃねえ」ってビシッと言えんのかなとは思うが、王族のルールとか何かよくわからん。おそらくジャンヌは王と結婚してない愛人だから、王宮内では最下層なのかもしれん (使用人よりは上だろうが ) 。
・国王だからって大っぴらに愛人囲って使用人も付けて家まで与えちゃってるけど、そもそも愛人ってのが、キリスト教の教義に反してるみたいだ。キリスト教には国王でも逆らえないようだが、この件に関しては国王だからってことで黙認なのかも。
・それよか、時代とか、国王だからとか、キリスト教の教義とか抜きにして、娘達から見て愛人囲ってる父親ってどうよって問題にのような気がしてきた。 女子3人娘にしたら、「げっ、キショ~イ」って言いたくなるだろう。 きっとマリー・アントワネットも同じ思いじゃわい。
◆僕がフランス史を知らないのも良かったのだと思う。もちろん池田理代子センセイの大傑作は当然(?)読んでない (ナーイス)。 映画の中でマリー・アントワネットの話題が出てきて初めて、「あっ、マリー・アントワネットの1つ前の時代の話だったのか」と思ったほどだ。
史実としてイロイロあった悲しい話や、ドロドロした事実なんかを知っていたら、単純に国王と愛人の恋バナとして楽しめなかったかもしれない。
・ちなみに、フランス史で知ってる単語は、ベルサイユ宮殿・マリー・アントワネット・ルイ1?世・ギロチン・フランス革命、これで全てだ。あとナポレオンも。 今回の映画でフランス史はもう完璧。
あと国王の死をロウソクで知らせるのも良かった。 だけど、「国王崩御ォ~」 の舌の根も乾かぬうちからの速攻の 「新国王即位~」には笑った。 確かに制度的には、前国王崩御 → 即 新国王即位なんだろうけど、即位宣言は日を改めて別の日でも良くネ?
・新国王のイケメン16世って孫だったのか。ってことはルイ15世には息子はいなかったのかな? いたけど亡くなった? まあいいか (^^) 。
・あと、「えー、なんじゃソリャ?」って驚いたのが、愛人になるために結婚した所。逆じゃねって思った。国王の愛人になるには名目だけでも貴族じゃなきゃダメってことらしい。改めて、「なんじゃソリャ?」
・ジャンヌはフランス革命起きるかなり前にベルサイユ宮殿あとにしたから難を免れて良かった。と思っていたら、結局ギロチンで処刑されてしまったらしい。
史実は知らないが、映画の中では何も悪いことしてないのに。何てコッタイ。悲しい。。
◆ストーリーには直接関係ないが、ヨーロッパ映画に出てくるサロン、高級娼婦、貴族とかサッパリ分からんといつも思う。サロンと称する貴族や文化人の溜まり場に、高級娼婦がもれなくセットで付いてくるってのが奇妙だ。サロンには娼婦じゃない女子も参加してるし、貴族のパートナーも同伴してたりしてホントわけが分からない。高級なんて言っても男は性の対象としてしか見ていないのは今回の映画でも分かる。