「【”平凡な人になって、と最愛の人は言った。”最愛の人を殺され、自分の事を知らない誘拐された娘を、命を懸けて守ると誓った男の壮絶な復讐、奪還劇。ナント、名優チョン・ウソンの監督デビュー作だそうである。】」ザ・ガーディアン 守護者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”平凡な人になって、と最愛の人は言った。”最愛の人を殺され、自分の事を知らない誘拐された娘を、命を懸けて守ると誓った男の壮絶な復讐、奪還劇。ナント、名優チョン・ウソンの監督デビュー作だそうである。】
■凶悪な殺人の罪で懲役10年を言いわたされたスヒョク(チョン・ウソン)は出所の日を迎える。
今も忘れられずにいる昔の恋人ミンソ(イ・エリヤ)のもとを訪れ、幼い女の子インビの父親になった事実を知ったスヒョクは、所属していた犯罪組織との縁を切ろうとする。
が、表向き大企業になった組織を仕切るウングク会長(パク・ソンウン)と彼に仕えるカン理事(キム・ジュンハン)はスヒョクの実力を知っているためか、彼の想いを認めず、彼の命を奪おうとする。
◆感想
・ご存じの通り、チョン・ウソンは韓国を代表する俳優の一人であり、ラブストーリーからアクションまで幅広いジャンルで韓国映画を牽引してきた方である。
・今作では10年振りに出所したが、恋人ミンソと自分が父である事を知らない幼い女の子インビのために、平凡な人生を送ろうとするも、所属していた犯罪組織から命を狙われるクールで寡黙な男、スヒョクを演じている。
ー 監督と主役を兼ねるのは、大変だと思うのだが、初監督でそれを熟すのは、流石だと思う。-
・彼を殺そうとするカン理事に雇われた狂気性を帯びた殺し屋カップル、ウジン(キム・ナムギル)とジナ(パク・ユナ)の対比も面白い。
・ハンドライトとナイフを一緒に持ち、暗闇で戦う陰影を付けたシーンや、ウングク会長から与えられたBMWを自在に操作するシーンや、殺し屋カップルとのカーアクションなども、既視感はあれど微妙に入れ込んだアレンジにより見応えがある。
■小物振りが光るカン理事を演じたキム・ジュンハンや、寡黙なスヒョクが笑顔一つ見せずに恋人を殺したウジン(キム・ナムギル)と娘を誘拐したジナから攻撃されつつも、逆に追い詰めて行く姿なども、良い。
・又、チョン・ウソンは50代になっているが、鍛えてると思われる身体が、彼のプロ根性を感じさせる。
・強いて言えば、ウングク会長まで斃さない事が一瞬気になるが、平凡な生活を娘と送るためだろうと、解釈する。
<自分が救った最初に会った時に”オジサン、誰?”と言われた娘と公園のベンチで仲良く背を向けて座るラストシーンも印象的な作品である。>