「自分をカッコよく撮る監督」ザ・ガーディアン 守護者 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
自分をカッコよく撮る監督
愛する娘を救うために戦うおじさんアクション映画はもはや定番になった感がある。本作でやや変化球的な設定は、娘が父親はいないと育てられていたこと。そして妻ではなく元恋人という設定。
娘と元恋人のために犯罪組織から足を洗おうとした主人公が殺し屋に狙われるのだが、話の設定や展開がいろいろと粗い。そもそも主人公は殺し屋なのか?何がウリの男なのか今ひとつ明らかではない。組織が(というより理事1人が先走って)彼を殺そうとする動機がスッキリしないのだ。さらに余命わずかの状態で彼女は娘の将来をどうするつもりだったんだろう?なんて余計なことを考えてしまう。
それでも雇われた殺し屋カップルとの戦いはそれなりに面白かったし、カーチェイスや銃撃戦、格闘、爆発といろんな要素がつまったアクションシーンは楽しめた。ただ、組織のボスとの決着は?とか、娘との関係をボカシて終わらせてしまう。最後のシーンだけで親子の良好な関係を示唆するのはちょっと言葉足らずな感じがしてしまった。
エンドロールで気づいたのだが、主演のチョン・ウソンが監督を務めていたんだな。俳優が監督する場合、自分は出演せずに監督に専念する人と、自ら主演して自分をカッコよく撮る人がいる。後者だったってことか。それなら多少粗くても仕方ない。納得。
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