劇場公開日 2024年8月1日

「前作に続き、どうもノレません」インサイド・ヘッド2 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5前作に続き、どうもノレません

2024年8月4日
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総じて他の皆さんのレビュー評価も高い様子。
前作も観に行ったが、当時も感想は「ピンと来ません」という感じだったので、まあ私の理解の及ばないお話ということなのだろう。

私の感想などは、取るに足らないごく少数の「言いがかり」ということで、批判や解説コメントなどはご容赦下さい。

ということで。
さて、どこから話そうか。

まず、この話の「主体」が曖昧なのが私にとって内容を飲み込みにくくしている。
ライリーの行動は、あの司令室の感情キャラたちが司っていて、その場に合わせた感情が前に出て操作している。
なのに、それぞれの感情キャラが別の感情(ヨロコビが泣いたり怒ったり)を持っていたり、感情の合議的な選択にも「常識」「理屈」みたいな、感情以外の要素が介在していて、物語設定としての機能不全に見えるのと合わせて、劇中では感情がそれぞれライリーを「自分(わたし)」ではなく「ライリー」として認識している。だから主人公ライリーの行動は、別に存在する複数の感情キャラが部分的に責任を分配していることになり、ライリーの「主体」が曖昧なため、キャラクターとして好きにも嫌いにもなりにくい。

この辺りがそもそも前作からの私の印象。

さらに本作では、新たに思春期の感情キャラが4体登場。この4体が基本的に否定強めの感情なので、過去キャラの前向き姿勢と相容れないこともあって決裂。
新たな感情によるネガティブ思考が育つのをヨロコビたちが阻止しようとするのが大枠のストーリー。

いやいやいや。

仲良しの友達2人が内緒で進学先を変えていたことを知って、高校での生活や今後のスクールカーストで苦労するのを「シンパイ」して、無理に周りの先輩やチームメイトに合わせようとするライリーを、誰が非難できる?
2人の進路が同じだったらこうはなってなかったはず。
表情をコミカルに描いてたから、滑稽に見えたかもだけど、私は彼女の不安と孤独を考えたら、むしろ胸が苦しくなる。
シンパイは十分に役目をまっとうしていたし、悪魔のささやきに惑わされながらも必死で合格しようとしていたライリーの方がむしろ人間らしいとさえ思う。

それなのに、彼女が今を何とか取り繕うためにジタバタしている姿を否定するかの様に、以前からあった「私はいい人」なんていう、うすら寒いお題目を偶像化して、取り戻そうと奔走している旧キャラたちに対して私はそもそも全く共感できなかったし、そんな不毛な活動に上映時間の大半を費やした後、ラストに「ネガティブな自分も合わせて『自分』なんだよ。」なんて、最初から分かりきったゴールに連れて行かれても…。

つまり、私もこのお話のゴールやメッセージそのものは理解できるし、ライリーにも同情する。ただ、そのプロセスがまったく共感できなかった。

調子にのって言い過ぎましたかね。

ライリーの表情とかは、すごく愛らしいしイキイキした年頃の女の子の描写として良かった。

でもまあやっぱり良い意味でびっくりしたのは吹替で「シンパイ」役を担当された多部未華子さんでしょ。
タベちゃんマジでスゴかった。

とまあ、★も少なめで申し訳ないですが、決して逆張りでも何でもなく、こういう人もいるんだよ、というコトで。

キレンジャー