リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

劇場公開日:

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リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

解説

ロックンロールの創始者のひとり、リトル・リチャードの知られざる真実と素顔に迫ったドキュメンタリー。

1955年、デビュー曲「トゥッティ・フルッティ」の大ヒットで彗星のように音楽シーンに現れた黒人アーティスト、リトル・リチャード。反権力志向の若者たちの心をつかんでヒット曲を連発するも突然引退を宣言し、5年間にわたる“教会への回帰”を経て、復帰後はイギリスツアーを通じて無名時代のビートルズやローリング・ストーンズに決定的な影響を与えていく。当時のアメリカでは南部を中心に人種差別が激しく、さらに彼はゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気なキャラクターを演じつつも壊れやすい繊細な魂をもつ人物だった。

差別と偏見、時代と流行、信仰と音楽活動など、さまざまな狭間の中で苦悩し闘い抜いた彼の魂の軌跡を、本人および親族・関係者、識者の証言や豊富なアーカイブ映像、さらにミック・ジャガー、ポール・マッカートニーら著名ミュージシャンの証言映像を通してひも解いていく。

2023年製作/101分/アメリカ
原題または英題:Little Richard: I Am Everything
配給:キングレコード
劇場公開日:2024年3月1日

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映画レビュー

4.0天才ミュージシャンの伝記であり、搾取の歴史のドキュメンタリー

2024年3月31日
PCから投稿

リトル・リチャードといえば、大昔に見たグラミー賞授賞式にプレゼンターとして登場し、「受賞者は……アタシだって!」というボケをしつこいほどやっていて、でもまあなんだか楽しくなるような陽性キャラなおかげもあって印象が悪かったりはしなかったのだが、このドキュメンタリーを観ると、ロックンロールのオリジネーターでありながら正当な評価を得られていない不遇感を長年抱えていたと知り、あのボケがかなり本気だったことに驚いた(その場面の一部はこのドキュメンタリーでも見ることができる)。

さらにチャック・ベリーのコンサートドキュメンタリー『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』ではチャック・ベリーとボ・ディドリーと3人で座談会をしていて、ここでも黒人ミュージシャンの搾取について、冗談を交えながらもかなり熱く語っていた記憶がある。

パフォーマーとしてもシンガーとしてもピアノ奏者としても、また作曲家としても素晴らしい才能の持ち主であることくらいはわかっていたつもりだが、正直、リトル・リチャードのことを今までなにも知らなかった。これは伝記ドキュメンタリーであると同時に、音楽業界の搾取の歴史のドキュメンタリーでもある。非常に学ぶところの多い、見ごたえのある作品であり、ロックに興味があるなら観ておいて損はないです、と、ありきたりな表現ですが、ウソ偽りなくオススメします。

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村山章

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で「トゥッティ・フルッティ」を

2024年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 数十年前のこと。初期のビートルズの曲の中でもお気に入りの「のっぽのサリー」が、ビートルズの自作曲ではなくカバーなのだと知った時には驚いたなぁ。それを作曲し、歌い、世に知らしめ、ロックの創始者として知られたのがリトル・リチャードです。本作はその足跡を辿るドキュメンタリーです。

 僕が、ビートルズの曲だと思っていた事こそが、彼が終生訴え続けた事だったのでしょう。黒人で、ゲイでジャンキーである事を公言していては、白人の様に稼ぐ事はできなかったのです。しかし、彼は「抵抗せる聖人」であった訳ではなく、かなり遣りたい放題の人生だった事が窺えます。

 信仰の道を熱く語り、「神のお陰でドラッグをやめた」と語りながらも恐らく薬物依存で、「ゲイから離れた」と言って同性愛の支持者を裏切り、大口を叩き、乱交と聖書が同居する日々を送ったのです。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)のダンスパーティー・シーンで主人公のマーティーが演奏するのが、チャック・ベリーの「ジョニーBグッド」ではなくリトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティ」だったら彼はさぞや喜び誇りに思っただろうな・・などと考えてしまうのでした。

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La Strada

4.5「オレは過小評価されている!」という叫び

2024年6月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

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1950年代にロックンロールという音楽のジャンルが確立され、多くのミュージシャンが現れ、ヒット曲を飛ばした。エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリー、ファッツ・ドミノ、バディ・ホリー、エディ・コクラン、ビル・へイリー、…そしてリトル・リチャード。中でもエルヴィス・プレスリーは60年代、70年代に渡ってヒット曲を飛ばし"キング・オブ・ロックンロール"と呼ばれている。しかし、他のミュージシャンへの影響力を考えるとリトル・リチャードの存在は抜きん出ている。ステージの先進性、他のアーティストによるカバー曲の多さ。
60年代以降に現れ、ロックのスーパースターと言われる多くのミュージシャン達もリトル・リチャードに影響を受けている。また、その事を公言しリスペクトを明らかにしている者も多い。ポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、オーティス・レディング(Lucilleのカバーは最高)、ジェームズ・ブラウン、デヴィッド・ボウイ、プリンス…。影響を受けていないロックやR&Bのミュージシャンはいないと言っても過言ではない。同年代に現れたエルヴィス・プレスリーもリトル・リチャードに影響を受けたことを認め、Long Tall Sally などをカバーしている(本当かどうか怪しいけど映画″エルヴィス″の中でリトル・リチャードとのやりとりが出て来る)。
たくさんのミュージシャンがリトル・リチャードの影響を受けヒット曲を飛ばし大金を稼ぎ賞を受賞する。そしてリトル・リチャードは叫ぶ、何度も何度も何度も何度も…。「オレは過小評価されている」。その気持ち、痛いほどわかる。
1997年、デビューから40年以上経って、"アメリカン・ミュージック・アワード"の功労賞を授賞し、彼はステージで涙を流す。多くのミュージシャンが笑顔で彼を祝福する。ミック・ジャガーがキース・リチャーズが…。やっと報われたんだなと。でも本当はみんなわかっていた。彼の功績を。
この映画でリトル・リチャードのたくさんの楽曲を耳にし、派手なライブパフォーマンスを目にした。その時の心の解放感、そして幸福感はどう表現したらいいのだろうか。ロックって素晴らしい。

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ゆみあり

3.5ロックンロールの始祖

2024年6月6日
iPhoneアプリから投稿

讃えられるべき人が
讃えられないのが感動物語として
美化されるべきではない。

とはいえ、
彼が称賛される姿には、心にくるものがある。

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JYARI

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