パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツのレビュー・感想・評価
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甘さ控えめでしっかりと魅せる半生ドラマ
フランス、食、それもスイーツが題材となると、見る側の先入観として、コミカルで華やかなドラマが思い浮かぶかも知れない。だが世界で名高い人気パティシエのヤジッド・イシュムラエンの自伝をベースに作られた本作は、彼の辿った過酷な生い立ちを軸に、母との複雑な関係性、里親から得た精神的な支え、なかなか周囲と馴染めなかった青年期をじっくり描き出す。苦難に押しつぶされそうになりながらも彼がパティシエになる夢を諦めなかったのは何故か。そこにはどんな思いがあったのか。スイーツはいわば、光の当たらない心の奥底を照らすスポットライトだ。その道筋に導かれるように、主人公は人生で出会った幾人もの人々に背中を押され、ぎこちなく、しかし力強く前に進んでいこうとする。時に繊細に、時に創造的に、大胆に。誠心誠意を込めてスイーツ作りに打ち込む姿勢は、まさに彼がたゆまず歩んできた人生そのもの。なかなか見応えあるストーリーだった。
“味も”足りても、足りてなくても
ケーキが食べたくなりました
主人公のヤズィード・イチェムラヘン氏は22歳の時、イタリアで開催された名誉あるジェラートワールドカップで優勝したフランスチームの一員でデザートコンテスト史上最年少の世界チャンピオンチャンピオンになりました、そんな彼の自伝的著書「A Boy With Stars in His Hands(星を掴む少年)」を映画化。
幼少期から里親のもとで育ち、週末はアルコール依存症の母親のもとで過ごした様子を詳細に描いています。また、母親の世話を受けている間に弟を亡くしたことや、パンを焼くという瞑想的な行為に彼が慰めを見出した様子についても触れています。
経済的に困窮し路上生活を余儀なくされた時期も、モナコのホテル・メトロポールをはじめとする一流店でパティシエとしての腕を磨きました。
「母のことで、そしてその他諸々で、日々の生活は本当に大変で、この世で唯一心地よかったのはケーキ作りだったんです」と彼は言う。
病床の母に贈ったのが子供のころから作っていたチョコレートケーキ、映画を観ていたら無性にチョコレートケーキが食べたくなりました。
コンテストでの氷像づくりも見事でしたね、てっきり味が勝負かと思っていたら氷像づくりも審査対象、パティシエには味覚だけでなく視覚的な芸術性も問われるんですね、過去、ホテル・ニューオータニの平田 浩一氏も氷像部門で優勝(2018年)していたそうです。
【今作は、問題を抱える母に育てられた少年が優しい里親の家で食べたスウィーツの想い出により、パティシエとして名を上げた実話ベースのお話である。】
■過酷な環境で過ごしている少年・ヤジッドにとって唯一の楽しみは、里親の家で食べる手作りのスウィーツ。いつしか最高のパティシエになることを夢見るようになった彼は、パリの高級レストランに雇ってもらうチャンスを掴み、見習いとして働き始める。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・今作は天才パティシエ、ヤジッド・イシュムラエンの自伝を映画化したモノだそうである。物語はヤジッド(青年期:リアド・ベライシュ)の少年期に、問題を抱える母サミナ(ルブナ・アビダル)と暮らす中、優しい里親シモーヌ(クリスティーヌ・シティ)とパスカル(パトリック・ダスンサオ)の家で食べるスウィーツに触発され、成長してからは同僚の嫌がらせなどありながら、彼と友人になる黒人マニュの力添えも有り、コンテストでフランス代表の一人として優勝するまでを描いた物語である。
・全体構成として、少年期と青年期が並行して描かれるが、問題を抱える母サミナとの関係性や、青年期に数々登場するシェフたちとの絡み方が、演出として甘い気がするのであるなあ。
監督は今作が長編デビューらしいので、これから修正して行って貰いたいかな。
・魅力は、矢張りヤジッドの代名詞とも言える”パリ・ブレスト”を始め、映し出されるスウィーツの数々の美しさであろう。
<今作は、問題を抱える母に育てられた少年が優しい里親の家で食べたスウィーツの想い出により、パティシエとして名を上げた実話ベースのお話である。>
勝つ
何度か実際のパティスリーコンクールをTVで見た事がある。NHKなので日本チームを追うのだがなかなか過酷。冷蔵庫が冷えないとかあったかな。日本チームはいつも上位であったけど優勝には届かず2位とか3位とか前回は優勝したのではなかったかな?最近では新興国が上位になり、伝統よりも新しさを感じる世界であった。その中でフランスは苦戦していたと思う。部門も飴細工みたいな物やチョコのオブジェ、ヤジットが行った氷の彫刻と多岐に渡っていた。
さてヤジット、まさしく毒母に足を引っ張られるも養父母の暖かい援助で育てられる。しかし支援施設での生活、職員の優しさも身に染みる。ヤジット自体はけっこう詐欺っぽい手口で這い上がっていくのだが、それは成功したから良い話となるがちょっとね。
氷彫刻でのあの場面はちょっとやり過ぎかな?それもあの母。
おじさんおばさんに支えられて
いやーっ、すごいオカンでした。
あんなオカンの元に生まれてしまったら、
人生捨ててしまいますね、90%以上の確率で。
ヤジッド、何人かと思えばアラブ人。
店で万引きするのはダメですが、
子供ながらにお菓子作りに精を出す。
幼い頃からの積み重ねなので成人近くになると、
そこそこの腕前。
寄宿舎?から180km離れたレストランで見習い。
仕事終わってから朝まで一人修行も。
寝る場所無しに昼間はパティスリーの仕事に一心不乱。
ヤジッドが作るパリブレストを食べたら病みつき❗️
彼の根性や努力には舌を巻きます❗️
世界選手権のフランス🇫🇷代表に選ばれるのも、
優勝🏆するのも頷けます。
が、しかし、氷像の製作中にあのオカンの幻影を見て
デザインを変えるところにガックリ来ました。
オカンの命の灯火が消えかけていたからと
いうことでしょうが、
あんなオカンでも母だから、と言いたいのなら、
一つか二つオカンを見直すエピソードがあれば、
納得できますが、皆無。
ヤジッド可哀想過ぎ、に感じました。
しかし、ヤジッド偉い👏
幼少期から挫折せずにやり遂げて素晴らしい👍
熱血青春パティシエイズム
ヤジッドを育てたのは「温かな見守り」
<映画のことば>
お前には才能がある。
伸ばすべきだ。ムダにするな。
昨日のデザートには感心した。
食べたら、昔の記憶がよみがえった。
お料理もそうですけれども。
やっぱり、お菓子も、喜んで食べてくれる人がいるので、作り甲斐があるのかも知れません。
ヤジッドが、一流のバテシェにまで登り詰めることができたのは、やはり、周囲に彼を評価してくれる人がいたからに他ならなかったようです。
彼に家庭を与えてくれた里親夫妻しかり、職を賭してまで彼を庇(かば)おうとしてくれた不遇な児童養護施設(?)時代の寄宿舎の舎監(?)のサミーしかり。
母親はともかく彼らは、ヤジッドの甘いお菓子づくりを、温かく見守る=温かな視線で肯定的に受け止めていたことが、将来のこの偉業に結びついているのでしょう。
不遇な少年時代にも心が折れてしまわなかったのも、そういうバックボーンがあってこそとも思います。
どの分野でも、そうなのかも知れませんけれども。
新しい価値や真理を見いだした者だけが評価されるという芸術や美術の世界と、料理(美食)の世界も変わりがいのでしょう。
思うように「芽を吹く」ことができない中でも、MOF(国家最優秀職人)でもあった憧れのシェフのプロマイドをずっと大切にして身近に飾っていられたというのも、ある意味、凄いとも思います。
そのことに思いが至ると、これはもう、充分な佳作だったと思います。
評論子は。
<映画のことば>
「シェフ、一番になる方法は?」
「場合による。
一番と天才、どっちがいい?
その分野の規則を守れば一番になれる。
守らなければ、排除されるだろうな。
もしくは、天才と呼ばれる。」
(追記)
<映画のことば>
長方形のデザートには、長方形の皿だ。
形の組み合わせが、調和を生む。
簡潔さと洗練は違う。
盛りつけは、気品あるべし。
君らのクリエーションは、まず視覚に訴える。
口よりも先に「目の味覚」を刺激するんだ。
なるほど。
どの料理も100円ショップで買ってきた同じ皿を使っていて、盛りつけに気品がないからだと、自炊をしている評論子の料理がイマイチな理由が分かりました。
いやぁ、映画って、ホントに勉強になります。
…という輕口は、それくらいにして。
しかし、実際には心を込めることの方が、本当は、お菓子づくりには大切なようです。
幼い頃のヤジッドが一生懸命に作った四角いチョコレート菓子は、たぶん、それしかなかった丸いお皿に乗っていました(形も崩れていた)けれども。
それでも、そのお菓子には、彼の心がこもっていたことには、疑う余地もないことです。
(追記)
心配するな、人生は長い。
目標だけは見失うなよ。
失敗は負けじゃない。
成長の機会だと思え。
壁に当たっても、立ち直ればいい。
良かったね‼️
悪くはないのだが、主人公を今一つ応援できなかった。 遅刻の常習犯で...
スイーツをしっかり見せて
美味しいフランス菓子の食べ歩きしたい(*´༥`*)♡
何か才能を持った人の驕りみたいな
フランス人のどことなく
お高く止まったイメージが(失礼w)
そのまま主人公になった感じで
幼少期の不遇を鑑みても
あまり好きになれないキャラだったので
大会で彼らが(仏)優勝した事よりも
日本が2位だった事の方が嬉しい(笑)←
パリブレストやスイーツを作り始める時の
演出がいちいち白々しいーっ🤣
もっと作るところや食べて幸せそうになった
お客さんの顔とかそういうのが
在り来りではあるけど観たかったかも
🧁🍰🍪🍨🤍
失敗は負けではない
辛い幼少期を越え、スイーツ大会で世界王者を目指す青年の半生を描いたドラマ作品。
育児放棄された幼少期と、ホテルで修行していく青年期とを見せながら人生一度の舞台に向けて進んでいくヤジッド。
本筋じゃないが、里親の方が仲良くしてくれてたのはわかるが、結局一緒に暮らしてたのは実親の方?…里親の定義とは…?
パクられたときもママが手続きに来てたみたいだし、ここらへんよくわからないのが割と気になってしまった。
さておき、腕は確かだが事情があるとは言え素行は決して良くは見えないヤジッド。それでも守ってくれる指導員や、一見厳しくも何度もチャンスくれるボスに囲まれ…アレ?実は恵まれてないか笑?
まぁそれも実力ありきなんでしょうが。
他にも良い人に恵まれてましたね。同僚の友人や、里親の実子(?)のお兄さんの現在も気になる。彼らは彼らで細やかでもお店とか開いていたら嬉しいな〜。
そして最後の大会は盛り上がっていましたね。しかし日本がいたならそっちに勝ってほしかったな〜なんて思ったりw
全体を通して、スイーツは美味しそうでしたが、映画としては色んな材料混ぜすぎて本当に味わって欲しい部分がどこかよくわからなかったかな。
それでも、小難しくないサクセスストーリーって感じで楽しめたし、10億星ホテルはうまい言い回しですね笑。
中々に良い作品でした。
パティシエ=アーティスト
天才パティシエ ヤジッド・イシェムラエンの自伝が原作ということで、実話ベースの話です。
幼少の頃と現在の少年〜青年期のヤジッドの時間軸が行ったりきたりすることで、
幼少期の母親からのなかなかに酷い仕打ち〜里親の深い愛情の中育ってきた環境が背景にあり、
現在のヤジッドが不屈の精神でパティシエとして努力し成長していく姿は、
率直に胸を打ちました。
話としてはベタでよくある成功ストーリーなのですが、
だからこそラストでカタルシスが訪れるのかもしれませんね。
これは観客である私の今のメンタリティが余計にそうさせているのかもしれないです。
キャラクターとしては、同僚であり親友の黒人男性マニュとの関係性が
ヤジッドを精神的に支えていることは間違いなく、
本当の友とは、こういう人を指すのだろうと思いましたし、ヤジッドが羨ましくもありました。
またフランス在住の日本人女優 源利華が出演しているのも、おっ!と思いました。
なかなか良い役でしたね。
ラスト近くに氷彫刻を製作するシーンがあるのですが、
ちょっと冗長かなぁと感じました。もうちょっとコンパクトにまとめた方が
スピード感があって良かったように思います。
気持ち良いラストで、鑑賞後感が良かったです。
「ポトフ」の時も
感じたのですが、バリッとヌガーの割れる感じ、トロトロのチョコに混ぜられた舌にザラッとしそうなナッツやスパイス、チョコ皮を割ると流れ出すソースの感じ、この辺りは明らかに日本料理とかとは違う。正直、新しい味なんだろうと思う(食べた事ないですが)。
ヤジッドの幼少期と青年期の見た目が違って、時系列も行き来するので最初、とっつきにくかった。勝つと察しはついても最後は感動する、ロッキーに触れてたのも仲々的を射てると思いました。
思い出のチョコケーキ。
子供の頃から洋菓子作りの好きな少年がパティシエになり22歳のパティスリー世界選手権でチャンピオンになるまでの話。(実話)
母親に育児放棄され児童養護施設で育つヤジッド、食堂のバイトからホテルの見習いになりホテルの準シェフまでになるも、ちょっとイジワルシェフのせいでホテルの仕事をクビに…、以前ヤジッドの作ったパリ・ブレストが好物な人との再会で…。
本作観ての感想は国内ドラマ木村拓哉さん主演の「グランメゾン東京」を思い出した、パティシエ同志が話を詰め、何を作る、どう作るかを決め洋菓子を作るというよりかアートでした。
子供の頃に作ったチョコケーキ、その時母親は「何だこんな汚ない物」といって投げてたけど、母の危篤の際に当時と同じレシピで作ったチョコケーキを嬉しそうに食べる母の姿には涙。
あと、個人的印象深いのはヤジッドが子供の頃に出会ったピンクニットのお姉さんの谷間が何ともセクシーだし爆乳だしセクシーで、何だろマックで言うならビッグマック食わされた気分になった(笑)
美しく美味しそうなスイーツたちで幸せな気分に
スイーツを作ること、それで世界一になること、
それを心の糧に、成功したヤジットのハングリー精神は、スゴいね。
里親が本当に優しい家族で、
さらにお菓子作りに触れることができたのも良かったね。
お菓子作りに出会って、辛い現実からの逃避の場所を見つけられたんだから。
実話ということで過度な遜色もなく、本人が実際に作ったという、
映画の中の美しく美味しそうなスイーツたちに幸せな気分になりました。
とにかく、食べてみたい!
余談だが、ロッキーのくだりで、
この主演の俳優さん、
シルベスター・スタローンに似てるなーと思って、
まさか、息子さん?!と思ったら、
ぜんぜん違った 笑
リアド・ベライシュさん、すごくカッコ良いわけではないけど、
なんだか魅力的だったな。
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