「達川光男のように。」ディア・ファミリー モッチさんの映画レビュー(感想・評価)
達川光男のように。
余命10年を宣告された娘を救うために、医療機器の知識が全く無い、ド素人の父親自らが、前人未到の人口心臓の開発に挑む話。
こんな感動的な話、涙脆いおっちゃんは、泣く😭に決まっている。
泣くために、あえて「ディア・ファミリー」を観に行った。
それは、例えるならば、少年の頃に観た、「珍プレー、好プレー」のカープ達川光男捕手のように。
バッターボックスに立って、自らボールに当たりに行き、しかも、派手に当たってケガをせず、かすり傷をおって主審に、デッドボールを蒙アピールする。
時には、自分で肘をつねったりして。コントのような一連のプレーに、少年の頃は笑っ🤣て観ていた。
中年になった今になって思うのは、達川光男捕手は、どんなことをしても出塁してやる!という気持ちが人一倍強い、プロの中のプロ野球選手だったな、ということ。
この達川光男を見習って私も、当たりに行った。
観て思ったのは、父親だけではなく、母親も肝っ玉の座った凄い人だった。
娘の余命が10年と宣告されて、夫に、「何にもしない10年と、出来る事は何でもしてみる10年、どっちが後悔しない?」と言葉をかけて、見事に夫を奮い立たせた。
人口心臓の開発にかかる費用が、いくらかかろうが、一切文句を言う事は無く、夫が壁にぶち当たるたびに、「それで、次はどうする?」と声をかけて、落ち込んでいる夫に前を向かせて、解決策を練るサポートをしていた。
父親は、人口心臓の研究をしているメンバーと共同で必死に、人口心臓の開発に没頭するが、娘の身体の悪くなる速さの方が速く、仮に人口心臓を完成させて取り付けたとしても、他の臓器が弱ってしまって手遅れの状態。絶体絶命の状態になってしまった。
ここで、娘が父親に語った言葉が、この映画の中で一番感動して、号泣😭😭😭💦した。
娘の命を救うために、必死になって奔走する父親の姿を見てきた娘は、真っ直ぐな良い娘に成長していた。
ここから父親は、さらに努力を重ねて、世界で17万人の命を救ったIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルを誕生させたのだ。
達川光男のように、かすり傷の上手いデッドボールにはならず、何度もまともにデッドボールを食らったかのように泣いた😭「ディア・ファミリー」だった。