ソウルメイトのレビュー・感想・評価
全117件中、1~20件目を表示
あなたの周りにいる大切な人がもしかしたら?
「梨泰院クラス」「その年、私たちは」「The Witch 魔女」など、その演技力が高いと評判の韓国女優キム・ダミさん主演とあって、公開前から楽しみにしていた本作品。京都で唯一公開していたMOVIXに久しぶりに足を運びました。本日映画の日とあり、映画館は若者たちで賑わっていました。
本作品は、2016年の中国映画「ソウルメイト/七月と安生」がオリジナルで、多くの賞を受賞した人気中国映画の韓国版リメイク作品だということです。
辞書によれば、
「ソウルメイト」とは、「運命」として強く惹かれ合う人のことで、唯一無二の関係として深く結びつく存在の事とあります。それは、親子関係であったり、異性であれば熱烈に惹かれ合う恋人関係であったりいろんな結びつきがあるようですが、本作品では同性の親友という設定で描かれています。
性格が真逆の2人は、何故か強烈に惹かれ合い、人生の大事な局面をともに過ごしていきます。時にほんの少しの時間、離れることもあります。スピ的には「サイレント期間」と呼ばれているその期間は、それを乗り越えることで、お互いの魂をより成長させる狙いがあるようです。離れている間に、お互いが互いの大切さに気がつき、「相手のことをもっと大事にしたい、自分が守らないといけない」と気がつきます。
サイレント期間を乗り越えたソウルメイトの魂は一つになります。この映画におけるミソとハウンの運命のラストも、まさに2人で1つの人生となりました。キム・ダミちゃんの演技やっぱり好き。どうか厚めのタオルハンカチをご用意してゆっくりご鑑賞下さい♪
多かれ少なかれ、今自分の周りにいてくれる家族や友だち、恋人、何故か電車でよく見かけるあの人などなど、私たちは自分とご縁のある人たちと日々ともに生きています。その人がソウルメイトなのかどうかは別として、せめて自分を大切にしてくれる半径5メートル以内のあなたを愛し、大切に守っていきたいと思わせてくれる映画でした。
単なる親友を超えた二人の絆が、より深みと強さを増していく
性格も育ってきた環境もまるで異なるふたりの少女、ミソとハウン。本作は彼女たちが大人になるまでの道程を切々と綴っていく絆の記録だ。時に笑い、時に泣き、恋の悩みを共有したり、才能を認め合ったり、かと思えば激しく衝突したり。果たして二人を待ち受けるのはどんな人生であり、運命なのだろう。一人の男性を巡って両者の思いが揺れ動く展開では、このままメロドラマ要素が高まっていくのだろうかといささか不安にも思ったが、しかし本作は中盤から各々の人生をかけた決断があり、またその後の展開も含めてタイトルの意味合いが響きと輝きをより増していく。親でもなく、兄弟でもない。親友という言葉でもまだ足りない。ソウルメイトたる二人は、互いをいちばん深く知る存在で、愛憎の感情もすべて込みで、遠く離れていても堅く結び付き合っている。絵画という手段を通じ、言葉では言い表せないものが形となって昇華されていく過程に、とても心打たれた。
これはソウルメイトでなくて、ソウルイートではないのか?f
ミソは何を考えて都会でうまくいってるなどと言ったのだろう。もしかしてハウンにも都会に出てきてほしかったのか?ハウンに憧れられたかったのか?それとも 田舎のハウンを悶々とさせたかったのか?それは観客にもわからないし、おそらく本人にも分からない。ハウンが死んじゃったあと、真実を知ったミソはハウンがやり残したことを次々に補完して行く。 その行動は友情のようにも見えるが、サイコのようにも見える。 ラストの巨大な絵の前に立つミソの姿が印象的だ。彼女は友情をもってソウンために、無念を晴らそうと、その絵を完成させたのか?・・あるいは友達と同化したいような、ソウンの魂を食べてしまいたいようなサイコな心理が彼女の絵に手を加えさせたのか?・・結局、本人にも観客にもそこらへんの答えはわからない。
そこんところを狙ってやろうという監督のアイデアはとても素晴らしいものがあった。しかし結局、答えのわからない変なものが・・良いもののような酷もののな、何とも言えないものが私の心に残っただけのような気もした。そして何よりもこの映画はテンポが悪すぎる。エピソードの一つ一つも面白くない。子供の頃に、どちらかがどちらかを一生懸命励まして、何かを乗り越えさせたとか。2人で協力し合ってピンチを乗り越えたとか。そういったエピソードがぬるいというか、平凡だった。だから最後まで見るのにとても苦労した。
こっちを先に見ていたならば★1、しかし・・
号泣…
友情を描いた美しい美しい映画です。
心が繋がっていれば、お互いの真実はさほど重要ではない。
いや、お互いの嘘まで丸ごと受け入れることができると。
配信で鑑賞しましたがラストは号泣でした。
キャストも他に考えられないほどドンピシャ。
キム・ダミのファニーな笑顔、笑っている瞳。
チョン・ソニの悲しそうに見えて、やはり笑っている瞳。
女二人の魂の触れ合いに、ピョン・ウソクが気の毒に感じらました。
心象風景をパラレルワールドのように描く手法が韓国映画ではよく使われるテクニックだということがようやく判ってきました。
本作ではこの手法がとても上手く使われていて、二人がそれぞれに望んだ世界と手に入れた現実の対比が観る者の胸に突き刺さります。
号泣のカタルシスを味わいたい時にお勧めします。
学生時代の悪友
余韻
彼女が見たものを見たい
彼女が歩いた道を歩きたい
彼女が住んだ家に住みたい
…
そうして見て、感じて、記憶したものが絵になり
共作したものが永遠に残り
彼女が残した愛すべきものを、愛する人生が始まる。
'心も描けるのだと知った'
'君にあるのは技術であって、才能じゃない'
冒頭と中盤にあったこれらのセリフは、
終盤の共作につながっていたのだと思う。
そして、技術×才能で描かれた作品は評価されるものとなった。互いの心が合わさった作品だ。
ハウンが見れなかった残りの人生を、
ミソが行きる。
彼女が見たかったもの、歩きたかった道、住みたかった家、それらをミソが叶えていくのかもしれない。
この余韻の残し方に泣けた。
女性同士の友情が壊れる時は、男性が現れた時。
恋愛がはじまり、個人の幸せと向き合い始めた時なのかもしれない。
それでも切れない縁でつながり続ける友情もある。
125分間に描かれた二人の女性の人生は
決して美しいだけのものではない。
人間くさく、本能が全開の波乱に満ちた人生だ。
'ソウルメイト'とは。
わたしはこのテーマについて、考え続けるのだと思う。
…
キャストについては、
10代から大人になるまでを子役を使わず、全て各々が演じていたところがすごい。
回想シーンの多用などもなく、人生の歩みが時系列で展開されていたところがとても良かったと思う。
断然ハウン派です(笑) 少女からの素晴らしい友情、見ていて清々しい...
心理描写が素敵
物語はハウンが残したブログを主軸に、時にハウンとミソの手紙のやり取りを交えながら進んで行く。しかし、文字で綴られたものは全てが本当のことでは無く、時に2人の“理想の話”が語られている。ここがこの映画を少し難しくしてる部分でもあるのかなーと思った。でもその分現実との対比が1層引き立つし、ラストシーンの哀しさにも繋がってたと思う。なんでこんな泣いてるのか自分でも分かんなかったけどただ泣いてた。登場人物それぞれの心理描写が丁寧で俳優さんもとても良かった。ハウン、ミソが互いに互いを大切に思いながらもコンプレックスを抱いていたんだろうなというのがなんとも。最後まで2人の片耳に光るピアスが切ない。
結局、泣いていました
ほとんど最後まで涙もろい自分が泣くこともなく見終わってしまうなあと思っていたら物語が終わりに続くにつれて泣かずにはいられなかった。
伏線がいくつもあって解けるごとに二人の友情の深さがわかっていくし涙を誘う。
映画ではいきなり完成した人物像が出てくるがまるで写真か?と思うような素晴らしさ。賞を取るのは当然と思わさせられる。
この絵が最後に再度、出てくるときが一番泣いたところだ。
二人はずっと一緒ではなかった。ハウンが好きな人ができてから少しずつ関係性が変わっていったように見えたが本当はずっとお互いを思っていたのだ。
性格や行動パターンの違う二人がいつの間にか逆転している。
ハウンが住んでた家がミソの住んでた家というのがすべてを物語っているのでは。
そこにはベールに包まれたおおきな絵があって、被されていたベールをミソが取ったとき途中までの絵だった。
ハウンには時間が無かったのがわかるしそれをミソが・・・
中国版のリメイクらしいがまた良い韓国映画を見つけました。
こうなったら中国版も見ますわ。
それにしてもジヌさん、「趣味でいいんじゃない、ハウンが持っているのは技術であって才能ではない。」は無いよ。
あんたどれほどの絵がかけるんや。
あの一言でハウンは変わっていったような気がする。
泥臭いように見えてとてもピュアで切ないお話でした。
あーあ、見て良かった。
27歳伝説
才能のあるミュージシャンは27歳で早逝する・・・などといった伝説めいた話はどうしても信用できない。クラシック音楽では30代で夭逝している大物が多いし、24歳で早世した滝廉太郎はどうなるんだ!?などと、色々考えてもみる。単に天才を証明するため自ら命を絶つ若者が増えないかと心配にもなってくる・・・極論ですが。
小学生のとき、鉛筆画が得意だったハウンの隣の席にソウルから転校してきたアン・ミソが座る。すぐに親友となった2人は絵を通して、恋愛を通して大人になっていくが・・・といった展開。序盤から、超写実主義的鉛筆画とピカソのような抽象画の対立で関係が壊れてしまうのかと想像してしまったけど、もっと意外な方向に進んでビックリ。もっとも印象に残るのは27歳で死ぬことを無邪気に語っていたミソ。むしろ『The Witch 魔女』の印象が強いキム・ダミのせいで、どこかで超能力を発揮するんじゃないかとドキドキしてしまった。
冒頭で巨大なサイズの鉛筆画を見せられるため、ある程度2人の友情といった点で予想はできるものの、一人旅をする自由人としては意外な局面があった。ミソの自由な生き方をそのままハウンが凌駕する。そこまで女同士の友情が昇華してしまったということなのか。オンマァと名付けられた捨て猫、ピアスや落雷に遭ったお守りといったアイテムすら小さな伏線でしかない。
最も驚かされたのは、女の子がミソが産んだ子ではなくハウンが産んだ子だったということ。もう恋人ジヌの立場がない。洞窟でのキスシーンも目撃していたハウン。全てを受入れてたんですね。これじゃ単に男のスケベ心でしかない・・・そして、世界遺産でもあるロシアのバイカル湖。氷に覆われた水面から勇ましく突っ立つ島が雄々しいため、単にミソからの絵はがき効果ではなく、ハウンが男をも求めていた気もする。ここでは微妙な時系列が理解できなかったけど、ノスタルジックで美しい思い出がモヤモヤ感を埋めてくれました。
最後に、やはりジャニス・ジョプリンは永遠です。選曲も意外でした。
アオハルと思ったら?
印象では爽やかなアオハル物かと思ったら意外とドロドロ度が...。互いに大好きな2人なのに本音を言わないばかりにすれ違いが起きる。結局、彼氏のジヌはミソを好きだったの?よく分からないままに終わった。あのキスは何だったのか?死んだはずのハウンのラストの湖のシーンは?謎が?
タイトルなし(ネタバレ)
中国版が大好きで2回観た。韓国版も傑作で音楽も良い。しかし個人的に少し中国版が上かなぁと感じました。音楽の劇伴が良くてチョウ・ドンユイが上手過ぎる。しかし韓国版のチョン・ソニの視線の演技がとても良いし、韓国版の方が良いと言う意見は凄く解ります。主要3人はどちらの映画も最高に名演技なので どちらが先かは関係なく両方観て欲しいと思う。10代から大人までを特殊メイクじゃなくて髪型や表情で演じ分けている女優二人が超見もの。
元々は中国の作家アニー・ベイビーによる短編小説。それを脚色して中国・香港合作 デレク・ツァン監督で映画化して描いた青春映画が『ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』(2016)で原作者アニー・ベイビーの他に何人かで映画用に脚本を作ったもの(その映画版のノベライズが出版されていたりする)。
この韓国版『ソウルメイト』は元の原作が "同じ" なのではなくて "中国版映画化" のリメイク作。いつかもう一度観たいと思います。
少しネタバレ↓
"中国版映画化" と "韓国版リメイク" の違いは幾つもあり、結婚式の当日に逃げるのは新郎じゃなくて新婦だったり、子供が呼び出したりしなかったり。
しかしラスト 見せ場の3つの結末が視覚化されてるのは同じで、我々観客は「嘘」「現実」「理想」を見せられるのは同じである。
「理想」は「空想」であり映画を締めくくる重要なファンタジー表現で涙が出る。
※27クラブ:ウィキペディアで調べると驚く真実が出て来る
これは本当にソウルメイトなのか?
友情に感動したというレビューがどこでも多いが、私はこの二人は本当にソウルメイトなのか?と思った。正直、あとあじが非常に悪かった映画だ。
キムダミが演じるミソ。
水商売だと思われる母親が男を追いかけ子供を置いて逃げ、その子((ミソ)をハウンと家族が育ててあげた。
”持たざる者”であるミソから見れば、ハウンはきれいで優しくてまじめで親に愛され猫がいてイケメンの彼氏がいる幸せな”持てる者”。自分がないものがある”持てる者”であるハウンへの嫉妬や彼女のものを奪いたいという気持ちがずっとあったのではないだろうか。
ミソは嘘をよくつくし、嘘なのにこれが正しいのだと信じ込んでしまうメンタルの人格だと思う。
ミソ役のキム・ダミはサイコパスっぽい役がうまい女優だから、彼女を使ってそんなキャラクターを演じさせたのかと私は思った。
もし親友なら絶対にやってはいけないことを何度もやっている。
①ハウンの彼氏を略奪した。→ 彼を好きだからではなく、ハウンの彼氏だから奪ったのでは。でもハウンも山でミソと彼氏を二人にしながら後から来て隠れて見たのはそれに気づいて試したかも。彼氏もクズ男だが。
②最後の方でわかるように、ミソはハウンの親と猫や子までハウンが持つものを結局自分のものにした。ハウンの親がやるべき病院の手続きなども自分がやり、ハウンの子供の親権までとった。
③二人ともアーティストなのに、アーティストなら絶対にやってはいけないことをミソがやった。アーティストは未完成の作品なら未完成のまま発表や展示される。
しかしミソはハウンの作品に手を加えた。それをハウンの名前で発表し受賞。ギャラリーや業界の人達と新作のリリースについてハウンの代理人になりすまし話をしている。結局自分の作品にしてしまったのだし、ギャラ収入もミソに入る。
④ハウンの元彼に子供の父親だと告げ、子供に会わせると約束した。元彼は医者になったし、もしかしてまたミソが彼に手を出すかも。
伏線やミソのやったことは他にもたくさんあるが。こういうところから見て私はミソがハウンのものを全部奪って、結局は自分がハウンになったのだなと思った。
この2人をソウルメイトとよんでるところがかえって怖いと思った。
ハウンはチェジュ島という田舎の閉鎖的な村で育ち島から出たこともない。親が決めたレールを進む人生でないといけないと思って、自分の夢をあきらめた。そんな人生のハウンの前に急に都会のソウルからきた破天荒なミソが現れたから、ミソに惹かれたのだと思う。
自分とは正反対の性格で、つまらない自分の毎日に刺激を与えてくれるミソ。ミソといると自分にないものを埋めてくれるように思ったのだと思う。
お互いに相手にないものを求めていて、裏切られても執着して親友と思い込んでたのは実は共依存だったのかもしれない。だが結局は傷つけられることが多かった。
韓国映画はハリウッドとは違って伏線が多いし、ハッピーエンドではなく悲劇の結末も多い。
私の点数が低いのはこの映画がどこのサイトでもランクトップにあがるくらい評価が高いからだ。二人の友情に感動して泣いた、というレビューが多い。
でも私は違う感想を抱いた。
私が思ったような伏線があり、監督が意図して皮肉なタイトルをつけたのなら理解できるし私も点数をもう少し高くしたと思う。
だが本当にこれがソウルメイト、無二の親友だ、という映画だったら私的には理解できない。
そもそも映画レビューサイトに登録してレビューを書きはじめたようと思ったのは、この作品の自分なりの感想を書きたかったからだ。そんな衝動をおこさせるような映画だった。
何でこんなに分かりづらく作るの?
時系列がバラバラだったり現実と幻想が混ざっていたり、観客をミスリードするようなシーンがあったりと、とにかく分かり難い作品でした。
なので、あまり物語に入っていけませんでした。また、共感出来る部分が少なかったので私にとってはあまり観て良かったと思える作品ではなかったです。
役者さん達の演技は良かっただけに残念です。
追記〉
洞穴でミソが親友の彼氏から無理にキスを迫られ、それを拒むシーンがありますが、そのあと何で親友を裏切るような男からお守りをもらい、さらにはそれを親友に分かるように身に着けているのか、また実はそのシーンを見てしまった親友のハウンも何事もなかったかのようにそのまま彼氏と付き合い続けられるのか、私とは恋愛感が違い過ぎて理解できませんでした。
甘くはない
どこということもなく、まがうことなき韓国映画という気がしました。時々、心に突き刺さる韓国映画に出くわしますが、今作もズブリと刺さりました。何といっても主人公のふたりが魅力的ですね。多かれ少なかれ誰にも友人、親友と呼べるような友達がいるとは思いますが、波瀾万丈なストーリーの中で究極の形(ソウルメイト)に昇華させていく展開は、とても映画的な魅力満載という感じがしました。海辺のシーンも森の中でのシーンも、あるいはライブ会場や旅先の風景も映画ならではの美しいカットになっていて、そこに重ねられる音や音楽や台詞もとてもしっくりくるものでした。相手を特別に想う気持ちの強さが相手を傷つけたり、すれ違いの寂しさや悲しさを激しい感情に変えてしまう面を実に巧みに描写していたと思います。説明し過ぎないバランスも絶妙で、好みの作風でした。子供時代、学生時代、社会人になってからの様々な年代を単に時系列ではなく、主人公らの心の変遷が自然に伝わるように見せてくれたので、心の奥深くにじんわり染みたように感じました。元の映画があるようでそちらも気になりますが、キム・ダミとチョン・ソニで観てしまったので、このまま心の中にしまっておきたい気持ちです。
全117件中、1~20件目を表示