「ウェブ・ゼロ」マダム・ウェブ R41さんの映画レビュー(感想・評価)
ウェブ・ゼロ
ウェブ
いまとなってはネットを意味することが圧倒的に多いが、そもそもの意味だとは思いもしなかった。
ただ、同時にこのウェブはすべての時間をつなぎ合わせるモチーフにもなっていた。
「未来の素晴らしいところは、まだ決まってないこと」
普遍的な言葉
このために死力を尽くしてそうなりたいことを選択するということだろう。
少し前にあったインタラクティブなウェブに例えて言えば、ウェブ3.0と言ったところだろうか?
この作品は、
最低作品賞含む三冠の受賞作のようだが、取って作ったようなものではなく、コミック誌のスパイダーマンに登場するマダムウェブの若かりし頃を描いた作品のようだ。
普遍的な言葉を織り交ぜ、若者たちへ未来を創造していく力があることを説いている。
その意味では見る価値は十分にある作品だと思う。
そして、
様々なモチーフを交錯させる様な描写もよかった。
まずはウェブという名前、
そして、赤ちゃんの誕生。
生まれたことに多少なりともネガティブさを抱えるキャシーと3人の娘たち。
その真実を知ったことで変化した過去
キャシーは「責任を負うことを決めたその時、大いなる力が目覚める」と聞かされたとおりに変化した。
何事にも腹を決めるというのは重大なことなのだろう。
ベンのこどもの誕生は、彼女らの不遇とは逆の未来を暗示しているが、そのコントラストもよかった。
赤ちゃんは本来ベンのこどものように祝福されて然るべきだ。
不遇を感じながら成長した彼女たちが、今後は勧善懲悪のために動き出すのだろう。
そこには犠牲という概念がある。
この物語そのものは、エゼキエルによる自作自演の自爆で成り立っている。
しかしながら、
彼が引き起こした因果の対象となった彼女らが自分で考え行動するようになることが、彼の自作自演、因果応報の面白さでもある。
エゼキエルの下手な思考があったお陰で、彼女たちが覚醒することになったのだ。
実際の世界でも似たようなことは日常的に起きていて、その意味では100%の悪人などいないのかもしれない。
さて、
実際のキャラクターマダムウェブ
スパイダーマンに登場した透視能力のある老婆
コミックを知る人にとっては面白いスピンオフなのかもしれないが、私を含め知らない人にとっては若干引いてしまうだろう。
ここに予備知識の必要さがあるように思った。
そして2003年現在を舞台にしたこと。
これは非常に重要な設定なのだろう。
あくまでスパーダーマンとは別の独自性の世界観を出すのが目的なのだろう。
スパイダーガールというのかスパイダーウーマンというのか、彼女たちとスパイダーマンとが実際には関係ないことはこの作品をオリジナルにする一方、視聴者の反感を買うようにも感じた。
特に昔からペルーに住む部族としてラス・アラニャスが登場することも、スパイダーマンの世界観を大きく損なってしまうような気がした。
暗に「こっちの方がオリジナルで歴史がある」ということを主張している感じがする。
このあたりにこの作品が意図せずに損をしているように思った。
しかし内容も悪くはないし、面白さに加え普遍的なことがあってよかった。
そして、
確かに、
悩ましい作品ではあるのだろう。
え~❗️今調べて気がつきました❗️マダム・ウェブと「ドライブ・イン・マンハッタン」のタクシー客、同一人物だったんですね!私にとってのラジー賞はそのタクシー話なのでした❗️
なんでラジー賞?と思いました。大した期待もなく見たのですが予告編で得た印象より遥かに良く、見た甲斐がある映画でした!(他にもラジー賞候補あるだろが!と思いました)