ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのレビュー・感想・評価
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特別な年末年始をじっくりと
【鑑賞のきっかけ】
アカデミー賞受賞作品であることも知らず、未見でしたが、動画配信が始まってからは、高評価の作品として、注目されていることに気づき、鑑賞することとしました。
【率直な感想】
ジャンル的には、「コメディ」となっているけれど、心暖まる人間ドラマの雰囲気を強く感じた作品でした。
題名の「ホールドオーバーズ(The Holdovers)」というのは、「残留者」という意味だそうです。
時は1970年、とある寄宿学校で、ほとんどの生徒が、年末年始を帰省して過ごすこととなる中、寄宿学校に残ることになった生徒・アンガス。
そして、残留する生徒の面倒をみることとなった、古代史の教師・ハナムと、料理長のメアリー。
3人の過ごした1970年末から1971年初までの10数日を描いたのが本作品です。
それぞれが、心の中に何らかのわだかまりのようなものを感じており、本来なら、孤独な年末年始を送ることになっていたかもしれません。
しかし、たまたま3人一緒に、年末年始を送ることになり、それぞれの思いを共有することで、冬の寒さとは裏腹に、彼らの心は次第に暖まっていく・・・。
特別に大きな物語展開があるわけではないですが、その心の交流は、鑑賞していて、とても清々しく感じられ、どこか、切ない感じにもさせてくれます。
【全体評価】
年が改まったからと言って、生き物としての人間は何が変わるというものでもないけれど、新しい年の始まりというだけで、人間の特質である「心」の部分は、何かが変化しているかもしれない、と感じるもの。
本作品の3人は、「何かが変化していると感じた」ではなく、「確かに何かが変わった」のです。
そう思わずにはいられない、特別な年末年始を疑似体験できる、良作でした。
感想メモ
クリスマス休暇に学校の寮に置いていかれたアンガス、お堅い歴史教師のハナム、息子を亡くした料理長のメアリー
2週間を共に過ごす内に互いに心を通わせていく
割と序盤で生徒1人だけになってかわいそう
賽は投げられた、でカッコつけてジムで宙返りして即脱臼は笑う
賢くて気取ってるけどまだ子供なんだから、誰か大人が寄り添ってあげないとね
自分から見えている部分だけで他人を判断できない、それぞれが生きた人間でもっと深みがある、クソガキにもクソガキなりの葛藤がある
アントルヌー、ここだけの話
君は父親とは違う、君という1人の男だ、とアンガスに諭すシーンは感動
自分のために怒ってくれる大人がいるってすごく嬉しいことなんだろうな
トリメチルアミン尿症、魚が腐ったような臭い
配慮と思いやりを持って人に接することの難しさと大切さ
大人と子供…
子供は大人から教えられ、大人もまた子供から教えられる。こんな師に会いたかった。教師と生徒の関係で当初は反目し合うハナムとアンガスだったが、料理長メアリーも加わり、立場も境遇も異なる3人が共に時間を過ごすことで、互いを知り、自分を見つめ直す契機に。ゆったりしながらも、無駄のないテンポと心地よい音楽も相まって、昔の映画ではないかと思えるほど、衣装や小物なども本当にその時代にタイムスリップしたかのような展開が心地良かった。その後の2人の人生も見てみたい。
終わって欲しくない、ずっと続いて欲しい居残り休暇
ほっこり、そしてちょっと切ない
ヘンテコな残り者達のクリスマス。
不思議とほっこりする雰囲気がすてきでした。
この作品を見て、人ってやっぱり面白いなと思った。
それぞれ色んな事情があるけれど、ほとんどの人はそんなこと知らずに過ごしてる。
もっと想像力をはたらかせて理解し合えたら世の中はもっと面白くなるかもなと思いました。
ラストはちょっと切ないけれど、前向きな門出になると信じたい。
とても素敵な作品でした。
かっこいい
なんだかんだ三人とも純粋で素敵だった
まさに年末年始の、地元で久しぶりに飲んで、いつの間にかみんな歳とっちゃって、家族できたり色々あったり、なんて話をしてた時期だったから?ノックアウトされてしまった
自意識過剰だった(この点で叱られたわけではない)大学時代
よく叱られた必修科目の教授を思い出した
我々、同じ国の人間ですよね?ってくらい
価値観とか言い回しのクセが合わなくて
お互いめちゃくちゃ嫌ってたけど
ラスト4年目で大人しくして黒板消し頑張ったら
ギリ単位くれた
本質的には全く本作とリンクしてないけど
そんな懐かしい思い出もよみがえった
昔の名画のようなつくりながら、現在が描かれている佳作
本年、最初の一本に相応しい作品だった。
オープニングから1970年代の雰囲気のつくりでフィルム映画っぽく、昔の名画を観ているような鑑賞体験だったが、描かれているものは、まさに現在もリアルに問題になっている事柄であって、映画の中で出てくる「歴史は過去を学ぶだけでなく、今を説明すること」を体現していた。
観た人同士で語り合いたい切り口は幾つもあるけれど、レビューとして言語化してしまうのは野暮ったい気がするので、一つだけ。
ハナムとアンガスのように、ズケズケと言いたいことを言い合いながらも、きちんと相手を丸ごと受け止められたらそれはもう家族だし、逆に、形は家族であっても、それができなかったら、残念ながら赤の他人だよなぁということを書き留めておきたい2025年の正月。
息子たちの物語
本当は映画館で観たかったけれど行きそびれて…。でもクリスマスの時期にVODで鑑賞できてむしろ良かった、心に残る逸品です。
何組もの親子が出てきますが、親に対して複雑な思いを抱く息子たちのイニシエーションとなる冬休みの物語、と自分の中ではまとめてみました。
主要な3人が背負う数々の苦難、そりゃキツすぎでしよ、と突っ込みたくなるほど。特にハナム先生は、学位のこと、病気のこと、外見のことなど、性格ひねくれても仕方ないです。それでも好きなことへの思いが人生を支えてくれている、実はとても誠実な先生だな、と。
印象的なシーンは幾つもありますが、私が一番良かったと思うのはラストシーン。学校の敷地を出る丁字路で一旦停止する車が、母校というある種のサンクチュアリから飛び立とうとする先生の、飛び立つ直前の深呼吸のように見えました。
サントラが気になったのも久し振り。新年に向けて、頑張ろう!と背中を押してもらえる映画でした。
どのように同士になるか
⭐︎4.0 / 5.0
他者理解
数日〜数週間の時間軸で、異なる他者との理解を深めていく
ロードムービー と相性の良いテーマだが、今回は逆に年末年始の置いてけぼり
ロードムービー は主人公たちが場所を離れて、主人公たちだけの環境に身を置く
今回は周りのみんながいなくなって、主人公たちだけになる
仲の良くない家族が理解し合うロードムービー もある
クリスマスムービーでもあるグリーンブックは黒人と白人が理解し合う
今回は3人
学生と、教師と、食堂のおばちゃん
年齢・性別・人種もばらばら
共通項としては、家族の欠如
だからこそ擬似家族のようになっていく
こういうのは大抵、仲良くなる最初が肝心
いかに視聴者側に納得できるような自然なアイスブレイクがなされるか
今回は、まさに調子に乗った学生が怪我をするシーン
学生も肩を脱臼させてカッコ悪い姿を曝け出し、助けてもらわざるを得ない
教師もそれまで怒る立場だったのに、責任問題でクビになる可能性がある
ここでの共犯関係・共助関係こそが、良い
ユーモアもあり、実際ありそうな身近な焦りなのも良い
そして教師が、学生時代の同級生に会い、見栄を張って経歴の嘘をつく
ここでも共犯となる
そして秘密を共有し、教師の過去を知る
エピソードが素朴ながらも説得力があり、何より温かい
クリスマスパーティで教師が学生に、父親のことをなじる
学生から父は死んだと(実際は統合失調症)
相手を傷つけてしまった罪悪感が、情けに変わり、最終的に愛へと変わる
それはまるで父の代わりをするかのような
ものすごい人間愛に深い物語
血縁関係にないもの同士が孤独を埋め合い、それでいて血縁関係を軽視もしない
絶妙なバランス感覚がある
クリスマス休暇
…寄宿学校の全寮制
クリスマス休暇で家族と過ごす
ために家族の待つ家に皆帰っていく
そんな中
家の事情で寄宿舎に残る学生が
初め五人ほどいたが…
最終的に学生のアンガス一人になる
そして教師のポールと
料理担当のメアリー
この三人のクリスマス
いまから五十年前のアメリカ
髪型、服装が年代を物語るそして
携帯もない
…三人の心の内には
それぞれの悩み傷を抱えている
それらを語り話して認めることで
お互い家族のような関係
信頼関係ができて
ラストは…
親以上にアンガスを
思っていたポール先生
若いアンガスにとっては
いつか忘れてしまうと思うけど
年齢を重ね“ふと“あの時のクリスマスを
思い出す…かも
ポール先生の優しさと
メアリーの決断力があって
楽しいクリスマスを過ごすことができた
ポール先生の見まもる目があたたかい。
でめきん
身体的な情報をネタに揶揄うのはよくない。
生徒だけでなく教師までハナムを蔑む。
そんな陰口を無視し、厳格に生真面目に生徒を教える古文教師。
威嚇するように相手が分からないような例えをだし、マウントを取っていくスタイル。
クリスマスホリデイ
別の教師に騙されて居残りになったハナム。
一人息子を亡くし、料理長として残るメアリー。
母親が新たな男とハネムーンに行くことで楽しみにしていた休暇が急にキャンセルになったアンガス。彼の悲しみは一際大きい。
あとはあまり出番はないけど、用務員ダニー。
序盤で、料理を作る最中ふと外を見た雪降る光景を寂しげに見るメアリーや、教師の食事テーブルに一人分だけ空いてる席なども合わせてみると彼らのクリスマスの寂しさが分かる。
最初は居残りは6人だったが「ヘリで来た」なメンバーの家族により居残りはアンガスのみに。
嫌われ物のハナムなんかと過ごすのはまっぴらなアンガス。
ストレスフルな生活で爆発してしまい、ハナムをからかっている内に怪我をし急遽病院へ。
そこでアンガスの家庭の不和を感じそこでアンガスとハナムの秘密の共有ができる。
秘密というのは何故か急激に人との距離を近づかせる。
クリスマスイブは同僚のリディアのパーティーへ参加するも散々なクリスマスに。
バートン校出身のメアリーの息子は大学費用も出せず徴兵先で死亡していた。
このパーティーでのダニーのメアリーへのプレゼントの渡し方がスマートでうまくいくかな?って思ってたけど、やはり息子への悲しみが上回ったよう。
ハナムはリディアに期待をしていたが夢破れ様々な事柄に苛ついた彼はアンガスに酷い言葉を投げつける。
そして迎えたクリスマス。
ハナムはクリスマスツリーを購入し、その下に2人へのプレゼント。
雑な包装が彼らしいと感じた。
メアリーの暖かな料理に暖かな家庭を思い出し笑顔になるアンガス。
その期待に応えてハナムは3人をボストンへ「遠足」の名の下に連れていく。
そこでメアリーは身重な妹家族と再開し、笑顔を取り戻す。
ハナムとアンガスはスケートしたり、ボウリングしたりと遊びまくる。美術館でも、性的な絵柄の古代作品で笑ったりと男同士は下ネタで仲良くなるのよ。
2人きりで話し合い、秘密を打ち明けあい2人は師弟として絆が深まる。柔らかくなり楽しく笑い合う。
友人や親子のようではなく、教師と生徒の域を出ていないところが好ましい。
年越しのカウントダウン。
4人はテレビの前で新しい年を迎える。
キッチンで爆竹を鳴らし、一際大きな音をバックにハナムとアンガスはがっちりと握手をする。
ボストンでのアンガスの精神科に入院していた父との再会の件でアンガスが退学になるのを止めるためにハナムは罪を被る。
学園を去るハナムはアンガスに多くを語らず教師としての言葉をかける。
そして固い握手を。
もう教師ではなくなったハナムとアンガスの握手はきっと親友の握手。
学園を出る際に学長のお高いレミーマルタンで口をゆすぎ学園に向けてぺっと吐く。くそ学園に。
正しく物事を見る右目。
このクリスマスホリデイで1番成長したのはハナムだった。
カルタゴを楽しんでくれ。
そして、2人の精神安定剤の量が減ればいいな。
メアリーの妹の子供が男の子ならメアリーの子供の名前をミドルネームにつける予定って未来も素敵。
ミドルネームって文化いいよね。
クリスマスにありがちな奇跡とかなんとかは全くない。
ただただ、それぞれの心がお互いで少し癒され前に進むことができたという話。
誰の心にもいた、あの先生
これだから、人間と親しくなりたくないんだよ・・byハナム先生
心を揺さぶるエモーショナルな人間ドラマでした。
アメリカ映画で久々に良い映画を観ました。
1970年。
ボストン郊外の全寮制の男子高「バートン校」
そこの偏屈な古代史の教師ハナム先生と、札付きの問題児のアンガス。
ハナム先生はある事件のペナルティーとして校長から、
クリスマス休暇に置いてけぼりにされた5人の学生の、
留守番と世話をする事になる。
中でも1番の問題児のアンガスのお守りは熾烈を極める。
留守番の11日目。
一人の生徒の親がヘリコプターで迎えに来る。
フランス・アルプスのスキー旅行に他の3人も連れて行ったのだ。
アンガスだけは親に連絡が付かずに、了承が得られず居残りになる。
残ったのはアンガスとハナム先生と料理担当のメアリーの3人。
メアリーは黒人で19歳の息子をベトナム戦争で亡くしたばかりだ。
反抗したり鍵を盗んだり、アイスを食べて酒を飲み、、
やり放題のアンガスは、
「行くな‼️」との叫びを無視して体育館で飛び跳ねて脱臼する。
しかしそんな軋轢の中で、ハナム先生とアンガスは絆を深めて行く。
孤独な3人(ハナム、アンガス、メアリー)は校則を破って、
ボストンへ小旅行行く事になる。
メアリーは妹の家。
アンガスの真の目的は、精神を患い若年性認知症も併発している
実の父親に会う事だった。
しかしこれが裏目に出る。
父親は「帰りたい」と駄々をこね、更に入居者にアンガスのお土産の
スノーボールで殴りかかったのだ。
アンガスの両親が学校に押しかけて、苦情を言う。
アンガスをかばったハナム先生はクビになり、
アンガスはハナム先生のお陰で退学を免れる。
掃除係の男性を含めて4人でカウントダウンで迎えたニューイヤー。
その前にはメアリーの手料理で迎えたアンガスはじめての
心のこもったXmasディナー。
トレーラーをくっ付けて「ハートン校」を去るハナム先生の古い車。
ウイスキーを口に含んで、窓から吐き捨てる。
「又な!!」
「うん、又な!!」
アンガス君よ!!
ハナム先生の恩を忘れるなよ!!
人生は至る所に「陥穽有り」
ハナム先生の座右の本「自省録」
あまり効き目が、無かったですね。
ラストは苦かったけれど、感動した。
🍒チェリージュビレ🍒
凄い雪☃️、
教師たるもの、
困り果てて震えている生徒がいたら、
身代わりとなり犠牲になってやるのだ。
これが教師たるものだ⁉️
というお話。
数ある教師の中でも、
エリート街道まっしぐらな者には無理だ、
できない。
せっかくハーバードに入ったのに、
濡れ衣着せられ
相手の挑発に乗ったのか殴ってしまい、
退学という、
腹立つやら情けない羽目に陥った、
それでもなお、
教壇に立ち若い者たちを
導こうと気概のある教師。
それは時には生徒に厳しいかもしれない。
融通きかず嫌われているよ、と言われるかもしれない。
だが、
ここぞと言う時、
臆せず怯まず躊躇なく
正しいと考え行動に移すのだ。
アンガス•タリー、君は幸せ者だ。
このことを忘れず
学業に励み立派な人物になってくれることを
第一に望む。
学生時代の苦い思い出を持つバートン校卒業生の
ハナム教師。
父は精神を病み、
母は違う男と再婚しハネムーンの為に息子に
Xmas休暇を一緒に過ごせないと
休暇直前電話して来る
身勝手な母親を持つアンガス•タリー。
初め規則を守り
クンツ、スミス、オーラマン、パク、たちと保健室で
寝起きしていたのだけど、
金持ち息子のスミスの父ちゃんが、
息子可愛さに折れてスキー場に行くことに。
家族と連絡とれた子たちも便乗。
連絡取れなかったアンガス、居残り。
妹の家に行くメアリーを乗せて行くハナム先生に
アンガスもついていく。
ボストン美術館を見てまわる。
スケートもしていたら、
ハナム教師のハーバード時代の学友ヒューに出会う。
自分を落とし入れ退学させたヒューに
現在の様子をだいぶ盛って話すハナム教師。
人に言いふらすヤツだからいい風に言っておかないと。
ハナム教師、校長の配慮で大学卒業していないのに、
講師として赴任していたのだ。
(職名で判断してはいけません❗️
正教員であっても一流大学卒業しても、ロクな教員で
ないことはままあります。)
突然、アンガス脱走。一人でタクシー乗る。
父のところに行きたい、と⁉️
アンガスのお父さんは施設にいた。
数年前迄しっかりした父だったのに、とアンガス。
Xmas🌲だから会いに来た❤️
父思いのアンガス❗️
新学期が始まる。
アンガスの母と義理父が学校に乗り込んで来た。
ハナム教師が呼ばれる、
アンガスが勝手に父の元を訪れた為に、
何が気づいた父が大人しくなく施設を変わる
必要性が。
息子をほっておきながら怒りまくる母たち。
アンガスは退学させられ大嫌いな士官学校に
入れられるかと、顔面蒼白❗️
ハナム教師退職して行く。
私がアンガスをお父さんの元に連れて行きました。
と言ってしまったのだ。
見送るアンガスの心❤️のうちは❓
久しぶりに良く出来た映画!
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