「蘊蓄先生の将来に幸あれ!」ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ Kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
蘊蓄先生の将来に幸あれ!
ポール・ジアマッティという役者さん、Netflixで「ビリオンズ」を見て独特の魅力(Mでファザコンで上昇志向満々の暑苦しいインテリ男を好演)にハマってしまった直後だったのと、レビューの高評価に抗えずに鑑賞。酷暑の中、まさかの雪景色のクリスマスホリディものでした。それはそれでラッキー。
嫌われ者の古代史教員、夫も息子も失い悲嘆maxな黒人の調理人、訳ありホームアローン否スクールアローンボーイ。予定調和的に仲良しになっていく、単なるハートウオーミングにあらずの展開は飽きさせなかった。終盤に向かい、過去の不幸エピソードが次々溢れてきて目まぐるしさは否めなかったけれど。溜飲の下がるハッピーエンドではないけれど、先生の不本意ながらの新たな門出とプチ復讐のラストにほっこりした。止まるしかない人の方がある意味気の毒なのが世の常なので、、、。
多様性が散々叫ばれる今日なれど、比較的リベラルと思えるボストンやその周辺の人たちにとっても、日本の盆暮かそれ以上にクリスマスとそれにまつわるいろんなアイテム(キリスト教信者にとっての)は特別必須なものなんだなあと今更ながら思った、、、おっと、考えてみたら時代設定は1970-1971年でした。携帯も出てこないし、卒業生の出兵による犠牲者のの最新がベトナム戦争だったので序盤から気づいてはいましたが。そのせいで、皆さんのファッション、街並み、パーティーでの音楽、(黒人に対する差別意識)、全てがノスタルジック。これもシニア層の映画ファンにはよりウケる理由のかと思いました。
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