毒娘

劇場公開日:

毒娘

解説

「ミスミソウ」の内藤瑛亮監督が「ヒメアノ~ル」の佐津川愛美を主演に迎えて撮りあげたホラー映画。2011年にインターネットの匿名掲示板で話題となった、ある新婚家族の出来事をモチーフに、謎の少女と家族の争いをオリジナル脚本で描き出す。

夫と娘と3人で中古の一軒家に引っ越してきた萩乃。家族に恵まれずに育った彼女にとって、自ら築いた家庭で過ごす日々は夢にまで見た幸せな生活だった。そんなある日、外出中の萩乃のもとに、娘の萌花から助けを求める電話が掛かってくる。慌てて帰宅すると我が家は荒れ果てており、そこには洋服を切り裂かれた萌花に馬乗りになって大きなハサミを握りしめる見知らぬ少女の姿があった。その少女「ちーちゃん」はかつてこの家に暮らしていたが、ある事件を起こして町を去ったはずだった。ちーちゃんの存在は、幸せそうに見えた萩乃たち家族が隠してきた“毒”を暴き出していく。

共演は「糸」の植原星空、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の伊礼姫奈。思春期の暗部を描き出す「惡の華」などで知られる漫画家・押見修造が、ちーちゃんのキャラクターデザインとして参加している。

2024年製作/105分/R15+/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年4月5日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
脚本
内藤瑛亮
松久育紀
製作
村上潔
藤本款
プロデューサー
山口幸彦
秋山智則
宮崎大
ラインプロデューサー
戸山剛
撮影
伊集守忠
録音
高島良太
美術
小林楽子
スタイリスト
キクチハナカ
ヘアメイク
高橋亮
特殊メイク
百武朋
造形
百武朋
ちーちゃんキャラクターデザイン
押見修造
編集
冨永圭祐
音楽
有田尚史
VFX スーパーバイザー
オダイッセイ
アクションコーディネーター
富田稔
助監督
中村洋介
制作担当
三村薫
全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13

(C)「毒娘」製作委員会2024

映画レビュー

4.0無敵キャラ、ちーちゃん!

2024年4月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 真っ赤なちーちゃんが、怖すぎる。大きな鋏を振り立て、全てを容赦なく切り裂く。それでいて、時に見せる眼差しは無垢な小動物のよう。残酷すぎるトラブルメーカーでありながら「ちーちゃん」などと「ちゃん」付けで呼ばれていること自体、不可思議だ。主人公一家も、すぐさま「ちーちゃん」と当たり前のように呼び始めてしまう。あの子とかアイツではなく、ちーちゃん。ちーちゃんは、ちーちゃん以外の何者でもない。冒頭から「ちーちゃんがいる!来る!ヤバい!」とハラハラするのに、ちーちゃんの無敵っぷりに、すぐさま惹かれてしまった。  そんなちーちゃんに、おびえながらも立ち向かうヒロイン・萩乃。仕事を辞めて家に入り、夫の連れ子・萌花と穏やかな関係を結び、平凡でも穏やかな生活を手に入れた、はずだった。そんな彼女が、少しずつ感情を取り戻し、自分を解き放っていく様が清々しい。がまんや遠慮、気遣いだけは越えられない壁が、その家にはあったのだ。  血みどろなストーリーでありながら、白い羽毛や綿毛が画面いっぱいに舞い散るシーンの美しさが忘れ難い。ちーちゃんにやられる輩は、たいてい白い服、そして白い部屋。鮮血が、花びらのように飛び散る。破壊は、再生の前兆だ。前半の萌花は、写真の中の実母と同じ、黄系統の服を着ている。彼女の父・篤紘は、娘が提案した黄色ではなく、青のセーターをリクエストする。父親にふさわしく、自慢しやすいセーターを着るために。萌花や萩乃の服の色味が少しずつ変化していく一方で、変わらない篤紘のクズぶりが露呈していくのは、男性にはいたたまれないかもしれない。  ふと思い出したのは「ウーマン・トーキング」。性加害が当たり前のコミュニティから、出ていくのか闘うのか、女性たちがひと夜をかけて対話を重ねる。一方萩乃たちは、交わす言葉さえ持っていない。共に行動し、時を過ごし、ぶつかり合うことで、少しずつ繋がり、言葉を手に入れていく。  ラスト、萩乃と萌花は初めて互いを名前で呼び合う。そのとき、かすかに風が吹く。萩乃の背後で揺れる濃い紫のカーテンは、家のベランダで揺れていた白いシーツを対比的に連想させ、さらには、黒沢清監督の「トウキョウ・ソナタ」のラストで揺れる、白いカーテンをも思い起こさせた。  家族をぶっ壊しながらも家に執着する、ちーちゃん。周りを大きく揺り動かし、解き放つほどに、ちーちゃんの闇は深くなっていくのだろうか。一方で、出来合いの家を手放した、萩乃と萌花。それぞれに歩む道は険しいが、これまでよりはずっとよくなる、はずだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
cma

3.0豊かな素材・人材を活かせず、登場人物が記号的

2024年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

元ネタがネットの投稿だそうで、検索すると割とすぐ見つかる。「扉を開けるとうつぶせの娘の上に馬乗りになったKちゃんが笑ってました」という見出しで、2011年1月下旬から2月上旬にかけて複数回の投稿があり、これがなかなかに興味をそそる恐い展開だった。 内藤瑛亮監督の「ミスミソウ」は山田杏奈が映画初主演という点を含め良かったし、ちーちゃん役の伊礼姫奈は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」でローカルアイドルグループの地味目なメンバー役が印象的だった。漫画家の押見修造といえば個人的には「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」が最高で、2018年の映画化作品は邦画史に残る青春音楽映画の大傑作だと思う。 これだけ素材、人材が揃っているのに、どれも十分に活かせておらず、かみ合っていないようなもどかしさ。人物描写も記号的で、家事育児に無関心のモラハラ夫、その再婚相手で仕事を続けたいが妊活のため諦めさせられる新妻、そんな父と継母に不満を抱く娘、この3人家族に恐怖と混乱と衝突をもたらす“異物”ちーちゃん、そのいずれも内面が深掘りされることはない。 たとえばちーちゃんの人物造形についても、神出鬼没の人間離れしたモンスターのような設定ではなく、過去にあの家で両親と暮らしていた頃を描くなどして、彼女があの家に執着する理由を観客が理解し共感できるようにすれば、ホラー作品の哀しきヴィランとしてより魅力的な存在になるし、娘がちーちゃんに感化される流れも説得力を持ったのではないか。伊礼姫奈も可憐な少女から怪物へと変貌するコントラストで強烈なインパクトを残せただろう。押見修造がちーちゃんのキャラクターデザインだけでなく、脚本作りにも参加していたなら格段に面白いストーリーになったはず。もっとよい映画になり得たのに、もったいないと感じた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
高森 郁哉

2.5悪くないんだけど

2024年10月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

映画館で見てたら後悔してたかな あと最後のシーンは要らない

コメントする (0件)
共感した! 0件)
クゥラン

2.5黒沢清のcureみたいなシーンあった

2024年10月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

黒沢清のcureみたいなシーンあった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
zzzzz