「期待通りの面白さ、リブート3部作に続くさらなる新章の始まり」猿の惑星 キングダム Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
期待通りの面白さ、リブート3部作に続くさらなる新章の始まり
飽きのこないストーリー展開で、とても面白かったけど、なぜ再び続編(今回も3部作になると言われてます)を作り始めるのかの理由やテーマ、今後の方向性についての疑問が残りややスッキリしないのが率直なところ
2011年から3本作られたリブート版の最終作である「猿の惑星/聖戦記」の300年後が舞台
リブート版のメインキャラだった“シーザー”の葬儀のシーンから始まり、シーザーの存在と教義がエイプの歴史上で永きに渡り語られ続け、伝説と化している時代を背景に新しいエイプのキャラクター“ノア”を主人公に新たなる世界がエキサイティングに描かれる、リブート版シリーズの正統続編
なので、本作単体でも楽しめますが、リブート版3部作を見ておけば、より楽しめるかとも思います
本作のプロモーションが“完全新作(どれだってそうじゃん、と)”とか意味不明な文言を前面に出していて不思議でしたが、たぶんシリーズ色を強めると過去作を観てないからという理由で客足が遠退くのを避ける作戦なんでしょうね
でも観ておいた方が世界観はしっかり堪能できると思います
歴史や宗教は長い年月を経て真意から外れ、歪められて伝わっていくことも多い、そして必ず生き物の世界はマウンティングが生まれ、弱肉強食の世界に晒される・・・そういった根底に流れるメッセージ性も含め、よくできた脚本だと思いますし、新世代の話なので殆どが新しく、飽きる事なく楽しめました
本作での“悪(と言っていいのかは微妙)”の存在として描かれるのが、プロキシマス・シーザー、“シーザー”を継ぐ者として驕り高ぶる暴君だけど、プロキシマス自体も日々学び成長の過程、決して性根の悪とは思えませんでした、いいキャラしてたと思います
ただ、人間の歴史を辿ってはいるので顛末は容易に想像つくなとは思いました
そして何と言っても、リブート3部作に加えて本作も、相変わらずエイプ達のVFXがすごい
全く作り物の絵とは思えないリアルさと細かい動作表現が凄すぎる
作品自体とても面白かったけど、それ以上に映像表現で圧倒される作品でした