劇場公開日 2024年1月19日

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エスのレビュー・感想・評価

全22件中、1~20件目を表示

2.0友情 愛情 そして繋がり

2024年7月24日
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鑑賞方法:映画館

難しい

幸せ

あるある話 大学の演劇部?サークル?繋がりで、アラサーまで定期的に繋がってきた女性三人男性四人(一人は軽い刑法犯罪で短期服役)友達が逮捕されたことで、少なからず影響が及んだ人もいれば、新しい関係を築いたり、夢を諦め田舎に戻ったりと、各々のベクトルに変化を与え始める 服役したこと(人生の汚点)をネガとするのか、ポジとするのかはその人次第 とする教訓?をダラダラと映像化しているだけで、今一つ はまラナイ…😓
主役の女性のもどかしさは手に取るように分かるが、配偶者(結婚している)はよくなんともないな〰️ なぜに二人は結婚しなかったのかが…

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ろくさん

4.5もう少し丁寧な説明が欲しかったという映画。

2024年7月20日
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今年262本目(合計1,354本目/今月(2024年7月度)25本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

(前の作品 「墓泥棒と失われた女神」→この作品「エス」→次の作品「」)

 大阪市では6か月遅れで本日公開日でした(ミニシアターは土曜日はじまり金曜日終わりのスケジュールのところが多いです)。

 映画の趣旨としては、監督の過去に触れつつ、監督自身は映画に一切出てこず(「エス」とだけ呼ばれる)、それを案じている人が嘆願書を出すだの出さないだの、あるいは許せるか許せないかといったことを論じるタイプで、意外に見たことがないタイプ(本人が映画にほぼ出てこないというのは珍しい)でよかったかなといったところです。また、「過去について」極端に美化したりあるいは正当化することもなく、事実のみを淡々と描いている点についても良かったものです。

 人は誰でも誤ちを起こし得ます。もちろん誰が見ても許されないレベルの凶悪犯罪、たとえば地下鉄のガス事件もあれば、日常起きるレベルの万引きや盗撮など色々ありますが、それらが「当然に」同じ裁きを受けるわけではないし、「当然に」同じ社会的制裁を受けるべきものでもありません(ここでいう「社会的制裁」というのは、復帰後の人付き合いの制限などのことをいう)。

 そして日本の犯罪類型には「被害者なき犯罪」というものがあります。覚せい剤などの単純所持や単純賭博などのように「被害者の存在が想定・観念できない」類型と、明確に想定できるケース(万引きやこの映画の例など)です。ここによってもひとつ、ニュースを見た人によって印象は変わります。また、刑法に定められている刑罰法規以外でも、法定刑自体は低めに設定されていても「動物愛護法違反」(動物虐待等)はやはり印象が悪くなります。ここは道徳感といったものが出てくるので、言葉でズバリかけるものではありません。

 そうしたことまで考えたとき、本件は「被害者との和解・示談が大方終わっている、終わった」という前提において、それほどの刑罰をもって臨むべきものではありませんし、また社会的制裁もそれ相当になるべきものです。ここの「相場」が極端に崩れると、人は誰も立ち直れなくなります。

 決して犯罪を推奨するわけではありませんが、一人の行政書士の資格持ちとして、「何でもかんでも犯罪者は全部刑務所に突っ込んで社会でさらし者にすればいい」みたいな極端な意見には到底賛同できず、一方でこの映画は実話をもとにしており、「当然、被害者の方の心情も理解できる」ものであり、またその一方で、「大筋において和解・示談がすんでいる」前提において、「こういうことがありました。真相はこうです。今後はこういう道を歩みます」というような映画を作ることそれ自体は、更生への第一歩であり、またそのような製作活動は、前科者等(この映画の例では起訴見送り?)であっても同じであり、彼ら彼女らががそれのみを理由として制限されるいわれはない一方、実際におきた事件について、被害者のプライバシーを一切考慮せず公表することもまた「表現の自由」の限界を超えます。すなわち、「前科者等にも表現の自由は等しく及ぶが、表現の自由は絶対無制限ではない」というものであり、それは何も「前科者等」でなくても「誰であっても同じ」結論です。

 そうであればこのような作品が公開されること、それ自体について議論はわかれましょうが、個人的には「憲法でうたわれる権利は保障されるべき」という立場に立つので、公開には意義があったと思います。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/サークル仲間だけで嘆願書を提出できるか)

 提出すること自体は自由(日本国憲法の「請願権」の一つ)ですが、実際には、被害者の方がどう思われているかがもっとも重視されます。もちろん上記に述べた通り、道路交通法違反等に対する嘆願書は伝統的に行政書士が多く受け持つほか(点数がつくことで運転禁止となると、本人が病院に行けなくなる等で生活につまるケースがある)、外国人に絡む「よくある犯罪」(金額の低い万引き、ゴミ出しトラブルに端を発した全治3日程度のごく小さい喧嘩程度)でも、外国人関係の受け持ちが行政書士なので、その限りで嘆願書を受け持つところはあります(特に弁護士過疎地のようなところではありえます。もちろん、その場合でも、被害者と大筋の和解が取れている場合にできるのであり、和解を持ちかけたりすると弁護士法に触れます)。

 ただ、この映画は明確に「被害者が想定できる」ケースであり、映画内で「被害者」と呼べる人は一切出てこないのに、延々とサークル仲間やら仕事仲間やらで嘆願書を出す出さないの話をしても、絶対に重要なのは「被害者がどう考えているか」であり、それが全てを左右します(何万の嘆願書が集まっても、被害者が許さないといえば起訴はされます)。

 この点については、この事件が実際のものであったという事情から、この点に関する描写が一切ないのですが、字幕でも何らか補足は欲しかったところです(何でもかんでも嘆願書運動となり、「思わぬところで、結果的に」被害者軽視となることはよくないことです)。
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yukispica

3.5染田初段

2024年7月20日
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鑑賞方法:映画館

一昔前の下北沢ではああいう人達が居酒屋でストラスバーグがどーのこーのと口角泡を飛ばしてたんだろうなぁ。
人の心の暗黒面を面白がるという姿勢がなかなか面白かった。
アドリブっぽい台詞の応酬が楽しかったが、アフタートークで意外に全部台本通りだと明かされてびっくり。

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ひろちゃんのカレシ

5.0たまたまアップリンクに行く時間ができて、なんとなく適当に観てみたら...

2024年1月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

たまたまアップリンクに行く時間ができて、なんとなく適当に観てみたらめちゃくちゃ面白かったパターン。
期待してないから面白く感じる場合もあるけど、この作品は特別だと思います。
こういう特殊な映画は大きい劇場ではなかなか観れない。

またぷらっとアップリンクに足を運んで観てみたくなりました。良い劇場ですね。
こういうのは貴重な体験になるから、自宅でサブスクで観るものとはだいぶ違う。

役者も良かったなぁ。

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270898

5.0青春時代を共に過ごした仲間っていいね

2024年1月26日
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泣ける

楽しい

知的

言葉や人間関係に対する経験と洞察の深さに感動を覚える名作

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道灌

4.5人間関係の生々しい空気感に他人事では居られなかった

2024年1月25日
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鑑賞方法:映画館

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悲しい

楽しい

大学時代のサークル同志が
仲間の逮捕事件をきっかけに再会する。

気まずく複雑な状況にありながらも、
とぼけた生返事に漫才のようなツッコミが入り、
駄洒落のようにふざけたやり取りの会話が弾む、
気心の知れた10年来の友人たち。
しかし当然のように現実は甘くなく、
次第に波風は広がり物語は進んで行く。

演劇的手法・会話劇を得意とする監督の作品という事であるが、
確かにこれを本筋に絡まない無駄なセリフや冗長な演出と受け止める事も出来る。
しかし、記憶にも残らない様な他愛のない無駄口や、
大切なタスクがある時に限って他のどうでもいい事をしてしまった、
等々の人間が持つある種くだらないとも言える部分にシンパシーを感じるひとなら、
登場人物たちの人間臭さに大いに引き込まれ、ただの傍観者では居られない。
彼らの葛藤と苦悩、選んだ行動に激しく心を揺さぶられるだろう。

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猫様の下僕

4.5不在の「エス」が引き起こした波紋を逆にたどる

2024年1月24日
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悲しい

難しい

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八束丸

5.0手放しでは褒めたくない

2024年1月24日
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悔しいから。

毎度、映画を観る際はポップコーンを頬張りながら、というのが私の楽しみなのだが、上映時間が遅かったためか、売店でのポップコーンの販売は終了していた。
そんなことはどうでもいい。監督に逮捕歴があるとかないとかと同じくらいどうでもいい。
観客にとっては映画の内容が全てである。その評価に監督の経歴や出自は影響しない。

この映画を楽しめるかどうかは、染田の友人の一人となって映画の中へ飛び込むか、一歩引いて傍観者として観るかで大きく変わってくる。

私は飛び込んだ。さぁ、どうする?

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くう太郎

5.0主人公になったように没入して思わず最後に涙した

2024年1月23日
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泣ける

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悲しい

エスは一つの事件で全てが変わる、才能ある映画監督の感動的な物語だ。主人公が逮捕されるという予期せぬ出来事が彼の人生と周りの人間関係を劇的に変える。この映画は、SFやアニメとは違うリアルなアプローチで、観る者を別の人生に没頭させる。映画の終盤、主人公の後ろ姿が映し出されるシーンで、その深い感情表現には涙が止まらなかった。普段あまり映画を見ないが、この作品には深く引き込まれた。ただの物語を超えて、観る者に心に残る体験を提供する。ぜひ、この映画を見て、一つの出来事が人生にどれだけ大きな影響を及ぼすか体感してほしい。新しい視点が得られるはずだ。

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tak888

4.0解像度の強弱

2024年1月23日
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鑑賞方法:映画館

知的

急に4K映像や8K映像を見たときや、フレームレートを矯正して上げた映像を見たときの、「鮮明すぎて違和感を覚える」「映像の動きが思ったよりヌルっとしてびっくりする」、そんな気持ちを連想させる作品。

一般的な映画やドラマでは観る側が頭の中で補完するであろう言葉、気持ち、熱量、間、その他様々な情報、空気感。おそらそくそういうものを勝手につなぎ合わせ、観る側はそこに勝手に感情移入をしていく。小説のワンシーンもそうかもしれない。

しかしこの作品にはそれがない。いや、上述の「一般的な映画やドラマ」や「小説のワンシーン」のようなものがそもそも現実には存在しない。
現実はもっと雑で、不完全で、一貫しない言葉が飛び交う。その過程でコミュニケーションが形作られる。
それを台詞に、演技に大量に織り交ぜた変態的な作品だった。
観る側は補完しない。補完しないから、その情景にダイレクトに没入していく。
そこに「映画を観ているんだよな」という認識との乖離が生まれ、気持ちがざらつく。
こんなに雑で解像度の高い世界を見せられるの?という、良い意味での裏切り。
セオリーみたいなものがあるとしたら、それに飽きている人に是非観てもらいたい作品です。

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タロ氏

5.0今、見て、考えたくなる映画

2024年1月23日
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幸せ

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newwill

4.5群像劇スタイルを借りた独白のような作品。

2024年1月22日
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知的

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アベレージ

5.0青春群像劇の金字塔

2024年1月22日
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幸せ

人間関係に悩める人にはぜひ見てほしい。

とある仲間の映画監督の逮捕を機に、再会した元大学演劇サークル仲間6人の物語。

30歳という人生の岐路を前に、決してスターではない等身大の現実に直面している彼らの、
狂おしいまでに切実でユーモアのある会話の応酬に、ただただ心を掴まれた。

仲間の逮捕を機に、少しずつ露わになっていくそれぞれの想い。
誰かの擁護は、誰かの非難になるかもしれず、対話は常にその緊張感を孕んでいて、
その対立が、ショットに緊張感を生んで、映画になっていく。

人は、ある出来事に対して、傍観者になることも、逃げ出すこともできるし、そうすることで自分を守ることもできるが、
この物語の人物たちはそれをしない。
どんなに悪態をつこうとも。
それは何故か。私にはそこに希望があるような気がした。
それが深く心に残った。

その作家の人生の詰まった作品に触れられるのは、至極の時間だ。
この映画には、主演・松下倖子さんの素晴らしいショットがいくつもある。
それを引き出した太田監督も素晴らしいし、演じた松下倖子さんも素晴らしい。
きっと、本作のプロトタイプともいうべき『園田という種目』から続く二人の人生が詰まっていたのではないかと思う。

この作品がより多くの人の目に触れられることを心から願ってやまない。

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tutti

4.5人間という種目

2024年1月22日
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知的

幸せ

同監督の『園田という種目』のブラッシュアップ拡大版(或いは完結編)。
始まって10分くらいは、ああ、有りがちな「普通の人たちの、ありふれた日常の話か」と思いかかるのだが、そこから精妙な会話劇が展開していく。
自分の日常を守るために、人は利己的に振る舞い、残酷かつ慎重に異分子を排除する。それをことさらに脚色することなく、自然すぎるほど自然に見せてくれる。しかも、観終わったあとに、記憶に残るクライマックスもきちんと用意されている。とても上質のウェルメイド・プレイとでもいうべきだろうか。

この監督には「人間という種目」への尽きることのない興味があるのだと感じる作品だった。

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tilleul

5.0リアル感のあるヒューマンドラマ

2024年1月22日
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悲しい

逮捕された映画監督の力になろうと集まった旧友を中心に繰り広げられるヒューマンドラマである。感情の起伏、ぶつかり合いが丁寧に描かれており、あっという間の110分間だった。主演の女優さん、その他役者さんの演技も良かった。妙なリアル感があるのは、監督自身の逮捕経験に基づき作った作品だからなのであろう。
もし自分が犯罪者になってしまったら、どれだけの人が助けてくれるだろうかということを考えさせられた。
公開初日で監督や俳優さんの舞台挨拶を見ることができ、大満足であった。

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PJ

5.0太田真博監督映画

2024年1月22日
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難しい

ずっと太田真博監督を応援し続けている者です。
太田監督の映画は、いつも役者の演技が引き出されて、その演技に圧倒されます。今作では、特に終盤の松下倖子さんの演技に惹き込まれました。太田監督逮捕前の滝藤賢一主演の映画「笑え」でも、TVドラマでの演技には見られない滝藤賢一の凄みが引き出されていたと思います。
背景・シナリオがかなりマニアックなので、前半部分は頭の中に?が多くなり、後でその?は大体消化されたのですが、もう一度最初から見てみたいなと思いました。
逮捕のタの字もない、より万人受けするテーマでの太田監督の次回作を見てみたいです。

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ヤマ

5.0ある意味、これこそが「人間賛歌」。

2024年1月22日
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れくせら

4.5染田の不在に太田監督の実存的覚悟を見た

2024年1月22日
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楽しい

知的

解説のとおり、映画監督「染田」が逮捕された後の仲間たちが、「染田」につにいて繰り広げる言葉のやりとりが中心の会話劇です。

「染田」本人のセリフはありませんが、会話の大半は「染田」についてなので、登場人物は①不在として存在する「染田」と②仲間たち、ということになりましょう。

上映後しばらくは、演劇っぽいというか人工的な会話のやりとりに若干違和感を感じましたが、役者さんたちの熱演もあり、結局110分間飽きることなく会話に引き込まれました。

先述のように、「染田」がその不在によって逆に際立つ構造になっているため、途中までは、太田監督が「染田」に投影して自分語りをしたいのかと誤解しました。

しかし、太田監督が会話のやりとりを通して描きたかったのは、自分のことではなくて、仲間たちのこと、社会のこと、彼らの中に張り巡らされている人間関係の網の目のようなものなのだと途中で理解しました。

「染田」の不在は、太田監督が自分語りをしたいからではなく、単に太田監督視点の描写になっているからであって、それは事件を引き受け、自分の視点で語ると決意したことの帰結なのではないでしょうか。

作品の中で「見える人にしか見えないチケット」の話が出てきます。これは示唆的なメタファーと感じました。個別具体的な個人の体験を下敷きにした本作品が多くの方の共感を得られるか、諸氏のご判断によると思いますが、見て損はないと思います。

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すしお

5.0異なる友情のかたち

2024年1月22日
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難しい

異なる友情のかたちを妙にリアルに描き切った作品。
太田監督にとっては今作品が初の長編劇場公開作品と伺った。

作品中には様々なメッセージや工夫があり、役者の好演も併せて作品に引き込まれました。
染田を疑いなく救おうとするシンプルな友情だけではなく、苦しみながら見捨てようとしながらもまた戻ってサポートする友達の固い意志や、嘲笑しているようで最後まで見捨てていない友の優しさを、各メンバーが異なった形で表現しており、監督や役者のこのテーマへの細かい気配りを感じました。
また、監督が自身の逮捕という現実から目を背ける事なく、今後も背負って強く生きていく覚悟をこの作品から受け止めました。

現実に起きた事実は肯定的に捉えられない事ですが、それとは別として太田監督のように社会的に立ち直ろうとしている人の眼にはブレない強さやハートがあります。
彼の今後に様々な困難があるかもしれませんが、背負ったものも含めて必ずまた社会が評価すると確信しました。

その最初の一歩に立ち会えた今日に感謝です。

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SK

1.5観客は内輪の人じゃない

2024年1月21日
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悲しい

単純

寝られる

他人のアカウントでなりすましを行ったことで不正アクセス禁止法で逮捕された映画監督を心配する、大学時代の演劇仲間たちの話。

劇中劇のゲネプロでのダメ出しに始まって、何か掲げたり喋ったりするワードを拾っては弄くりかっ掘じりという、ガキや酔っぱらいの内輪ノリの様などうでも良いことの連続でだんだとまどろっこしくなっていく。
それを全部無くせとは言わないけれど、会話の半分はいらない内容じゃない?
言葉ではないけれど自転車の件とかも正にそれで、海老が載り過ぎでだるいこと。

口だけにしか感じられないヤツとか、流されて掌返しのおばちゃんの件とか、ちゃんと面白いものもあったんだけどね…過ぎたるはなんちゃらっていうことで。

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Bacchus