「「PERFECT DAYS」にも通じる、関西人情モノ作品」あまろっく ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
「PERFECT DAYS」にも通じる、関西人情モノ作品
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竜太郎(笑福亭鶴瓶)と早希(中条あやみ)の馴れ初めとか、
赤ん坊の事とか、
早希と優子(江口のりこ)の関係性とか、
優子と南雲(中林大樹)の学生時代のエピソードとか、
強引な展開や、無理筋な関係性は、確かに多少気になったが、
「人生で起こる事は(良いことも悪いことも)、何でも楽しむ」という、
父からの最大のメッセージに、主人公が経験を経て、段々気づいていく過程や、
その本筋の部分が、老若男女に伝わりやすいメッセージだったし、
細かい所の粗は目を瞑りつつ、最後は晴れ晴れとする作品であり、
コメディ調の人情オチな話で、観ていてスカッとする良作だった。
「人生で起こる事は何でも楽しむ」という部分については、
最近の作品でいうと「PERFECT DAYS」に通じるストーリーであり、
そちらの役所広司は、すでに悟りを得た状態の主人公だったが、
こちらの主人公江口のりこは、人との交流から、徐々に気づいていく様子を描いており、
成長していく姿を見守る所が、この作品の肝になっている。
その肝に対して、尼崎という土地柄の、「あまろっく」や「阪神淡路大震災」が絡んでくる構造になっており、
震災経験者にも寄り添う、御当地作品になっている。
鶴瓶の中年期を松尾諭が演じていたが、
「35年目のラブレター」の重岡大毅→鶴瓶よりは、
容姿も人間味も繋がっていたし、似ていたので、良かった。
あと、南雲の母役だった紅萬子さんは、「侍タイムスリッパー」の和尚さんの奥様役の人で、
関西の人情モノ作品に、今後は引っ張りだこになるのかなあと思った。
良かった演者
松尾諭
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