「江口のりこさん演じる近松優子の物語です」あまろっく ノブさんの映画レビュー(感想・評価)
江口のりこさん演じる近松優子の物語です
笑福亭鶴瓶さんと中条あやみさんの年の差婚、舞台が尼崎ということに興味をひかれ見てきました。予告編も面白そうだったので。
結論をいうと、映画の核となるストーリーは江口のりこさん演じる近松優子(鶴瓶さん演じる近松竜太郎の娘)の心の成長を描いた作品となっており、後半は不覚にも涙してしまいました。
「あまろっく」という言葉は初めて聞いたのですが映画のタイトルだけではなく実際に意味が有り、冒頭部分にも描かれていますが勉強になりました。尼崎市には海抜0メートル地帯があり、昔は台風時などに市内に海水が流れ込む災害があったのを今では尼崎閘門(あまがさきこうもん)が守っているのですが、この尼崎閘門の通称が尼ロックらしいのです。そしてこの映画の重要なキーワードとなっています。
ストーリーは子供時代の優子から始まり、やがて成長し、京大でボート部と華々しい経歴で社会人となり仕事も社内表彰されるくらいバリバリできるのに周囲との協調性に欠けるという理由でリストラされ、挫折してしまう。。。
そして父の竜太郎のもとに転がり込んで来るのだが、竜太郎はそんな優子を温かく迎え入れる。ニート状態のまま毎日ダラダラと暮らす優子に、竜太郎はある日再婚話をするのだが優子はたいした興味も示さずオッケーする。まさか二十歳の自分より年下の美女を連れてくるとは露知らず。。。
中条あやみ演じる早希が意外としっかり者で優子に負けず言い返したり、自分を煙たがる優子から決して逃げず母として愛情を持って接しようとするところがえらいなと感心させられました。
そんな新婚の2人と優子の奇妙な同居生活が竜太郎の突然の死によって終わりを告げる。
えっ、鶴瓶さん途中退場なんだ!とビックリしましたが、その後も回想シーンで頻繁に登場するのでご安心を。
これから話どうなるんだろうという私の心配をものともせず、見合い写真で優子を気に入ったイケメン男の登場、そして早希の妊娠の発覚、近松工場のベテラン職人の大怪我といろんな問題が発生していく中で、早希と優子はぶつかりながらも絆が深まり本物の家族になっていく。。。
そして幼い頃から家でぐうたらしてる風にしか見えなかった父の本当の思いを知った優子はある決心をする。。。
江口のりこさんが非常に良かったです。すみませんちょっと舐めてましたが、この映画で見直しました。中条あやみさんも意外と骨のある女性の役を見事に演じておりました。鶴瓶さんはいうまでもなく、親子共演の駿河太郎さんも優子の幼馴染みの屋台の主人役、良かったです。あと若かりし頃の竜太郎を演じられた松尾諭さんもいい味だしてましたね~。
「人生に起こることはなんでも楽しまな!」
この竜太郎さんの言葉が印象に残ります。
人生に行き詰まってる人がちょっと前向きになれる良質の映画でした。オススメです。
最後にこの映画でベテラン職人を演じられた佐川満男さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
共感ありがとうございます。
「カラオケ行こ」でも出て来た関西系ケッタイ家族、師匠がそのほとんどを序盤担ってたんですが、今作は退場してからが見所。血だなぁと感じる所を江口さん、引っぱられて中条さんが出してましたね。