「人情噺映像版」あまろっく ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
人情噺映像版
軽いタッチで笑いあり、ホロリとさせられる部分あり、楽しませてくれました。
欲を言えば時の経過の中に潜む心情の変化が描かれていない所でしょうか。
江口のりこさん扮する優子は、子供の頃からエキセントリックで他者と交わることが不得手な訳で、それが主な理由なのでしょうがリストラの憂き目に遭い尼崎の実家へ戻って来て、父親の庇護の下定職に就かずとも生活には不自由していなかった。
それが「あまろっく」である父がいなくなったからと言って「さあこれからは自分が家族を、会社の皆を護らねば!」とは簡単に変われない、いや、周囲に思いやりを届けられないんじゃないか?もう少しエピソードを交えながら、ターニングポイントとなったあの出来事を明確にしてくれたらなぁと思いました(それは他の役柄の人たちの生い立ちにも通じますね)。
ただそれでも、この作品には悪い人が出てこない。その安心感がモヤっとせず、演ずる様々な人たちに共感できる部分だったのではないかと感じました。
そして、監督さんと脚本家さんも以前にタッグを組まれているのも安心できる作品に繋がったのかと思います。
まるで落語の人情噺を目で感じる、そんな心温まるお話しでした。
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