弟は僕のヒーローのレビュー・感想・評価
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嘘をつくと、つぎつぎ嘘が重なるのに。
恋をすると、自分を大きく見せたくなるもの。
わかっちゃいるけど、人を巻き込む嘘はアカンな〜
そこに、障害とか生き死にが入るともっとアカン。
それでも、恋ってやつは盲目になるわけね。
障害のある家族を受け入れるって、大変なこと。
他人がとやかく言えることじゃないし、他人の何気ない一言にどれだけ傷つくか。
国を超えて、その想いは同じなんだな〜って。
でも、この家族のこの両親の明るさに、ジョーは助けられてるし。
だから、ジョーは素直でのびのびした子になってるんだな〜
愛されてるって、何よりの宝物。
深刻になりすぎない軽快さ
ダウン症の弟をもつ兄と、その家族の物語。
軽やかでユーモアと愛にあふれた映画です。
主人公ジャックは、好きな子に嘘をついてしまった。
その嘘を繕うために嘘を重ねていき、ついには愛する家族をも巻き込む事態になっていく。
ジャックと弟のジョーをはじめ、子どもたちがみんな活き活きとしてとてもキュートです。
また、父母のふところ深く家族を包み込む存在感がすごいです。
泣かせにかかる過剰な演出はないけれど、弟のことを語るジャックの言葉や、ジャックに寄り添う父母の言葉、そのひとつひとつにグッときます。
深刻になることを避けたせいか、掘り下げて欲しかったなと物足りなさを感じるところもありました。
また、映画化にあたっての脚色のせいか、実話がそうなのかわかりませんが、唐突な展開だなと感じるところがありました。
彼らの物語をもっと知ってみたいので、書籍のほうも読んでみたいと思います。
想像することが難しい「自分がいないことになっている世界」
2024.1.18 字幕 京都シネマ
2019年のイタリア&スペインの映画(102分、PG12)
ダウン症の弟を恥じて嘘をついてしまった兄を描く青春映画
原案はYouTubeにアップロードされた5分間の動画『Una Simple Entervista』
監督はステファノ・チパーニ
脚本はファビオ・ボニファッチ
原題は『Mio fratello rincorre i dinosauri』、英題は『My Brother Chases Dinosaures』で、ともに「僕の弟は恐竜に夢中」という意味
物語の舞台は、イタリア北部の小さな街
5歳になったジャック(幼少期:ルカ・モレロ、少年期:フランチェスコ・ゲギ)は、弟ジョー(幼少期:アントニオ・ウラス、少年期:ロレンツォ・シスト)が生まれるのを楽しみにしていた
ようやく生まれ、ジャックは父ダヴィデ(アレッサンドロ・ガスマン)と母カティア(イザベラ・ラゴゼーネ)から「特別な子ども」と説明される
当初はその意味がわからなかったが、思春期に差し掛かり、ジョーが普通とは違うことを認識し始める
そして、中学から高校に上がる際に、ある「嘘」をついてしまった
それは、一目惚れをしたアリアンナ(アリアンナ・ベケローニ)に「弟はいない」と言ってしまったことだった
親友のヴィット(ロベルト・ノッキ、幼少期:アンドレア・ティンパネッリ)は呆れるものの、やむを得ずに口裏を合わせることになった
物語は、活動的なアリアンナの学生運動につきあわされるうちに、取り返しのできない嘘をつく様子が描かれていく
そして、その嘘を上塗りするようにまた嘘をつき、という感じに、どんどん深みにハマっていくのである
その頃から、ジョーはヴィットに頼んでYouTube動画を上げるようになっていた
それを知ったジャックは、パスワードを入手してバズっている動画を削除し、それをネオナチのせいにしてビラまで作ってしまう
この動きに怒りを挙げた両親はネオナチの活動拠点の前でデモ活動を始めるようになり、ジャックは「これ以上は無理だ」と白旗を上げ、一連の騒動は自分のせいだと告白するのである
この行動に呆れたアリアンナはジャックの元を去り、学校中からいじめを受けるようになってしまう
だが、ジョーはそんなことはお構いなしに、いつものように接してくるのである
映画は、彼らが作り上げた5分間の動画がバズり、それによって兄が執筆したノンフィクション本が作られることになった
本作は、それを原案として制作されているので、ジャック目線の話になっている
物語は、思春期の恋愛で家族が特別だったらどう紹介するかという命題を描いていて、ジャックは隠そうとしてしまうのだが、クラスメイトたちはその対応に対してバッシングを行ってくる
同じ立場ならどうするかという想像はそこにはないのだが、とは言え「死んだことにする」というのは擁護できないものだと言える
動画に関しては、ジョーの撮りたいものを撮っているだけというもので、それがプチバズりするものの、世界的なムーブメントを起こしたのはラストで再現される「インタビュー映像」だった
そこにはジャックとジョーの姿が映されていて、仲睦まじい兄弟の関係がそこに描かれている
そしてまた、この映像が出来上がるには、ジャックの嘘も必要だったと言えるのだろう
いずれにせよ、ジャックの中で育った「弟との違い」というものが価値観に落とし込まれる様子を描いていて、それを対外的にどのように消化すれば良かったのかを考えさせる内容になっている
また、アリアンナがジャックと距離を置いているのも、「自分のことしか考えていない」からであり、それはジョーの隠し事だけではなかった
「自分が死んだことにされている」という想像をすることは難しいのだが、自分の欲望を優先することの愚かさは、このような事例を通して学んでおくべきなのかなと感じた
兄の気持ちもわかる
2024年劇場鑑賞11本目。
本人達が出て作った映画だと勘違いしていたのですが、実話は実話。
ダウン症の弟とそのお兄さんの話です。
自分も障害者の施設で働いているので、きょうだいの関わり方というのはよく見ています。フォローに入る人もいれば、結婚式に呼ばない人もいて、お兄さんが弟の存在を隠したかった気持ちは理解できます。どう考えても隠したかった人が気にしないのは分かりきっているのですが、そこは子供だからということでしょうか。
同じテーマのさよならホヤマンでは全く逆の展開になっていたのが面白いとは思いました。
説教臭くない、だからこそ
重くて道徳的にやろうとすれば出来るが、あえてやらないライトに見せているが、そこが良い。
少年の気持ちはわかるし誰にでも起こり得ること。
少年の成長譚として描いているが、人間として1段階変化したストーリー。
ラスト当たりの男性弁護士が悪ではない。それは人としての考え方。
演出もクドくなく、カメラワークもいたってシンプル。だからこそ登場人物達が生きてくるのではない。
後半の家族会議の父のセリフでが感動的でこの映画を物語っている。
知ること考えることのひとつとして。
過度に泣かせる演出もなく、
実話ということで、
僕や弟や家族や周りの実在する人々へのリスペクトを込めて、
丁寧に愛をもって制作された作品ということが伝わってきました。
思春期のお兄ちゃんの嘘をついちゃった気持ちは理解できないわけではなく、
ちょっと、嘘をやり過ぎちゃったね。
嘘に嘘を重ねて本人は、どんどんしんどなっていくから、
早くバレて楽になって!って思って観ちゃいました。
このご家族は、お父さん、お母さんを筆頭に、とてもステキですね。
だから、明るい!
同じ境遇の方に勇気を与え、また周りの人たちの理解に一役買う作品でしょう。
これはこれで良いのだけれど…
ダウン症の弟がいる兄の生き方メインな話かと思ったら兄の成長物語が主軸になったファミリー映画だった…。これはこれでハートフルな良い話なんだけどちょっと方向性が違っていて気持ち的には微妙…。
天使だって普通の人間!
実話だったんですね。期待通りの凄く良い映画でした!
ダウン症の弟君がとても可愛かった!兄ちゃんの幼少期は可愛かったのに、成長してからはちょっと、、、
気持ちは理解できない訳じゃないけど少し腹が立った。
でも結局は兄も愛してたね!
やっぱり弟君は天使だった。ヒーローたった。
生まれてきてくれて有難う‼️
兄ちゃんもジョーのヒーロー
5歳離れたダウン症の弟を持つ少年の思春期の葛藤の話。
自身が5歳の頃に生まれた弟のジョーが「特別な子」であると両親から教えられ、ヒーローであると勘違いしたジャックが、成長と共に真実を知り、そして14歳になって…というストーリー。
ちゃんとお兄ちゃんはしているけれど、弟のことを疎ましく思うこともあるお年頃。
町の高校に通うと言い出し見学に行ったら、14歳にして環境活動家予備軍のちょっと偏ったアリアンナに恋をして…。
どういう心情かはもちろん頭では理解出来るけれど、本当の意味ではその立場ではない自分には理解出来るとは言ってはいけないのかなと。
いくら何でもやり過ぎではあるけれど、ジャックを悪い子には到底思えず…。
事実に基づいたお話しだからそうなんだろうけれど、バズったのが唐突でなんだか取ってつけたような感じだったり、落ちてからの復調がかなりあっさりだったりで、面白かったけれど思ったよりも盛り上がらなかったかな。
ところで、意訳か直訳かわからんけれど、落ちてる中で学校で言われた「ダウンなの?」は違わないか?
弟は僕のヒーロー ジャックの思春期時代がメインのストーリー。 思春...
弟は僕のヒーロー
ジャックの思春期時代がメインのストーリー。
思春期にダウン症の弟を持つ事に恥じらいを感じてしまい弟の存在を否定するなど過ちを犯してしまう事をメインとする。
ダウン症の弟ジョーにスポットを当てた作品を期待していたのでそこは期待と異なった。
家族の絆や愛といった部分は王道に描かれていて一定の感動を与えてくれるが、もう少しジョーの人柄だったり良さを描いて欲しかった。全体的に早足感で内容の薄さを感じてしまった。
個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ
2 アクアマン/失われた王国
3 ニューヨーク・オールド・アパートメント
4 異人たち
5 ミツバチと私
6 弟は僕のヒーロー
7 エクスペンダブルズ ニューブラッド
8 葬送のカーネーション
きょうだい児の苦悩
ダウン症とは、21番目の染色体が通常2本のところ3本になっている先天性の染色体異常を言う。ダウン症候群の人は特徴のある顔立ちをしており、全体的に平坦な顔貌、厚い唇、大きな舌、そして、つり上がった目などが共通している。
成長発達面では、筋力や言語発達の遅れがみられる事が多く、筋力が弱い傾向がある。
一般的には、無垢でいつもニコニコしている天使のような存在というイメージ。
けれど、生活を共にしている家族には“天使”じゃ片付けられない事も沢山あると思う。
兄弟で、多感な思春期であれば、好きな子を含めて周りにいいカッコしたいのは当然、という事で、つい、弟を排除してしまう嘘が大きくなってしまう主人公…
正直、鬱陶しい事も多い生活だろうから、誰もがそんな感情を持ってもおかしくない。
だから、彼の事を他人が非難しちゃいけない、と思った。
そして、間違いを犯してしまった彼を見守る両親がすごく素敵♬
この物語で、確かにひとつ、彼は大人になったよね。
見終わった後で、あの家族と一緒に抱き合えたような感覚をいただきました。
柔らかな心に刺さる、小さな棘たち
ジャックとダウン症の弟・ジョー、そして家族の物語。
高校デビューを図ろうとするジャックが抱えている、弟の障害や、障害を持つ家族がいる環境を他人から過度に特別視されることへの居心地の悪さと、思春期特有の自意識が相俟って起こる騒動がメインのストーリー。
デリケートな題材であるが、過度な感傷や悲壮感を出さず、また過剰に感動を煽らないユーモラスな作風が好印象だった。
幼少期の、末っ子だったジャックが待望の弟であるジョーに向ける期待と愛情が微笑ましく、二人の姉達の落ち着いた佇まいとのギャップもいい味を出していた。
産まれた子がダウン症だと知った両親の葛藤や、手探りで養育を進める苦労を率直に描いている点も良かった。
ジャックは単に弟を遠ざけたいわけではなく、彼を愛するがゆえの本音があることが終盤に明確になるのだが、それを知った時の家族の対応も良かった。ジャックの物語としてだけではなく、家族の物語として心に留めたい一本だった。
多様化の過渡期にある現代では声をかける側・かけられる側の事情も心境も様々で、知らないうちにマイクロアグレッションを与え・与えられていてもおかしくない。傷を自覚し傷と向き合う機会をもつ大切さ、自分の心情を言語化する力の重要性を感じた作品でもあった。
エンドロールが始まると涙が止まらなくなりました。
素敵で、不思議な映画でした。観てる途中は泣くような感じでは無かったのにエンドロールが始まると涙が止まらなくなりました。私だけではなく場内で眼を拭う人や鼻をすする音が続出。終わった後、満場の拍手でした。主人公の成長と弟の明るさが素敵な映画でした。
泣けないよ?笑いたっぷりだもの(๑^ں^๑)
配給会社さんの試写会で拝見しました✨
きっとコレは(実話だし)涙活ムービーだ🌟と勝手に予想していったけど、笑ってばかりで涙なんて一滴も出なかったゎょ、残念ながら😂涙は無くともとってもとっても素敵な家族のお話❤ ❤ ❤パパもママもポジティブワードを使うことで周りもみんな笑顔になれる。コレ、見習いたい❗️言霊大事っ‼️
ジョー(の役を演じてる役者さん)はとにかくキュート💕実際のジョーは………?
試写会の後で、この作品の原作者でジョーのリアルお兄ちゃんのジャコモさんと日本でYouTubeを通して活動してるあべけん太兄弟のトークショー。そして最後にはリアルジョーからのメッセージムービー✨✨今は21歳になってお仕事もしている元気そうなジョーの姿を見てとっても心がぽかぽかした晩だったゎ🍀
世間体や見栄によって生じる過ち
ダウン症の弟ジョーを持った兄ジャック。幼少時はそれについてよく分からずに、特殊能力を持つスーパーヒーローだと信じていたが、やがてそうではないと知り、成長するにつれ弟の存在を隠すようになる。世間体や見栄を気にしすぎるあまり犯してしまう過ち。「障碍者はイノセントな存在」というのを少々美化しすぎではという感もなくはないが、本作はそんな痛い“あるある”を突いており、誰しも自戒を込めて観られるし、誰しもがジャックのような過ちを犯す可能性がある。
それにしても、西洋におけるナチズムがいかにタブーかというのも改めて認識。ナチスがユダヤ人の他に障碍者やLGBTQ+の人をも迫害していたという事実を踏まえれば、後半で起こるトラブルがいかに深刻か伺い知れると思う。
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