陰陽師0のレビュー・感想・評価
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反省:事前に少しは調べないと
私だけかもですが、予備知識なしに見て
変なところが気になって置いていかれるパターン多いです
主役、染谷君?て思うくらい彼が良かった
龍のCG( 今はVFXかぁ)凄いなぁって思ってたら
エンドロールで白組じゃんって
なるほど
ただ、ツルツルの舞台みたいなところの花は違うだろーって
花に目がいってセリフ聞き逃してしまった
いいシーンだったのにw
ストーリーは楽しめた、ちょっと難しかったけど
意識の中でって言う概念には置いてきぼりになってしまったなぁ
今でもわかるようなわからないような
あの中で自分を保てる人が
心が強いって事なんかなぁ
正気でない演技をしたあの三人はいい感じでした
褒めてるんですけど、虹郎君の死体はすごく良かった
美麗映像による平安ファンタジー
原作は読んでおらず本作を鑑賞しました。
冒頭の津田健次郎によるナレーションからの導入は、実に物語に引き込む力があり、ワクワク感がありました。
陰陽師というだけで、ちょっとおどろおどろしい感じなのかなとの先入観がありましたが
(野村萬斎主演で中井貴一がラスボスだった映画は観た記憶があります)
陰陽寮で起きた事件とよしこ女王の身に起きる不思議な出来事を軸とした
ミステリー×ファンタジーでした。
なので、多くの方々に楽しんでもらえるエンターテインメント映画になっています。
山﨑賢人による晴明の流麗なアクションは、キングダムともゴールデンカムイとも異なっており、
呪文を唱える姿と相まって、すごくかっこいいと思いますし、そこが見どころといっても過言ではありません。
特に走りながら馬に乗るシーンが秀逸で、さすが山﨑賢人だ!と思いました。
また、相棒的なポジションの染谷将太による博雅も、所作や佇まいが上品且つ出番も多いので、
もうひとりの主人公ですね。
そして、奈緒によるよしこ女王のなんとも妖艶な雰囲気も必見です。
脇を固める役者陣もすごいです。
小林薫、北村一輝、國村隼、みなさん実に素晴らしい演技でした。
吹越満がチョイ役で出演しているのも面白く、また、なんて贅沢なんだ!と思いました(笑)
というわけで、ほぼ役者陣の素晴らしさで成り立っている映画ではないかと。
VFXも目を奪われる出来で、美しかったです。
セットもほぼCGとの組み合わせなのでしょうが、実にうまく舞台をつくりあげていたと感じます。
観客も多かったです。
プロモーションが奏功しているのだろうと思いますが、しっかり期待に応える作品に仕上がっていて、
また、続編もつくれそうにしているところが抜け目ないなと思いました(笑)
鑑賞後感も良く、多くの方に満足いただける作品になっていましたね。
しっくりこない
シリーズ初心者でも問題ないが、言葉が聞き取れないシーンが多いので専門用語の予習は必須
2024.4.19 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(113分、G)
原案は夢枕獏の『陰陽師』シリーズ
陰陽師として名高い安倍晴明と雅楽家・源博雅との出会いを描くファンタジーアクション映画
監督&脚本は佐藤嗣麻子
物語の舞台は西暦948年の日本・平城京
当時の日本は帝(板垣李光人)を中心とした政治が行われていて、政治は陰陽師と呼ばれる人々の占いによって執り仕切られていた
帝直属の陰陽師は空席で、その地位を目指して、陰陽寮にて学生(がくしょう)たちが切磋琢磨し、得業生と呼ばれる地位を目指していた
陰陽師の頭は藤原義輔(小林薫)で、陰陽博士の賀茂忠行(國村隼)、天文博士の惟宗是邦(北村一輝)、暦博士の葛木茂(嶋田久作)などが学生の指導にあたっていた
その中でも「狐に育てられた」と噂される安倍晴明(山﨑賢人)は、賀茂が身元引受人として陰陽寮に入ることが許されていて、その存在を疎ましく思う者は多かった
ある日、得業生の橘泰家(村上虹郎)が殺されるという事件が起こり、惟宗は学生たちに「犯人を見つければ、次の得業生になれる」と言い、試験を行うと告げた
晴明は、元から得業生どころか、陰陽師になることにすら興味がなく、授業をサボっては、書庫に入り浸っていた
だが、「命令」は絶対とのことで晴明も試験に参加することになった
晴明の名を轟かせたのは、徽子女王(奈緒)の件にて、中務大輔の源博雅(染谷将太)に助力したことがきっかけで、彼女は夜な夜な鳴り響く琴に悩まされていた
晴明は博雅の依頼を引き受け、その原因を取り除き、それによって、琴の音は鳴り止む
これが帝の耳に入り、また、次の得業生として賀茂が推薦したことが陰陽寮に良からぬ風を吹かせる原因になっていた
物語は、一連の陰陽師シリーズの前日譚という内容で、本編は晴明と博雅のコンビが難事件を解決するシリーズものとなっている
いわゆるバディ系推理ものになっていて、本作はそれに付加して、呪術が凄まじいCGで描かれる内容となっている
晴明には特別な能力が秘められていて、今回の一連の事件の首謀者を突き止めるに至るのだが、その黒幕との戦いにおいて、彼の能力が発揮される、という流れになっていた
この晴明の活躍と同時進行するのが博雅と徽子女王の恋バナであり、幼少期に伊勢神宮に遣わされて以来孤独だった徽子女王は、それ以来ずっと博雅に恋焦がれていた
だが、博雅は帝の恋文を持参し、それによって徽子の内なる魂が暴走し、一連の首謀者が仕掛けた「呪(しゅ)」が発動してしまう
彼らは深層心理の世界に誘われ、そこでそれぞれのトラウマと向き合うようになっていて、晴明の場合は「両親を殺した犯人」と対峙するという流れになっている
世界な深層心理の世界で繋がっていて、それによって博雅と徽子女王の繋がりも確認され、そして徽子女王のある決断と、博雅の覚悟というものを呼び起こすことになったのである
いずれにせよ、シリーズのファンが納得するのかはわからないが、未読鑑賞者としては、そこまで悪くない出来に思えた
ファンタジーアクションというよりは、ほとんどラブロマンス映画のノリになっていて、晴明と博雅の馴れ初めとしては合格点なのだと思う
薄い本が出そうな関係性であるものの、そのテイストが原作からあるからなのか、監督の趣味なのかはわからないが、そっち方面のファンと原作ファンが喧嘩しないかは気になるところかもしれない
映画館で観る分にはCG技術の凄さを体感できるので良いのだが、いかんせん「何を言っているのかわからない映画」なので、ある程度「陰陽師で使われる言葉」ぐらいは予習しておいた方が良いかもしれません
パンフレットには解説があるが、物凄く字が細かいので、拡大鏡のお世話になる人が多いだろう
ラストに印字されているエンドロールはさらに細かすぎて字が潰れていて読めないので、何かを確認したい人はスクリーンをガン見することをおすすめいたします
陰陽師の世界観
やっぱ野村萬斎だな〜
野村萬斎
のイメージしかない安倍晴明。
初めからわかっていたことだが、山﨑賢人では完全に役不足。
纏っているオーラが違いすぎる。
リセットして新シリーズを始めるためのプロローグと割り切ろうとしても仕切れない、
あまりにも大きすぎる差に何度も吐息が漏れた。
取り巻くキャストにも同様の感があり、全体のトーンが軽薄で深みがない。
と昔を懐かしんでばかりいるとじじいの妄言でしかないのこの辺で…。
ストーリーの流れとしてはプロローグとしては悪くないと感じた。
だが、あくまでもプロローグとしてなので、当然予定しているであろう続編次第かな。
個人的に映画館に足を運ぶかは微妙だけれど。
何度も書いているけれど、山﨑賢人は繊細さを演じ切れる稀有な若手だと思っている。
こういう感じの作品ばかりなのは残念。
良い意味で予告を裏切る映画。
予告の派手な映像を見て興味を持ったので初日に鑑賞。
序盤は心理トリックを使って貴族を騙したり、事件現場や遺体を調べたりと現実的な手段で捜査して呪術要素は薄くて予告に騙されたかなと思ってた。
ただ後半からは呪術要素が本格的に出てきて予告にあった派手な映像もちゃんと出てきて最後には本当の呪術で真犯人かつ両親の仇討つ展開が最高で本当に良い意味で予告編を裏切る映画だったな。
主役の晴明が普段はひょうひょうとしながら恩師にちゃんと恩義を感じてたり、友達にお礼を言い、仇に怒りを露にしたりと随所に人間らしさが出てて気付けば好きになってて演者の山﨑賢人もぴったりだったね。
最後に下手に続編を匂わせずすんなりED主題歌に行くラストも大変良いので見て損は無し。
最後の種明かしさえなければ。
全体的に面白い。
和風マトリックス感を感じて。
話のラスボスは序盤に分かってしまうけど、
許容はできる。
爽快感あり、綺麗に終わると思いきや、
最後の方でラスボスによる種明かしが始まる。
これ、大変寒い。
変な家とかカイジ3とかもそうですが、
トリック説明しだすのは大変興醒めします。
あれ、本当無しでお願いします。
闇が闇であった時代の想像力
怖いモノを想像する人にとって〝妖怪や幽霊の存在〟が真実であるように、想いびと(大好きな人)がいる人にとって、恋心が生み出す想像の世界もまた真実。
そんなことを思いながら、百人一首の恋の歌などを思い出すと、寝れない夜になかなか会えない相手を思う当時の人たちの切実さと豊かな想像力やイメージ力に、尚のことため息が出ます。
瀬を早み 岩にせかるる 瀧川の
われてもすえに あはむとぞ思ふ
今の世にまで残る名歌だから、風流というか上品というかだけど、あの時代にいったいどれだけの人がどれだけの情念を想像力に委ねたのか。
きっと、夜がちゃんと夜だった時代、人間が闇を闇としてちゃんと畏怖していた時代、たくさんのモノたちが本当に見えていたのだと思います。
そういう時代に自分も迷い込んだのだとしたら…
古代エジプトや高松塚古墳などの遺跡でも、当時の色を再現した復原画などを見ると結構明るい色が使われていたりするわけで、極彩色の花園なんかも、意外と平安貴族にとってはそれほどかけ離れた想像ではないのかもしれないですね。
山崎賢人だらけだな
VFX盛りだくさん。
ちょっとイマイチなVFXもありましたが、日本映画にしてはかなり良いほう。
ハリウッドや韓国映画とは比べない事が重要。でもゴジラ頑張ったし、、、日本映画も何とか頑張って欲しい。
ストーリーも良かったし。山崎賢人はかっこいい。
安倍晴明なのに?あんなにアクションあるし、あの長い指で印を結ぶところを見ると、山崎賢人じゃないとって事なのかな?って思った。
覚醒するみたいな演出も良かった。
奈緒は好きだし良かったけど、ストーリー上は20歳前位じゃないと、歳が離れた、、、とか、禁断という感じがイマイチ。
ただ、、、シリーズ映画、山崎賢人だらけですね。
キングダム
ゴールデンカムイ
陰陽師
って、今後もコンスタントに続編作れるのかね。
他にも良い役者は沢山いるし。
虹郎を簡単に殺すな(笑)
内容がないですね。
新たな呪術で解き放て陰陽道(シリーズ化)
山﨑賢人今年2本目の主演映画。
『キングダム』『ゴールデンカムイ』とシリーズ化のヒット作続くが、本作も。
映像化は数知れず。最も有名なのは野村萬斎が扮しヒットした映画2作。
原作者・夢枕獏監修の下、オリジナルストーリーで描かれる“若き日”。
陰陽師・安倍晴明!
かつての陰陽師ブームももう20年以上も前。
今の令和の若者に平安宮廷の役職や陰陽道の専門的な用語など馴染み難いだろうが、陰陽師の学校=“陰陽寮”があって、エリートである“得業生”になるべく日々の学びや学生たちがいて…と、和の『ハリポタ』だと思えばいいし、話自体もシンプル。
一人の得業生が死亡。呪いか、殺されたか…? 異端児の学生・晴明はひょんな事から知り合った貴族の源博雅と事件を調べる。都や陰陽道を揺るがす陰謀と脅威が…。
平安時代と陰陽師の世界の和のファンタジーであり、謎を解き明かしていくバディ・ミステリー。
人嫌いの晴明と人好きの博雅。凸凹コンビはホームズ&ワトソン始めバディの鉄板設定。
陰陽師としての才能は随一。が、ドライな性格、人嫌い、出世欲ナシ。それどころか陰陽師にすらなる気もない。
おいおい、アンタが陰陽師にならなかったら話が続かないよ! びっくり設定の若き晴明。オリジナル設定だからこそ自由にキャラを創造させる事が出来た。
少々性格に難ありだが、常に冷静沈着。頭も切れる。
ミステリアスで、立ち振舞い、身のこなしも華麗。終盤、髪が解れた姿は同性から見ても色気だだ漏れ!
いつもの熱血キャラではない山﨑賢人の新たな魅力。
染谷将太、奈緒、村上虹郎、板垣李光人、安藤政信、國村隼、北村一輝、小林薫ら若手~実力派~ベテランの豪華顔触れが妖しの世界を彩る。
呪術ファンタジー、アクション、バディ・ミステリー、男二人の友情、身分違いの恋…エンタメ要素をたっぷり詰め込んだ佐藤嗣麻子の手腕。繊細なドラマが多い女性監督の中で稀有な、男性監督ばりのエンタメ派。
美術や衣装はさすがの絢爛さ。花舞うシーンなど映像も目を見張る美しさあり。
まるで舞いのようなアクション。呪術の数々。
それらをVFXを駆使して。『ゴジラ -1.0』で米アカデミー視覚効果賞を受賞した白組が担当。火竜が登場するシーンは圧巻のスペクタクル。(でもこのシーン、予告編で見せちゃったのは惜しい…)
奇々怪々と美。陰陽師ならではの呪術エンタメ・ワールド。
ここから、難点・不満点。
開幕のナレーションで一通り説明した後、千年前の言葉ではなく現代の言葉でお送りする。
あ、これ、漫画なんだ…と少々萎えた。今Disney+で見ている『SHOGUN/将軍』はハリウッドと日本の予算云々ではなく言葉や所作など細部に至るまでリアリティーに拘った本気の作りと程遠い。
山﨑賢人は魅力ある。役者陣も熱演。が、染谷将太がちとオーバー演技でこんなに演技ビミョーだったっけ…? コメディリリーフだからか…?
一連の事件の犯人。最初は安藤政信かとミスリードさせて(でも役柄的に小物だった)、思わぬ黒幕が。晴明以外誰もが地位に拘る。何となく察し付く。
ストーリーや真相。ストーリーは謎解きと巨大陰謀と大きな仕掛けあり飽きさせないが、真相はちとあっさり。己の欲が動機であり、ベタだけど都滅びの危機のようなスケールとハラハラには乏しい。
博雅と徽子女王のラブストーリーは若者客寄せの蛇足だったような…。
後、主題歌合ってなかった…。
拙さも目立ったが、秀でたものもあった。
地位、権力、名声に躍起になる一部のエリートたち。今の政治家どもと変わりない。
ヘビ、クモ、サソリ、毒を持った生き物を一つの壺に入れ、最強の毒=蠱毒を作る。あるシーンで殺し合う3人の陰陽学生。欲が毒、殺し合う3人が毒生物の印象的な対比。
彼らを操る人物の呪術の舞い。
晴明が夢の中で両親を殺した人物と対するシークエンス。
友情育み、酒を飲み交う晴明と博雅。友情以上のブロマンス的な匂い漂い、その終幕も余韻残って良し。
つまらなくはなかった。
が、極上ではなく、山﨑エンタメとしても『キングダム』『ゴールデンカムイ』よりちと見劣り。
後こんな事言っちゃうと元も子もないが、せっかくの『陰陽師』の映画の新作、出来れば野村萬斎で見たかった…。
いや勿論新しい『陰陽師』を作ろうとしたスタッフ/キャストの意欲は伝わってくるが、オスカーを受賞した滝田監督と貫禄増した野村萬斎のコンビで『陰陽師』の新作を…。
こういうのは出来ないのかな…?
現在と過去を脅かす強大な敵。最難度の術を使い、現在の晴明=野村萬斎と過去の晴明=山﨑賢人が時空を越えて共闘する。
題して、『陰陽師 ∞(クロスオーバー)』!
VFXの方はちょっと変な感じ
【都に蔓延る様々な”呪”に囚われた人々を描いた作品。VFXを多用した幻想優美なる原作の世界観を再現した美術に魅入られた作品。山崎さんは若き晴明のイメージ通りだし、矢張り源博雅は佳き漢なのである。】
■陰陽寮で学ぶ、安倍晴明(山崎賢人)達の中で一段位の高い徳業生である橘泰家(村上虹郎)がある夜、自宅の井戸で怪死する。
陰陽寮学生である、平郡貞文(安藤政信:いつ見ても、格好良いよなあ。)を始め、安倍晴明以外の学生たちは出世のため、躍起になり、犯人探しを始める。
◆感想
・原作にはない、陰陽寮を底辺とした陰陽師のヒエラルキー制度や、平安京のヒエラルキー制度は面白く鑑賞。
ー たった、150人の上級役人が都を治めていたとはねえ。-
・と、並行して起こったよし子女王(奈緒)の弾く琵琶の弦が切れて行く怪異解明に呼ばれた晴明と博雅(染谷将太)。そして、晴明が捕まえた銀の龍。
よし子女王は博雅への想いが”呪”になってしまっていたのである。
ー 博雅君、相変わらず鈍いなあ。オジサンでも怪異の理由は分かったぞ!そこが良いんだけどな。それにしても奈緒さん、無茶苦茶お綺麗である。ー
■だが、博雅君、帝(板垣李光人)の恋文をよし子女王の想いを分かりつつ届けてしまうのである。そして、よし子女王は哀しみの余り、消えてしまう。
ー よし子女王の嘆きと博雅君への告白。けれども、帝の手紙を読んでしまってはなあ・・。仕え人はツライよ。-
・一方、橘泰家の怪死事件を発端に、晴明は自分の両親を殺した男を探って行く。
ー この辺りの精神世界の使い方、描き方は良かったなあ。
そして、晴明を救った博雅の葉二の笛の音。
晴明はよし子女王を救った後に、真の怪死事件の遣い、天文博士(北村一輝)を斃し首謀者、陰陽頭(小林薫)と決するのである。
ー 陰陽頭は、年に一度陰陽寮学生たちを占い、自分の地位を脅かす者の親類縁者を殺していた。晴明の両親も同じ理由で殺されていた・・。
天文博士も陰陽頭から昇進をチラつかされていた。二人とも地位を守る、もしくは地位を上げたいという”呪”に掛かっていたのである。
それにしても、晴明が陰陽頭を斃すのに、菅原道真の怨霊を使うとはなあ。当時、最強の怨霊と言われていた方である。晴明の霊力の凄さが分かる。ー
・そして、全てが解決し、帝は陰陽師で安倍晴明の育ての親である賀茂忠行(國村隼)を呼び、帝の陰陽師にならないかと声を掛けると賀茂忠行は
”未だ、徳業生になったばかりですが、安倍晴明をお勧めします。”と答えるのである。
<ラスト、晴明と博雅は月光の元、十年の知己の如く、対当に喋っている。そして、晴明は言う。
”笛を吹いてくれないか。(物凄く細かくて恐縮だが龍笛と言ったと思う。葉二じゃないかな・・。)”
博雅は、笛を静に吹くのである。
今作は、呪術を催眠や暗示を組み合わせた技として描いた所が、人間の様々な欲や情念が”呪”になる、と言う原作に通じていて良かったと思う。
夢枕獏先生も、このレベルの映画化であれば、ご満足されたのではないかと思った作品でもある。>
平安の世の優雅な魅力
呪が祓われる
とても美しく綺麗な映像でした。監督が「呪が祓われる映画」とおっしゃっていた通りでした。
「ヒロマサッ!」っていきなり「呼び捨てかよっ!」って思ったけど同じ様に「セイメイ」って呼んでるからまぁ良いか。冒頭にこの時代の言葉では難しいから現代口語でお送りします宣言してたもんね。
監督と原作者との出会いから35年経ってようやく出来た作品だそうですがその間に映像技術は革新的な発達を遂げたでしょうね。無意識の世界での話で内容は少し難しいです。でもとにかく綺麗なんです。アクション、衣装、建物、宮殿、花、樹、星、火龍、水龍など見応えたっぷりです。
撮影は2年前のコロナ禍の中でいろいろ制約も多かったようです。
時代劇と言うと戦国、江戸、幕末、侍が相場ですが平安貴族も有りですね。
ただもう少しもののけや魑魅魍魎の姿を見たかったです。
新しい陰陽師像
ファンタジー系の映画はあまり観ないので、観に行くかどうか迷った。しかし、日本史が好きで、過去に陰陽師に関心を持って調べたり、晴明神社に参拝したこともあったので、どんな映画だろうという好奇心が勝ったので映画館に足を運んだ(2024年映画館鑑賞11作目)。
夢枕獏の原作を読んだことがないので、VFX×山崎賢人の派手な呪術とアクション、というテイストかと思っていたら、想像とは違うものだった。
まず、安倍晴明(山崎賢人)が、自身が本物の呪術を使うことができるにも関わらず「事実を見る」ことに拘っていること。陰陽師が人の不安心理を煽って存在価値を高めているという批判を師匠(國村隼)に早い段階からぶつける場面に、ファンタジックな呪術だけではなく、史実(実際)の陰陽師の姿もきちんとバランス良く描くという姿勢に好感を持った。
史実の陰陽師を描くと全く地味で映画として成立しないだろうから(安倍晴明が活躍するのは晩年だし)、当然、呪術シーンが出てくるのだが、描かれる不可思議な現象の源が人間の様々な心理によるものであるというところに、何となく納得させられてしまう。
山崎賢人と染谷将太は安心して観ていられる演技。徽子女王(奈緒)は可愛いけど終始少女漫画な世界に生きる人って感じ(好きな人は好きでしょう)。
欲を言えば、脇役にも実力派が多く揃っていたので、彼らとの絡みも含めてもっと1つ1つのエピソードに深みがあればより見応えがあるものになったのではないだろうか。
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