陰陽師0のレビュー・感想・評価
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陰陽師の本質を描いている
陰陽師の役割が知れた
平安時代の西暦948年、呪いや祟りから都を守る陰陽師の教育機関で、行政機関でもある、陰陽寮、が今の霞ヶ関のような政治の中心だった。27歳の学生・安倍晴明は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたのだが、陰陽師になる意欲も興味もない変わり者だった。ある日、晴明は貴族の源博雅から、皇族の徽子女王が悩まされていた怪奇現象の解明を依頼され解決した。その後、晴明と博雅は、陰陽寮での変死事件を調査していき、裏に潜む陰謀に巻き込まれ・・・さてどうなる、という話。
最初に観た時は意味が分からず、少し復習してから2度目を観に行った。
平安時代の貴族、皇族の様子、陰陽師の位置付け、わかってくると非常に面白く感じるようになった。
わたしの幸せな結婚、に似たようなファンタジー要素も有り、科学が未発達で未知の世界、未来への不安が有る中、政治を行う人たちが占いに頼る気持ちも理解できた。
平安時代600万人の人口を1万人が支配していた、なんて基礎的な日本の歴史も勉強出来、良かった。
当時は関東以北はあまり人が居なかったのだろうけど、今の20分の1規模だったんだなぁとか。
安倍晴明役の山崎賢人は連載物の大作3本の主役を引き受け、忙しすぎでは、と心配したが、本作でも良い演技を見せてくれた。
源博雅役の染谷将太、徽子女王の奈緒も良かったし、村上天皇役の板垣季光人のイケメン帝ぶりが素晴らしかった。
続きが楽しみ。
まさかの夢オチ
原作未読だが、野村萬斎さん主演の『陰陽師』2部作はどちらも観ていたし、『ゴールデン・カムイ』で山﨑賢人さんの演技力を再認識していたので、本作を鑑賞。封切日の初回上映で、観客は15人ほど。
本作は「安倍晴明」(山﨑)が陰陽師になる前の陰陽寮の学生(「がくしょう」と読むらしい)だったころの話で、「源博雅」(染谷将太)との出会いが描かれている。幼いころ目の前で両親を殺された清明は、しかしショックのあまり犯人の顔を思い出せずにいる。陰陽博士「賀茂忠行」(國村隼)に引き取られて、その勧めで陰陽寮で学び始める。陰陽寮では陰陽頭「藤原義輔」(小林薫)を頭領に、学生と得業生(学生の一つ上の身分)たちが陰陽師目指してしのぎを削っており、そこで清明はめきめきと頭角を現していく。けれども、清明自身は、呪いだ祟りだといって人々の不安をあおり、それにつけこむ陰陽師という仕事に興味を持てない、合理的な人物として描かれている。
夜中に琴が鳴り出すという怪異現象に悩まされた「徽子女王」(奈緒)が、従兄の博雅に相談する。徽子は幼いころ伊勢神宮の斎宮に選ばれ、両親と生き別れになるというつらい経験をしていたが、その悲しみを笛で癒したのが博雅だ。徽子と博雅は互いに憎からず思っているが、身分の違い(徽子のほうが偉い)からそれを言い出せずにいる。
博雅は、学生ながら優秀な清明に怪異現象の解明を依頼。はじめ断る清明だが、結局引き受けて、博雅とともに徽子女王の館に泊りこみ、金の龍を退治する(結局それは徽子女王が博雅を呼び寄せたいがために無意識に引き起こした怪異現象だった)。
そのうち今度は得業生の一人「橘泰家」(村上紅郎)が夜中に井戸で転落死し、邸内から呪符が見つかる。義輔は犯人を突き止めた者を泰家の後任の得業生に任命すると宣言し、学生たちは犯人探しに血眼になる。けれども、死体を検案した清明は、泰家が喉の渇きを催す蟲毒を盛られて井戸まで誘導され、そこで突き落とされたのだと推理する。
学生たちの筆跡を調べ上げた学生「平郡貞文」(安藤政信)が、呪符の筆跡と清明の筆跡が一致すると指弾する。清明は取り押さえられるが、そこへ博雅が「徽子女王がさらわれた!」と駆け込み――といったストーリー。
清明は凛々しいし、博雅は純情だし、徽子は可憐だ。平安時代の雅な貴族社会の裏側に過酷な階級制度があったことがよく理解できるし、平安京の町並みもオープン・セットとCGを組み合わせて巧みに再現されている。
ただ、描写は説明調で平板だ。また、呪(しゅ)のほとんどは科学的に説明がつくとしてそちらからアプローチしていくのかと思えば、途中で超能力バトルのような様相を呈し、最後はそれらはすべて脳内で起きていたことだとするまさかの「夢オチ」。肩透かし感が否めない。呪術だけでなく格闘技にも秀でている清明は、ちょっとスーパーマンすぎる。
ちなみに陰陽師は過去の存在ではないという。今でも四国あたりには陰陽師の村が存在するとか。
反省:事前に少しは調べないと
私だけかもですが、予備知識なしに見て
変なところが気になって置いていかれるパターン多いです
主役、染谷君?て思うくらい彼が良かった
龍のCG( 今はVFXかぁ)凄いなぁって思ってたら
エンドロールで白組じゃんって
なるほど
ただ、ツルツルの舞台みたいなところの花は違うだろーって
花に目がいってセリフ聞き逃してしまった
いいシーンだったのにw
ストーリーは楽しめた、ちょっと難しかったけど
意識の中でって言う概念には置いてきぼりになってしまったなぁ
今でもわかるようなわからないような
あの中で自分を保てる人が
心が強いって事なんかなぁ
正気でない演技をしたあの三人はいい感じでした
褒めてるんですけど、虹郎君の死体はすごく良かった
美麗映像による平安ファンタジー
原作は読んでおらず本作を鑑賞しました。
冒頭の津田健次郎によるナレーションからの導入は、実に物語に引き込む力があり、ワクワク感がありました。
陰陽師というだけで、ちょっとおどろおどろしい感じなのかなとの先入観がありましたが
(野村萬斎主演で中井貴一がラスボスだった映画は観た記憶があります)
陰陽寮で起きた事件とよしこ女王の身に起きる不思議な出来事を軸とした
ミステリー×ファンタジーでした。
なので、多くの方々に楽しんでもらえるエンターテインメント映画になっています。
山﨑賢人による晴明の流麗なアクションは、キングダムともゴールデンカムイとも異なっており、
呪文を唱える姿と相まって、すごくかっこいいと思いますし、そこが見どころといっても過言ではありません。
特に走りながら馬に乗るシーンが秀逸で、さすが山﨑賢人だ!と思いました。
また、相棒的なポジションの染谷将太による博雅も、所作や佇まいが上品且つ出番も多いので、
もうひとりの主人公ですね。
そして、奈緒によるよしこ女王のなんとも妖艶な雰囲気も必見です。
脇を固める役者陣もすごいです。
小林薫、北村一輝、國村隼、みなさん実に素晴らしい演技でした。
吹越満がチョイ役で出演しているのも面白く、また、なんて贅沢なんだ!と思いました(笑)
というわけで、ほぼ役者陣の素晴らしさで成り立っている映画ではないかと。
VFXも目を奪われる出来で、美しかったです。
セットもほぼCGとの組み合わせなのでしょうが、実にうまく舞台をつくりあげていたと感じます。
観客も多かったです。
プロモーションが奏功しているのだろうと思いますが、しっかり期待に応える作品に仕上がっていて、
また、続編もつくれそうにしているところが抜け目ないなと思いました(笑)
鑑賞後感も良く、多くの方に満足いただける作品になっていましたね。
しっくりこない
シリーズ初心者でも問題ないが、言葉が聞き取れないシーンが多いので専門用語の予習は必須
2024.4.19 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(113分、G)
原案は夢枕獏の『陰陽師』シリーズ
陰陽師として名高い安倍晴明と雅楽家・源博雅との出会いを描くファンタジーアクション映画
監督&脚本は佐藤嗣麻子
物語の舞台は西暦948年の日本・平城京
当時の日本は帝(板垣李光人)を中心とした政治が行われていて、政治は陰陽師と呼ばれる人々の占いによって執り仕切られていた
帝直属の陰陽師は空席で、その地位を目指して、陰陽寮にて学生(がくしょう)たちが切磋琢磨し、得業生と呼ばれる地位を目指していた
陰陽師の頭は藤原義輔(小林薫)で、陰陽博士の賀茂忠行(國村隼)、天文博士の惟宗是邦(北村一輝)、暦博士の葛木茂(嶋田久作)などが学生の指導にあたっていた
その中でも「狐に育てられた」と噂される安倍晴明(山﨑賢人)は、賀茂が身元引受人として陰陽寮に入ることが許されていて、その存在を疎ましく思う者は多かった
ある日、得業生の橘泰家(村上虹郎)が殺されるという事件が起こり、惟宗は学生たちに「犯人を見つければ、次の得業生になれる」と言い、試験を行うと告げた
晴明は、元から得業生どころか、陰陽師になることにすら興味がなく、授業をサボっては、書庫に入り浸っていた
だが、「命令」は絶対とのことで晴明も試験に参加することになった
晴明の名を轟かせたのは、徽子女王(奈緒)の件にて、中務大輔の源博雅(染谷将太)に助力したことがきっかけで、彼女は夜な夜な鳴り響く琴に悩まされていた
晴明は博雅の依頼を引き受け、その原因を取り除き、それによって、琴の音は鳴り止む
これが帝の耳に入り、また、次の得業生として賀茂が推薦したことが陰陽寮に良からぬ風を吹かせる原因になっていた
物語は、一連の陰陽師シリーズの前日譚という内容で、本編は晴明と博雅のコンビが難事件を解決するシリーズものとなっている
いわゆるバディ系推理ものになっていて、本作はそれに付加して、呪術が凄まじいCGで描かれる内容となっている
晴明には特別な能力が秘められていて、今回の一連の事件の首謀者を突き止めるに至るのだが、その黒幕との戦いにおいて、彼の能力が発揮される、という流れになっていた
この晴明の活躍と同時進行するのが博雅と徽子女王の恋バナであり、幼少期に伊勢神宮に遣わされて以来孤独だった徽子女王は、それ以来ずっと博雅に恋焦がれていた
だが、博雅は帝の恋文を持参し、それによって徽子の内なる魂が暴走し、一連の首謀者が仕掛けた「呪(しゅ)」が発動してしまう
彼らは深層心理の世界に誘われ、そこでそれぞれのトラウマと向き合うようになっていて、晴明の場合は「両親を殺した犯人」と対峙するという流れになっている
世界な深層心理の世界で繋がっていて、それによって博雅と徽子女王の繋がりも確認され、そして徽子女王のある決断と、博雅の覚悟というものを呼び起こすことになったのである
いずれにせよ、シリーズのファンが納得するのかはわからないが、未読鑑賞者としては、そこまで悪くない出来に思えた
ファンタジーアクションというよりは、ほとんどラブロマンス映画のノリになっていて、晴明と博雅の馴れ初めとしては合格点なのだと思う
薄い本が出そうな関係性であるものの、そのテイストが原作からあるからなのか、監督の趣味なのかはわからないが、そっち方面のファンと原作ファンが喧嘩しないかは気になるところかもしれない
映画館で観る分にはCG技術の凄さを体感できるので良いのだが、いかんせん「何を言っているのかわからない映画」なので、ある程度「陰陽師で使われる言葉」ぐらいは予習しておいた方が良いかもしれません
パンフレットには解説があるが、物凄く字が細かいので、拡大鏡のお世話になる人が多いだろう
ラストに印字されているエンドロールはさらに細かすぎて字が潰れていて読めないので、何かを確認したい人はスクリーンをガン見することをおすすめいたします
陰陽師の世界観
やっぱ野村萬斎だな〜
野村萬斎
のイメージしかない安倍晴明。
初めからわかっていたことだが、山﨑賢人では完全に役不足。
纏っているオーラが違いすぎる。
リセットして新シリーズを始めるためのプロローグと割り切ろうとしても仕切れない、
あまりにも大きすぎる差に何度も吐息が漏れた。
取り巻くキャストにも同様の感があり、全体のトーンが軽薄で深みがない。
と昔を懐かしんでばかりいるとじじいの妄言でしかないのこの辺で…。
ストーリーの流れとしてはプロローグとしては悪くないと感じた。
だが、あくまでもプロローグとしてなので、当然予定しているであろう続編次第かな。
個人的に映画館に足を運ぶかは微妙だけれど。
何度も書いているけれど、山﨑賢人は繊細さを演じ切れる稀有な若手だと思っている。
こういう感じの作品ばかりなのは残念。
良い意味で予告を裏切る映画。
予告の派手な映像を見て興味を持ったので初日に鑑賞。
序盤は心理トリックを使って貴族を騙したり、事件現場や遺体を調べたりと現実的な手段で捜査して呪術要素は薄くて予告に騙されたかなと思ってた。
ただ後半からは呪術要素が本格的に出てきて予告にあった派手な映像もちゃんと出てきて最後には本当の呪術で真犯人かつ両親の仇討つ展開が最高で本当に良い意味で予告編を裏切る映画だったな。
主役の晴明が普段はひょうひょうとしながら恩師にちゃんと恩義を感じてたり、友達にお礼を言い、仇に怒りを露にしたりと随所に人間らしさが出てて気付けば好きになってて演者の山﨑賢人もぴったりだったね。
最後に下手に続編を匂わせずすんなりED主題歌に行くラストも大変良いので見て損は無し。
最後の種明かしさえなければ。
全体的に面白い。
和風マトリックス感を感じて。
話のラスボスは序盤に分かってしまうけど、
許容はできる。
爽快感あり、綺麗に終わると思いきや、
最後の方でラスボスによる種明かしが始まる。
これ、大変寒い。
変な家とかカイジ3とかもそうですが、
トリック説明しだすのは大変興醒めします。
あれ、本当無しでお願いします。
闇が闇であった時代の想像力
怖いモノを想像する人にとって〝妖怪や幽霊の存在〟が真実であるように、想いびと(大好きな人)がいる人にとって、恋心が生み出す想像の世界もまた真実。
そんなことを思いながら、百人一首の恋の歌などを思い出すと、寝れない夜になかなか会えない相手を思う当時の人たちの切実さと豊かな想像力やイメージ力に、尚のことため息が出ます。
瀬を早み 岩にせかるる 瀧川の
われてもすえに あはむとぞ思ふ
今の世にまで残る名歌だから、風流というか上品というかだけど、あの時代にいったいどれだけの人がどれだけの情念を想像力に委ねたのか。
きっと、夜がちゃんと夜だった時代、人間が闇を闇としてちゃんと畏怖していた時代、たくさんのモノたちが本当に見えていたのだと思います。
そういう時代に自分も迷い込んだのだとしたら…
古代エジプトや高松塚古墳などの遺跡でも、当時の色を再現した復原画などを見ると結構明るい色が使われていたりするわけで、極彩色の花園なんかも、意外と平安貴族にとってはそれほどかけ離れた想像ではないのかもしれないですね。
山崎賢人だらけだな
VFX盛りだくさん。
ちょっとイマイチなVFXもありましたが、日本映画にしてはかなり良いほう。
ハリウッドや韓国映画とは比べない事が重要。でもゴジラ頑張ったし、、、日本映画も何とか頑張って欲しい。
ストーリーも良かったし。山崎賢人はかっこいい。
安倍晴明なのに?あんなにアクションあるし、あの長い指で印を結ぶところを見ると、山崎賢人じゃないとって事なのかな?って思った。
覚醒するみたいな演出も良かった。
奈緒は好きだし良かったけど、ストーリー上は20歳前位じゃないと、歳が離れた、、、とか、禁断という感じがイマイチ。
ただ、、、シリーズ映画、山崎賢人だらけですね。
キングダム
ゴールデンカムイ
陰陽師
って、今後もコンスタントに続編作れるのかね。
他にも良い役者は沢山いるし。
虹郎を簡単に殺すな(笑)
内容がないですね。
新たな呪術で解き放て陰陽道(シリーズ化)
山﨑賢人今年2本目の主演映画。
『キングダム』『ゴールデンカムイ』とシリーズ化のヒット作続くが、本作も。
映像化は数知れず。最も有名なのは野村萬斎が扮しヒットした映画2作。
原作者・夢枕獏監修の下、オリジナルストーリーで描かれる“若き日”。
陰陽師・安倍晴明!
かつての陰陽師ブームももう20年以上も前。
今の令和の若者に平安宮廷の役職や陰陽道の専門的な用語など馴染み難いだろうが、陰陽師の学校=“陰陽寮”があって、エリートである“得業生”になるべく日々の学びや学生たちがいて…と、和の『ハリポタ』だと思えばいいし、話自体もシンプル。
一人の得業生が死亡。呪いか、殺されたか…? 異端児の学生・晴明はひょんな事から知り合った貴族の源博雅と事件を調べる。都や陰陽道を揺るがす陰謀と脅威が…。
平安時代と陰陽師の世界の和のファンタジーであり、謎を解き明かしていくバディ・ミステリー。
人嫌いの晴明と人好きの博雅。凸凹コンビはホームズ&ワトソン始めバディの鉄板設定。
陰陽師としての才能は随一。が、ドライな性格、人嫌い、出世欲ナシ。それどころか陰陽師にすらなる気もない。
おいおい、アンタが陰陽師にならなかったら話が続かないよ! びっくり設定の若き晴明。オリジナル設定だからこそ自由にキャラを創造させる事が出来た。
少々性格に難ありだが、常に冷静沈着。頭も切れる。
ミステリアスで、立ち振舞い、身のこなしも華麗。終盤、髪が解れた姿は同性から見ても色気だだ漏れ!
いつもの熱血キャラではない山﨑賢人の新たな魅力。
染谷将太、奈緒、村上虹郎、板垣李光人、安藤政信、國村隼、北村一輝、小林薫ら若手~実力派~ベテランの豪華顔触れが妖しの世界を彩る。
呪術ファンタジー、アクション、バディ・ミステリー、男二人の友情、身分違いの恋…エンタメ要素をたっぷり詰め込んだ佐藤嗣麻子の手腕。繊細なドラマが多い女性監督の中で稀有な、男性監督ばりのエンタメ派。
美術や衣装はさすがの絢爛さ。花舞うシーンなど映像も目を見張る美しさあり。
まるで舞いのようなアクション。呪術の数々。
それらをVFXを駆使して。『ゴジラ -1.0』で米アカデミー視覚効果賞を受賞した白組が担当。火竜が登場するシーンは圧巻のスペクタクル。(でもこのシーン、予告編で見せちゃったのは惜しい…)
奇々怪々と美。陰陽師ならではの呪術エンタメ・ワールド。
ここから、難点・不満点。
開幕のナレーションで一通り説明した後、千年前の言葉ではなく現代の言葉でお送りする。
あ、これ、漫画なんだ…と少々萎えた。今Disney+で見ている『SHOGUN/将軍』はハリウッドと日本の予算云々ではなく言葉や所作など細部に至るまでリアリティーに拘った本気の作りと程遠い。
山﨑賢人は魅力ある。役者陣も熱演。が、染谷将太がちとオーバー演技でこんなに演技ビミョーだったっけ…? コメディリリーフだからか…?
一連の事件の犯人。最初は安藤政信かとミスリードさせて(でも役柄的に小物だった)、思わぬ黒幕が。晴明以外誰もが地位に拘る。何となく察し付く。
ストーリーや真相。ストーリーは謎解きと巨大陰謀と大きな仕掛けあり飽きさせないが、真相はちとあっさり。己の欲が動機であり、ベタだけど都滅びの危機のようなスケールとハラハラには乏しい。
博雅と徽子女王のラブストーリーは若者客寄せの蛇足だったような…。
後、主題歌合ってなかった…。
拙さも目立ったが、秀でたものもあった。
地位、権力、名声に躍起になる一部のエリートたち。今の政治家どもと変わりない。
ヘビ、クモ、サソリ、毒を持った生き物を一つの壺に入れ、最強の毒=蠱毒を作る。あるシーンで殺し合う3人の陰陽学生。欲が毒、殺し合う3人が毒生物の印象的な対比。
彼らを操る人物の呪術の舞い。
晴明が夢の中で両親を殺した人物と対するシークエンス。
友情育み、酒を飲み交う晴明と博雅。友情以上のブロマンス的な匂い漂い、その終幕も余韻残って良し。
つまらなくはなかった。
が、極上ではなく、山﨑エンタメとしても『キングダム』『ゴールデンカムイ』よりちと見劣り。
後こんな事言っちゃうと元も子もないが、せっかくの『陰陽師』の映画の新作、出来れば野村萬斎で見たかった…。
いや勿論新しい『陰陽師』を作ろうとしたスタッフ/キャストの意欲は伝わってくるが、オスカーを受賞した滝田監督と貫禄増した野村萬斎のコンビで『陰陽師』の新作を…。
こういうのは出来ないのかな…?
現在と過去を脅かす強大な敵。最難度の術を使い、現在の晴明=野村萬斎と過去の晴明=山﨑賢人が時空を越えて共闘する。
題して、『陰陽師 ∞(クロスオーバー)』!
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