風よ あらしよ 劇場版のレビュー・感想・評価
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命を懸けて、自由を求める。あふれんばかりの情熱をただ一つの武器にし...
命を懸けて、自由を求める。あふれんばかりの情熱をただ一つの武器にして。
伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。
吉高由里子が演じる地味なルックスで力強い信念の野枝。
永山瑛太が演じる大杉栄と出会う。
揺るぎない志しの2人。
第三話は強烈で『福田村事件』(2023)と重なる。音尾琢真も良い演技。
100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト・辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い…。
自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。
吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。
あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。
※青鞜社(せいとうしゃ)は、1911年に平塚らいてうらが中心となって設立した、明治末期から大正初期にかけての女性文芸団体・フェミニスト団体。月刊雑誌『青鞜』を発行し、女性解放運動や文学思想の啓蒙に尽力し、創刊号に掲載された「元始、女性は太陽であった」という言葉は有名で、「新しい女」として注目を集めたが、1916年に財政難のため解散した。
100年たった現在、在日外国人に対する差別はないかも知れないが、コロナ禍で近い現象が起きていたのではないか。100年間で少しは進化したのだろうか?
人権
それを百年前に主張していた人
昨年が関東大震災百周年という事は、そのドサクサの最中に虐殺された伊藤野枝と大杉栄の百回忌でもあったのです。恐らく、その区切りを意識して作られたのであろうNHK制作の劇場ドラマです。
伊藤野枝の激動の人生を2時間にまとめるには駆け足にならざるを得ず、大杉栄を中心としたドロドロ恋愛劇は抑制気味でしたが、よくまとまっていました。そして、今更こんな事言うのも失礼ですが、吉高由里子さんはやっぱり上手いなぁ。それ故に、今年の大河ドラマに起用されたのだろうし、その宣伝を意識して本作の主役にも抜擢されたのでしょう。
いや、それにしても百年前に女性の権利をあれだけ先鋭的な形で主張をしていたのは驚きだなぁ。彼女の論文を読んでみよう。
吉高由里子は吉高由里子だと思う
NHKドラマの劇場版ということで、正直、気が進まなかったのですが、
吉高由里子主演なので観ました!
吉高由里子が好きだからよいのですが、
吉高由里子は何をやっても吉高由里子だな・・・と感じます。
本作も吉高由里子は熱演していますし、難しい役どころだったと思いますが、
やってのけた感があります。
特にラスト近くの予告編でも使用されていた「犬っ、犬っ!!」というセリフの発声が
実に迫力があり素晴らしかったです。
史実とは言え、登場する男性がほぼクズというのも笑えました。
稲垣吾郎が良い人の役なはずがない!という先入観で見ていましたが、やはり(笑)という感じでしたね。
人が良さそうな男性は、玉置玲央演じる村木源次郎と石橋蓮司演じる渡辺政太郎でした。
このふたりに救われた映画でもあったと思います。
吉高由里子の主演作が楽しみですが、今の大河ドラマ後でしょうね。
伊藤野枝のドキュメンタリー
伊藤野枝のドキュメンタリー
1895年(明治28年)1月21日-1923年(大正12年)9月16日)28歳没
旧糸島郡今宿村、今の福岡県福岡市西区今宿 生まれ
序説
関東大震災後の混乱のさなか、ひとりの女性が憲兵に虐殺された。
女性解放運動家の伊藤野枝。貧しい家で育った野枝は、平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」という言葉に感銘を受け、結婚をせず上京。自由を渇望し、「青鞜社」に参加すると、結婚制度や社会道徳に異議を申し立てていく。
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「女は、家にあっては父に従い、嫁しては夫に従い、夫が死んだあとは子に従う」事が正しく美しいとされた大正時代。
男尊女卑の風潮が色濃い世の中に反旗を翻し、喝采した女性たちは社会に異を唱え始めた。
福岡の片田舎で育った伊藤野枝は、貧しい家を支えるための結婚を蹴り上京。
平塚らいてうの言葉に感銘を受け手紙を送ったところ、青鞜社に入ることに。
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青鞜社は当初、詩歌が中心の女流文学集団であったが、やがて伊藤野枝が中心になり婦人解放を唱える闘う集団となっていく。
野枝の文才を見出した第一の夫、辻潤との別れ、生涯のパートナーとなる無政府主義の大杉栄との出会い、
波乱万丈の人生をさらに開花させようとした矢先に関東大震災が起こり、理不尽な暴力が彼女を襲うこととなる。
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登場人物は以下の通り
伊藤野枝(吉高由里子)
1895年(明治28年)1月21日-1923年(大正12年)9月16日)28歳没
大杉栄(永山瑛太)
1885年(明治18年)1月17日-1923年(大正12年9月16日)36歳没
平塚らいてう(松下奈緒)
1886年(明治19年)2月10日-1971年(昭和46年)5月24日)
辻潤(稲垣吾郎)
1884年〈明治17年)10月4日-1944年〈昭和19年〉11月24日)
神近市子(美波)
堀保子(山田真歩)
甘粕正彦(音尾琢真)
渡辺政太郎(石橋蓮司)
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集英社文庫「風よ あらしよ」下 終章 終わらない夏 364頁-369頁 より引用します。
関東大震災 麹町の東京憲兵隊本部に連行された野枝。甘粕正彦大尉との面会
野枝「だから、いったい何の話です」
甘粕「愚民どもが混乱すればするだけ、貴様ら主義者にとっては好都合ってわけだ。おい、お前だってどうせ、この国が早く滅びてしまえばいいと思ってるんだろう、ええ?この淫売の国賊め」
思わず失笑が漏れた。
「失礼ですけど、それは見解の相違でしようね。
「生意気な口をきくんじゃない。お前が爆弾を用意しているという報告も上がってきてるんだぞ」
「私がですか? 爆弾を、まあ怖い」
「やかましい!俺を、いや、国家を愚弄する気か!」
野枝はため息をついて「愚弄しているのはあなたのほうでしょう」
「なんだと?」
「愚かしいといったらないわ。私たちをどこまでも厳しく取り締まって、涙どころか血の小便も出ないくらい絞り上げて、捕まえればろくに取り調べもせずに粛清する。そうすることで民衆に、逆らえばこうなるんだっていう恐怖を植え付けて何も言えなくさせているんだわ。ねえ、あなたがた、批判されるのがそんなに怖いの?きっとそうなんでしょうね。」
「見たところ、周りに置くのは絶対に盾突くことのない人間が、いざという時に二つ返事で動いてくれる脳みそのない兵隊ばかりのようだし」
「貴様・・・よくもべらべらと」
「ええ、この際ですから言わせてもらいますとも。私は黙らないわ、あなたの部下じゃないんですから、従う義理なんかありませんからね。とにかくはっきりしていることは、あなたちは民衆の幸福なんか少しも考えていないってことよ。考えるのは、どうしたら自分たちの地位が脅かされずに済むか、どうしたら今より出世して弱い者から搾取できるかってことばかり。そうでしょう?」
甘粕が、冬眠しはぐれた熊のように低く唸る。間近に見ると、眼球の白目の部分が真っ赤に染まっている。
「口のきき方に気をつけろよ。女だからといって、特別扱いはせんぞ」
「望むところですとも」
一歩も引くまいと甘粕を睨み上げる。丸っこい鼻孔がひくひくと動き、こめかみに憎々しげな青筋が立つのを見て」、ザマアミロと思った。
「いいから大杉を返してください」
甘粕は答えない。
「家で子供たちが待っているんです。生まれてすぐの赤ん坊もね。あなたがたの知りたいことなんか私たちは何も知らないし、今は何ひとつ企てていません。とにかく、早く家に帰らせて」
「貴様らにのような頭のいかれた連中を、はいそうですかと野に放つほど、この俺がお人よしに見えるのか」
野枝、再び長いため息ついた。お話にならない。
「あなたなんかと議論したくないわ」
「議論?」甘粕が嘲り笑う。「女のくせに、俺と議論だと?これだから主義者は」
「関係ないでしょう」
「無政府主義は、建国のおおもとを揺るがす国家反逆思想である!」
甘粕は声を張り上げた。大杉がいつも言うところの「お題目」だ。思わず笑ってしまいそうになる。
「貴様らが今、この非常時につけこんで、国家の転覆を謀ろうとしているのは分かっておるんだ。そうはさせさせるか。」
「ですからそれは、何らかの誤解か悪意あるでっち上げです。だいたい、あなたのいうことは矛盾してますよ。ほんとうに私たちがこんな国なんかどうなろうと構わないと思っていたら、自分の命を危険にさらしてまで運動をつづけようとするはずがないじゃありませんか。そうでしょ?まったく 馬鹿も休み休み言ってくださいな」
「なにを?」
「考えてますとも。天下国家じゃあなく、民草一人ひとりのことを。私たちはちゃんと自分の頭を使って考えているんです。ええ、あなたがた「犬」」と違ってね」
顔の左側が爆ぜた。
椅子からころげ落ち、うつぶせに床に倒れ込んで初めて、頬を張られたのだと気づく。
「な・・・・」
何をするのだと言うより先に、髪をわしづかみにされた。
「犬、と言ったか?」
ぐいと引き起こされ、悲鳴を上げたとたん、床に思いきり顔面を打ちつけられる。強烈な痛みだ。
「もういっぺん言ってみろ。誰が犬だと?貴様か?」
引き起こされ、再び打ち付けられる。
「そうだろうな 這いつくばって床を舐めるのが好きなようだし」
三度の衝撃。鼻骨の砕ける感触を耳が聞く。
どこかで子どもの泣き叫ぶ声がする。いや、風だろうか。自分の呻き声が邪魔で耳を澄ますこともできない
後頭部を掴んでいる手が、ようやく緩んで離れていった。立ち上がる気配がする。
脈打つ痛みに意識は遠のく。必死にこらえて、まぶたをこじ開ける。細かくかすんだ視界、顔のすぐ近くに甘粕の革靴がある。その靴のかかとにべっとりと、自分のものではない血液が付着しているのを見て、野枝は覚った。
全身から力が抜け落ちる。
最後に見た、あの澄んだ目・・・彼の、眼。
革靴の向こう側、床板の彼方でドアが開き、部下が一人入ってくるのがぼんやり見える。振動が耳に響く、這ってでも逃げたいのに身体が動かない。いつのまにか子供のなき声も止んでいる。
(ああ、宗坊)
それだけは信じたくない、いjくら憲兵でもあんなに小さな子どもまで手にかけるはずが・・・
近づいてきた靴が、すぐそばで止まった。蹴り転がすようにして仰向けにされると、天井からぶら下がる明かりが目に突き刺さる。太陽のような丸い明りの中に、黒い頭が二つ。涙と血と逆光で、顔は見えない。
「合いたいかね 旦那に」
甘粕の声が降ってきた。
「合わせてやろう」
脇腹に靴先が食い込み、野枝は身をよじった。別の靴が顔を蹴る。胸を、腹を踏みつづける。何度も、繰り返し。
湶が折れ、内臓のどれかに刺さる。
ああ、死ぬのだ。
張り詰めた乳房を踏みにじられたとたん、熱いものがほとばしり、服を」内側から濡らした。腕を掴んで引き起こされ、、背後からは太い腕が首に巻きつく。もがきながら鼻からわずかに吸い込む息に、血と乳の匂いが入り混じる。
締まってゆく、頭がぱんぱんに膨れあがる。だめだ。破裂する。
暗転前の一瞬・・・子らの顔が浮かんだ。
一本気な女性の生涯
NHKBSで放映されるときから気になっていたが、テレビで見るには重すぎる感じがして見そびれていた。今回劇場公開されてじっくり観たが、スクリーンで観るだけの風格のある作品となっている。
とにかく主人公伊藤野枝の一本気さ、純粋さに目をみはる。当時の男尊女卑の社会の中で、自らの思いを貫き通したことが、いかに凄いことか。結末を知っているだけに、ハラハラしながら観てしまう。
「恋多き女」のイメージで語られてきた彼女だが、史実は別にして、それぞれの決断が必然であったように描かれている。ちなみに、辻潤の尺八好き、大杉栄の吃音は史実どおりのようだ。
彼女の最期は、はっきりとは描かれないが、「福田村事件」といい、関東大震災から100年というこの時期に思い起こすべきもの。それにしても、甘粕大尉がこの後、満州国のフィクサーになるのだから、おそろしいものだ。
俳優陣は、脇役も含めてNHKの大河や朝ドラでお馴染みの面々。吉高由里子は、以前は舌足らずな話し方が気になっていたが、すっかり女優としての凄みや貫禄が出てきた。
吉田喜重の「エロス+虐殺」もどこかで観られないだろうか。
元がドラマだったのか
関東大震災直後の騒乱時に起きた甘粕事件のことを映画化
女性解放活動家であった伊藤野枝の生涯を描いた映画。野枝は関東大震災後の騒乱のなか女性の権利について世間に異議を唱え続けたひと。
ところが野枝は関東大震災後の騒乱で巻き起こった朝鮮人による日本人の虐殺と言うデマを流布したと憲兵隊から疑われ、夫婦と6歳の甥が虐殺され井戸に遺棄された。
この事件は満州国建国に影響を与え終戦と共に服毒自殺した甘粕正彦による命令によるものとされ、甘粕事件と言われています。
この映画を観たのは昨年公開され話題となった、福田村事件と時代背景が同じだと感じたからです。
とても重い内容ですが、伊藤野枝やその内縁の夫である大杉栄が女性の権利のために権力に抗ったと言う事を初めて知りました。
あまりに贅沢な伊藤野枝入門
伝記映画が好きです。
主人公のことをよく知っている場合もあるし、ほとんど知らない場合もあります。
フィクションの度合いが強いものもあるし、裏付けに基く事実をなるべく忠実に映像化するものもあります。
さて私は、伊藤野枝さんのことをよく知りませんでした。乱暴に言うと「恋愛体質の左翼活動家」だったんですね。この方、途轍もなくドラマチックな人生を送った方なので、2時間程度の映画では到底尺が足りない!ストーリーを駆け足でなぞる様な構成なので、フィクション性はあまり強くないと思います。
伊藤野枝のドラマチックな人生を存分に堪能するには本作だけでは物足りない気がしますが、ダイジェスト映画というにはあまりに上質!
本作をきっかけに、これから活字媒体などで伊藤野枝さんのこと、もっと深掘りしていきたいと思いましたよ。
真っ直ぐ
混乱の時代、知らない事ばかり
なんとも感情移入が難しかった。
滑舌よくなった吉高ちゃん
良くも悪くもNHKの朝ドラ総集編みたいな、そして思想云々よりも恋愛...
良くも悪くもNHKの朝ドラ総集編みたいな、そして思想云々よりも恋愛遍歴に重きを置いてるような...伊藤繋がりで以前見た伊藤千代子さんの映画に似ている(共産主義だけど) もう少し無政府主義とは?に踏み込んで欲しかったな 歴史で習うのは発足ばかりで青鞜があんな残念なことになっていたなんて初めて知ったのでそこは良かったけど、吉高由里子の演技が随分と大袈裟に感じられて感銘が半減してしまった しかし新しい女性だとか何だかんだ言って良き理解者である伴侶を得るのがやっぱりベストってことかい!?な気がした
百年前と今。
今の時代に必要な映画
男女同権思想の映画として見る分には及第点だが、わかりにくい部分も。
今年61本目(合計1,153本目/今月(2024年2月度)14本目)。
(ひとつ前の作品「夜明けのすべて」、次の作品「身代わり忠臣蔵」)
もともとHNKのドラマ等で放映されていたものの劇場版であるので、いわゆる「NHKクオリティ」は担保されており、この意味で映画のストーリーについてわかりにくいとか、配慮に欠く点はあまり見られません。
大手の映画館で見てきたのですが、男女同権思想に関する映画が放映された意義は非常に大きいものと思います。どうしてもミニシアター中心となりがちなこの手の映画が大手で放映された意義は大きいと思います。
一方で、この映画を見ているとわかりにくい点や、明確に配慮を欠く点もあり、法律系資格持ちはそこが気になったところです。ただ、この点は「そういう考え方もあるか」程度で大きくは引いていません。有料パンフには載っているのかもしれませんが、私なりに知っているところ書いておきます(これから見る方への参考用)。
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(減点0.3/甘粕事件に対する配慮が足りない)
この事件は、関東大震災において発生した事件で実際に警察権力が軍法会議にかけられた「ほぼ唯一の例」ですが、描き方に配慮が欲しかったです(後述)。
(減点0.2/「検束」についての記述が難しい)
この点は、帝国憲法時代の行政法の考え方で行われていたものですが、現在は「姿をかえて残っている部分もある」もので、何らか説明字幕が欲しかったです。
(減点なし/参考/この映画の海外進出について)
この映画はその趣旨上、帝国憲法時代の憲法・行政法の事項がかなり出ますので(「検束」が代表例)、これらのことを海外で把握するのは結構難しいんじゃないかと思います(日本の行政法はドイツからもたらされたものです)。
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(減点なし/参考/甘粕事件について)
関東大震災においては、「福田村事件」で描かれるように、官民とわず混乱が生じ、いろいろな理不尽な事件が起きましたが、その中でも「警察権力が起こした事件」については、ほぼ全てが「混乱状態にある仕方のないことである」ということで何ら責任を問われていません(亀戸事件など)。
ただこの事件は実際に軍法会議にかけられた「唯一の例」であり、同じ時期に起きた官民とわないこうした事件において、この事件の当事者「だけ」が軍法会議にかけられたというのはやや平等性原則をかくと同時に、当時はこの通り軍法会議でしたが、軍法会議は1審制でした(大審院(今の最高裁)への控訴は原則できなかった)。またこの軍法会議裁判は非公開であり、真に公平公正な裁判が行われていたのかというと微妙な部分があります。
(減点なし/参考/「検束」とは何か) ※海外において理解がしがたい
当時も警察権力が「酔っ払い」や「病人」を一時保護することは認められていましたが(保護検束)、一方で「思想上危険と思われる人を勝手に検束する」(予防検束)があり、後者が特に思想弾圧で濫用された(法律上、1日で釈放しなければならなかったが、保護する警察署を変えることで日数をいくらでも伸ばせる欠陥法だった)事情があります。
なお、現在の日本においては、「保護」として「酔っ払いや病人を一時保護する制度」は残っています(現在の日本国憲法の制定に伴い、人権侵害以外の何物でもない予防検束は廃止されました)。
(減点なし/参考/第一の「事件」の犯人について)
この人物は逮捕され刑に処されますが、その後、「売春防止法」の制定に尽力した人物です。
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