劇場公開日 2024年6月21日

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九十歳。何がめでたいのレビュー・感想・評価

全141件中、61~80件目を表示

4.5いい爺さんじゃなく面白い爺さん。よしそれで行こう!

2024年7月2日
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鑑賞方法:映画館

佐藤愛子氏の文章に初めて触れたのは随分昔の新聞のエッセイだったか人生相談だったか。その軽妙かつ一刀両断型の男気溢れる文体。でもどこかおっちょこちょいでついツッコみたくなる可愛さ。湿度の低い可愛らしさというのかな。これに一時期とてもハマって、こんな女友達いたら退屈しないな、でも彼女にしたらキツイか…など勝手な妄想を膨らましたものだ。同じく奔放かつ長生きのWet代表瀬戸内寂聴とは対極にある感じかな。
そして久々に再会したスクリーンで「この毒舌オバさんまだ生きとったんかい!」を一辺の違和感も無く体現する本当に90歳の草笛光子女史の熱演!その矍鑠とした姿に爆笑しつつ涙が溢れ、そして己の老後にも幾ばくかの希望を持つのであった。
それはそうと三谷幸喜、あんな喋り方できるんだな。演技力あってびっくり。

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あっきゃん

3.5『ミドルエイジクライシス』のおっさんの生き方、生き様も伝える物語

2024年7月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

6/30、1年の折り返し地点に毎年訪れる誕生日。新たなスタートの日に少し考えるいいきっかけになってくれた映画。人生100年時代、老後をどう生きるか?この物語は唐沢寿明さん演じる佐藤愛子さんの担当ど昭和おっさん編集者の物語のような気がした。『ミドルエイジクライシス』のおっさんの生き方、生き様も伝える物語

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masayoshi/uchida

3.5個人的な思いですが・・・

2024年7月1日
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単純

佐藤愛子さんが八十八歳で断筆宣言をしたのち、九十歳の時に書いたベストセラーエッセイ集を原作に、今年生誕九十歳を迎えた草笛光子さんの主演で映画化された本作。けっこう映画の口コミ評価が高いので、期待していたのだけれど、まあ、佐藤愛子さんの気っぷの良さと、九十歳で現役バリバリ草笛光子さんの生誕九十歳記念映画、っていう以外は、これといって何もない作品だった。ほんとに何もなかった、としか言い様がない。評価は★3.5かなあ。

せめて、大きな夕焼けでも見つめながら、晩年を生きる佐藤愛子さんの悲哀とか、郷愁とか、そういう人生の晩年に佇むような情景のひとつでもあれば、もっと深まった映画になっていたのではと思った。よけいなお世話かな(笑)。

私は45年ほどまえに、北海道の日高の修験寺院で半年ほど暮らしたことがある。M先生というそれはそれは痛快で同朋磊落な行者さんのお寺だった。その先生の霊能に魅せられたのか、豪放磊落ぶりの人柄に惚れたのか、日高の浦河町に別荘を持っていた佐藤さんは先生の信者さんだった。それで佐藤さんの(一部で有名だった幽霊)別荘にも2度ほどでかけて、お会いしたことがある。シャキシャキとして、淑女っていう感じの、気持ちのよい作家先生だった。

あれから半世紀が近く経ち、M先生もお隠れになり、お寺も今や廃寺となったのだが、いまなお矍鑠と元気に活躍されているという佐藤先生は、ほんと凄いなあと思うしかない。大したものである。そうそう、主役を張られた草笛さんも大したものだ・・・という感想でもある。これは、映画の評論ではないけどね(^^;)

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浅見探偵

4.0ほっこりした気持ちになる

2024年7月1日
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鑑賞方法:映画館

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楽しい

幸せ

書く才能のある人って尊敬する。そのトップにいるのが作家だよね。
佐藤愛子さんと草笛光子さん、雰囲気が似ていらっしゃるので、ぴったりの配役。
高級住宅街に娘と孫娘と三人暮らし。うらやましすぎる。作家って儲かるのかなぁ。
くすっと笑ってしまうところもあり(どういう場面かは失念した)、ほっこりするところもあり終始面白かった。
佐藤愛子さんがちょっと自虐的なんだけど、言葉に上品さと知的さがうかがえる。
近所に住んでいるお婆さんになんか似てるなぁなんて思いながら見ていた。近所の人も人生に対して諦めている感じ。「生きていても楽しいことなんてない。」というようなことを以前言われたことがある。今なら「作家の佐藤愛子みたいですね。」と思ってしまいそう。

母に勧めたい映画。ぜんぜん面白くなかったと言われそうだけどね。

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ぼっち

5.0面白かった。

2024年7月1日
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楽しい

内容が、わかりやすく面白かった。
いい作品です。

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いつも6

4.0鑑賞動機:予告8割、草笛さんがリアル90歳!?2割

2024年6月30日
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昔(ピアース・ブロスナンの頃)007を劇場で観た時に「観客の平均年齢高すぎ?!」と思ったが、その時の比ではなかった。
なんかもう佐藤先生と草笛さんがカッコ良すぎる。毒舌でもチャーミングさを失わないのが素敵。
ああ、あれはそこに繋がるのか。

佐藤先生にとっては書くことが生きることなんだろうな。
ただおもしろおかしいコメディではなく、ちょっと我が身を振り返ってみてしまう。
そして『ルックバック』へ。

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なお

5.0泣いた

2024年6月30日
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泣ける

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楽しい

草笛さん、先輩とは思っていたけど、90歳とはあらためてびっくりして、そしていつまでも若くて綺麗で二度びっくり
悪人が出てこない誰でも観れる良作です。

エピソードも全て面白くて、佐藤さんのシーンでもいくつか泣けましたが、自分も娘を持っているせいだと思いますが、唐沢さん演じる吉川さんと
娘さんのやり取りのシーンで一番涙が出ました。今年観た映画で一番泣いたシーンでした
もっと自分も娘のことをよく見て、話を聴こうと反省した。
だめだ、犬のエピソードでも泣いた。動物と子供はだめだ。

だから洋ちゃんごめん。ディア・ファミリーは自分は泣くの確定なんで怖くて未だに観ていない。
うーんハンカチ持って覚悟を決めて観にいくか。

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映画野郎

3.5昭和の逆襲

2024年6月30日
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楽しい

単純

泥くさいけど、何かすごく真っ当な説教をされた気がする。

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satsuん

4.0笑えて、考えさせられて、グッとくる映画

2024年6月30日
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鑑賞方法:映画館

物価高騰、少子化、将来への不安
で誰もが明日への不安な気持ちを
抱えながら生きる昨今。

佐藤愛子さんのお言葉1つ1つが
きっと心に刺さると思います。

戦中、戦後をたくましく生き
今尚もたくましく生きる
彼女の人生には見習わなくては
ならない所が沢山有ります。

例え時代が変わって、
どんなに進化しようとも。

老若男女問わず、
楽しめる映画でした。

草笛光子さんの演技も素晴らしいし、
豪華な脇役がチョイ役で
出演してるのも楽しめました。

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NABEZO

4.0なんだか勇気が出る内容

2024年6月30日
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楽しい

幸せ

人生で大切なものは何か考えさせられました。コミカルタッチですが要所での台詞が含蓄がありまた実話を元にした映画である事もありスッと入ってきました。

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アントンダイナ

5.0芝犬ハチの哀愁漂う後ろ姿に涙溢れる

2024年6月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

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楽しい

2024年映画館鑑賞57作品目
6月29日(土)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円

監督は『そして、バトンは渡された』『老後の資金がありません!』『ロストケア』『水は海に向かって流れる』『大名倒産』の前田哲
脚本は『ダーリンは外国人』『漁港の肉子ちゃん』『水は海に向かって流れる』の大島里美

草笛光子生誕90年記念作品
現在100歳の作家佐藤愛子を演じる
異母兄には50年前73歳で亡くなった『りんごの唄』を作詞したことでも有名な詩人のサトウハチロー
映像で実在の人物を演じるのは90歳にして初めてだという草笛光子

木村多江は佐藤愛子の娘役ではない
娘役は「あきらめないで」真矢みき
予告編にも登場する木村多江はチョイ役かなと思ったら編集者吉川真也の妻役だった
チョイ役でも『テルマエ・ロマエ』のイカ八朗のように予告編にも堂々と出る俳優はいるが今回の木村多江は違った
離婚を決意し夫に会いたくないのでなかなか顔を出さなかった
リモートの画像はチワワ?だった

草笛光子の記念映画を祝って多数の俳優がチョイ役として登場する
妹の富田恵子は友人役で出演
三谷幸喜は少々剽悍なタクシー運転手
誰をモデルにしたのか清水ミチコの役作りの仕上がりぶりは笑える

声当てでもよく知られる宮野真守は今回顔出しで出演
吉川の異動先の上司で元直属の部下という誼で押し付けられた形という立場を好演
ますだおかだの岡田圭佑にちょっと似ている
基本的にイケメンだがあきらかに顎がしゃくれている
顔出しでもどんどん出演してほしい
アニメオタクは声優と俳優を区別したがる傾向が強く声優が顔出しで出演しているとそれを面白がるので残念でならない
あの人たちとは悉く思想が合わない

年賀葉書用に幼い孫と一緒にコスプレ写真を孫が本当に嫌がるまで毎年撮るエピソードは創作ではなく事実だということをエンドロールで知ることになる
最初はほのぼのとした感じだが後半はネタ切れしたのかエキセントリックになっていく
エンディングテーマはなぜか木村カエラ
作品にあってない気がするがまあいいだろう
もし佐藤愛子が木村カエラでいいというならこちら側としては文句のつけようがない

最初の方で出入り口のピケゲート?に頭をぶつけるシーンがあるが草笛光子のアドリブ?
衰えぶり演技なのかそのままなのかよくわからない
中谷美紀と土屋太鳳と共演した『僕らの時代』が素なら当然佐藤愛子役はリアルに演じているに違いない
ここにきてコメディーが増えた気がする草笛光子

娘や孫も協力してドッキリで死んだふりをする佐藤愛子
死ぬわけないじゃん
実在の佐藤愛子まだ生きてるんだから
これもおそらく実際に編集者に対してやったことなんだろう
こういうのが好きな作家なのだ
だから長生きするんだろうか

観客の反応がすこぶる良い
娯楽映画はこうでないといけない
あっという間の時間の99分でした
おすすめです

配役
90歳を迎え断筆宣言するも真也の度重なる説得でエッセイを書き始める直木賞作家の佐藤愛子に草笛光子
妻子に逃げられパワハラで人事異動になるも佐藤愛子にエッセイを依頼し連載をスタートさせる編集者の吉川真也に唐沢寿明
愛子の孫の杉山桃子に藤間爽子
web出版社に転職する若手編集者の水野秀一郎に片岡千之助
真也の娘でバレエが得意な吉川美優に中島瑠菜
真也の異動先の編集長の倉田拓也に宮野真守
運転中度々後部座席を振り向くタクシー運転手の一橋壮太郎に三谷幸喜
主婦の悩み相談を受けつけるラジオパーソナリティの海藤ヨシコに清水ミチコ
愛子の娘の杉山響子に真矢ミキ
真也に離婚届を突きつけた吉川麻里子に木村多江
TVの修理業者にオダギリジョー
愛子の行きつけの美容師にLiLiCo
総合病院の受付に石田ひかり
愛子の友人の喜代子に冨田恵子

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野川新栄

4.5おもしろかった! はちゃめちゃぶりもここまでとは思わなかった 唐沢...

2024年6月29日
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おもしろかった!

はちゃめちゃぶりもここまでとは思わなかった

唐沢寿明がいい味出してますね、

三谷幸喜もだけど、本人たちが楽しんでやってそう

草笛光子は本当に、

気力も体力もすごいですね

もっと若くても老衰とかでなくなる人、いますよね?

ご長寿のお祝いで少しだけ甘めに4.5

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jung

4.5ほっこり

2024年6月29日
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楽しい

幸せ

久しぶりに時間が空いたので映画でも観ようと、原作の存在も知らず予告編だけで何となく気になってた本作を選びました。
ハードで非現実的な内容よりそういう系を求めるようになったのは、私もすっかりオバさん、すっかり守りにはいった証拠?(先月体調を崩していなければ『クワイエット・プレイス』を選んでいた事でしょう)

とはいえ、歳をとっても常に好奇心を持ち続けていないとね。
外からの刺激を受けて、世の変化に嘆くもよし!
面白い老人になってやろうじゃありませんか🤭

小説も読みたくなりました。

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エルフの耳

4.0キャスティングが見事にハマってます

2024年6月29日
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楽しい

九十歳。何もめでたくないがこれまでの人生を生きてきた事がめでたいのでは?100歳を元気に迎えられて何よりです。これからも是非お元気でご活躍ください。
さて本編ですが微笑ましいエピソードを盛り込んで大正から令和を生き抜いた主人公を爽やかに描いた秀作。
高年齢の観客の笑い声が劇場に響いていました。

73

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タイガー力石

3.5年を積み重ねるのも悪くないですね

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

映画館告知であんまりやってなく原作も未読でスルーしようと思ってましたがテレビで結構取り上げてたので気になって見に行きましたー

劇場は高齢の方がほとんどでした

草笛光子さんホントに90歳なんですか!?
背筋がピンとして声も大きくてお元気凄いですなぁ🙌
唐沢寿明久しぶりに見た気がします
程よくダメな感じリアル感あって良かったです

ストーリーは起伏が少なかったですが
楽しんでみることができました!
子どもの声が騒いでるのは云々のくだりはまさにそうだなと
物事はシンプルに考えないとダメだなと改めて感じました

エッセイの中のエピソードはもっと欲しかったな〜そこら辺から面白く感じたので

ほっこり気分で見ることができたので良かったです!

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ゆうき

4.5素敵な90歳

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

最初から最後まで
コミカルでタフな草笛さんが
かっこよかった。
本当に90歳に見えません。笑

対比か?唐沢さんが
昭和感漂う遺跡のような存在。

やはり動ける時は
少々ガタがきた身体でも
なにくそと、踏ん張らないと
いけないんだな。
と、自分に言い聞かせた

是非映画館で観てください

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おかちゃん

4.5草笛の天真らんまんさ、昭和のダメオヤジを面白可笑しく演じた唐沢寿明など前田監督はベテランの役者からコメディーセンスを巧みに引き出しています。

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

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楽しい

幸せ

 大正から令和の時代を経験し、昨年めでたく(?)100歳を迎えた直木賞作家、佐藤愛子。本作は彼女が90歳を過ぎて執筆し、累計180万部を売り上げたベストセラーエッセー集の映画化。本人も90歳を迎え、現役で輝き続ける大女優・草笛光子が、自分軸のある文豪をコミカルに軽やかに演じる。
 形だけのねぎらいや配慮を伴う「お年寄り」扱いはまっぴらご免。
挑発的なタイトルそのままに毒とユーモアにあふれた、長寿社会ならではの痛快コメディーです。

●STORY
 これまで数々の文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子は、90歳を過ぎた現在は断筆宣言して人づきあいも減り、新聞やテレビをぼうっと眺める鬱々とした日々を過ごしていました。同じ家の2階に暮らす娘・響子(真矢ミキ)や孫・桃子(藤間爽子)には、愛子の孤独な気持ちは伝わりません。
 同じ頃、大手出版社に勤める中年編集者・吉川真也(唐沢寿明)は、昭和気質なコミュニケーションがパワハラ、セクハラだと問題となり、謹慎処分に、妻や娘にも愛想を尽かされ、仕事にプライベートに悶々とする日々。
 そんなある日、吉川の所属する編集部では愛子の連載エッセイ企画が持ち上がります。当初若い編集者が連載依頼に赴くも、愛子は無下に断るのです。それを受けて、今度は吉川が、昭和気質のしつこいコミュニケーションを武器に、何度も愛子に迫るのです。化かし合いのすったもんだの末、佐藤はエッセーを引き受ける羽目に。こうして吉川は、晴れて担当編集となるのでした。
 しぶしぶ始めたものの、生きづらい世の中への怒りを歯に衣着せぬ物言いでつづった愛子のエッセイは、身近な出来事や体験に寄せて、高齢者の本音を代弁していると評価され、思いがけず大反響を呼びベストセラーになります。
 愛子の人生は90歳にして大きく変わり始めるのです。

●解説
 愛子が原稿用紙に綴るのは、日常の気づきや戸惑い、怒りなど。子供の遊び声を騒音と見なす風潮に、「私は戦争の恐ろしい静寂を知っている」と憂うのです。好奇心のアンテナの先には、明晰(めいせき)な社会・文明批評が刻まれます。
 ただし、長老の言葉を有り難がるだけの映画ではありません。老いも若きもここでは常に刺激を与え合う関係性。変化し続ける登場人物たちの存在が希望に映ります。
 好奇心旺盛でチャーミングな現役作家を、現在90歳の草笛が楽しげに演じます。台詞の声も大きく、威勢のいいテンポでたたみかけ、笑い飛ばす豪快な姿は、とても90歳には見えません。
 何げないしぐさがうまく、年の功がなせる妙味があります。唐沢との小気味よい掛け合いは夫婦漫才を見ているかのようです。エッセーのエピソードを発展させて、コンプライアンスやハラスメントなどが叫ばれる現代人の息苦しさや世代論を物語にうまく絡めました。
 愛子の毒舌が成り立つのは、人生経験に裏打ちされた知恵と含蓄があるから。姉御肌でもあり、古い価値観をふりかざして周囲から孤立していた吉川が一歩を踏み出す後押しまでしてみせるのです。

 監督は、草笛が「老後の資金がありません!」でも組んだ頼れる職人肌の前田哲。エンターテインメントに針を振り切り、名優たちからコメディーの才を引き出す。世相の反映で重い題材の作品が続く中、人生の機微や日々の営みに心を開くウェルメイド・コメディーにホッとさせられます。

 愛子は一つ屋根の下、娘、孫娘と同居。風通しの良い女3代の家族構成も興味深いところです。小津作品や「男はつらいよ」シリーズなど時代ごとに家族の微妙な有り様を写してきた松竹映画らしく、ここでも現代に息づく家族像を更新しています。

●最後にひと言
 脇役の三谷幸喜には全く気がつきませんでした。その他オダギリショーなど大物俳優もカメオ出演に近いちょい役で多数出演しています。
 とにかく草笛の天真らんまんさ、昭和のダメオヤジを面白可笑しく演じた唐沢寿明など前田監督はベテランの役者からコメディーセンスを巧みに引き出しています。
 原作同様に、時代に迎合せず、世をはかなむこともしない、戦中世代の衿持に快哉を叫びたくなる作品でした。

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流山の小地蔵

3.5やっぱり、めでたい!

2024年6月28日
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鑑賞方法:映画館

黄色い落ち葉や、
自然光のような部屋のシーンや、
飼い犬が家の外から覗いているシーンや、
光の加減がとても心地良く、
なんだか郷愁に駆られて、
じんわり目頭が熱くなりました。

笑えて泣けて、
また、とても良い言葉もいただけて、
このような日本の作品は、大切だなぁ…って思います。

草笛光子さんが、
とにかく本当に魅力的でステキでした!

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hkr21

5.0三谷幸喜の怪演が素晴らしい!

2024年6月28日
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鑑賞方法:映画館

笑った!泣いた!共感した!
とても素晴らしい、エンターテイメント作品でした。
90歳のおばあちゃんの生の言葉、っていうのが良いよのね。 言葉に説得力があるし、深みがあるし。

個人的に、途中に出てくる三谷幸喜(タクシードライバー)との会話が最高でした!
スマホ1つで何でもできる→スマホが無ければ何もできない、という批判的な意見を言いつつも、スマホの恩恵にあやかっているタクシードライバー。持ち前のくだらないコメディで笑わせにもかかってくる。もう、最高じゃん!

あと、エンドロールには本当に驚きました!
マジか!!?

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サケビオース

4.0「九十歳。何がめでたい」何が面白い?

2024年6月27日
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鑑賞方法:映画館

草笛光子生誕九十周年記念映画って! 佐藤愛子の映画なのに。佐藤愛子生誕百周年も冠してあげて。
(草笛光子さんは素晴らしかった。長生きもいいなぁって元気もらえた)

劇中の愛子さん風に言うと
「泣けないっ、笑えないっ、面白くないっ!」
「佐藤愛子のどの作品を読んで映画化しようって思ったの?」

三谷幸喜さん、映画面白くしたいなら出演するより脚本書いてあげればいいのに。
例えば、このサイトで三谷幸喜ポチッて押したらこの作品出てくるよ。知らない人がみたら、三谷さんの脚本か監督作品って思っちゃうよ。いいの?三谷さん。

バッドボーイズに続いて笑わせるところで笑えない作品でした、私には。

夜の部、観客二人。もうひとりの若い人始まってちょっとしたら(タイトル出るまでに)帰っちゃった。

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大吉