「芝犬ハチの哀愁漂う後ろ姿に涙溢れる」九十歳。何がめでたい 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
芝犬ハチの哀愁漂う後ろ姿に涙溢れる
2024年映画館鑑賞57作品目
6月29日(土)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
監督は『そして、バトンは渡された』『老後の資金がありません!』『ロストケア』『水は海に向かって流れる』『大名倒産』の前田哲
脚本は『ダーリンは外国人』『漁港の肉子ちゃん』『水は海に向かって流れる』の大島里美
草笛光子生誕90年記念作品
現在100歳の作家佐藤愛子を演じる
異母兄には50年前73歳で亡くなった『りんごの唄』を作詞したことでも有名な詩人のサトウハチロー
映像で実在の人物を演じるのは90歳にして初めてだという草笛光子
木村多江は佐藤愛子の娘役ではない
娘役は「あきらめないで」真矢みき
予告編にも登場する木村多江はチョイ役かなと思ったら編集者吉川真也の妻役だった
チョイ役でも『テルマエ・ロマエ』のイカ八朗のように予告編にも堂々と出る俳優はいるが今回の木村多江は違った
離婚を決意し夫に会いたくないのでなかなか顔を出さなかった
リモートの画像はチワワ?だった
草笛光子の記念映画を祝って多数の俳優がチョイ役として登場する
妹の富田恵子は友人役で出演
三谷幸喜は少々剽悍なタクシー運転手
誰をモデルにしたのか清水ミチコの役作りの仕上がりぶりは笑える
声当てでもよく知られる宮野真守は今回顔出しで出演
吉川の異動先の上司で元直属の部下という誼で押し付けられた形という立場を好演
ますだおかだの岡田圭佑にちょっと似ている
基本的にイケメンだがあきらかに顎がしゃくれている
顔出しでもどんどん出演してほしい
アニメオタクは声優と俳優を区別したがる傾向が強く声優が顔出しで出演しているとそれを面白がるので残念でならない
あの人たちとは悉く思想が合わない
年賀葉書用に幼い孫と一緒にコスプレ写真を孫が本当に嫌がるまで毎年撮るエピソードは創作ではなく事実だということをエンドロールで知ることになる
最初はほのぼのとした感じだが後半はネタ切れしたのかエキセントリックになっていく
エンディングテーマはなぜか木村カエラ
作品にあってない気がするがまあいいだろう
もし佐藤愛子が木村カエラでいいというならこちら側としては文句のつけようがない
最初の方で出入り口のピケゲート?に頭をぶつけるシーンがあるが草笛光子のアドリブ?
衰えぶり演技なのかそのままなのかよくわからない
中谷美紀と土屋太鳳と共演した『僕らの時代』が素なら当然佐藤愛子役はリアルに演じているに違いない
ここにきてコメディーが増えた気がする草笛光子
娘や孫も協力してドッキリで死んだふりをする佐藤愛子
死ぬわけないじゃん
実在の佐藤愛子まだ生きてるんだから
これもおそらく実際に編集者に対してやったことなんだろう
こういうのが好きな作家なのだ
だから長生きするんだろうか
観客の反応がすこぶる良い
娯楽映画はこうでないといけない
あっという間の時間の99分でした
おすすめです
配役
90歳を迎え断筆宣言するも真也の度重なる説得でエッセイを書き始める直木賞作家の佐藤愛子に草笛光子
妻子に逃げられパワハラで人事異動になるも佐藤愛子にエッセイを依頼し連載をスタートさせる編集者の吉川真也に唐沢寿明
愛子の孫の杉山桃子に藤間爽子
web出版社に転職する若手編集者の水野秀一郎に片岡千之助
真也の娘でバレエが得意な吉川美優に中島瑠菜
真也の異動先の編集長の倉田拓也に宮野真守
運転中度々後部座席を振り向くタクシー運転手の一橋壮太郎に三谷幸喜
主婦の悩み相談を受けつけるラジオパーソナリティの海藤ヨシコに清水ミチコ
愛子の娘の杉山響子に真矢ミキ
真也に離婚届を突きつけた吉川麻里子に木村多江
TVの修理業者にオダギリジョー
愛子の行きつけの美容師にLiLiCo
総合病院の受付に石田ひかり
愛子の友人の喜代子に冨田恵子