「タイトルなし(ネタバレ)」僕らの世界が交わるまで りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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米国のある地方の街の白人中流家庭。
母エブリン(ジュリアン・ムーア)は、DV被害家族(女性と子ども)のためのシェルターを運営している。
高校生の息子ジギー(フィン・ウルフハード)は、自作曲をネット配信して人気を集めていて、フォロワーや投げ銭のことで頭がいっぱい。
父親は家父長意識が強いタイプだが、ほぼ不在。
ある日、ジギーは社会意識が高いクラスメートの女子生徒の魅力に魅了されて社会活動に参加しはじめるが、まるで話が噛み合わない。
同じく、息子と話が嚙み合わないエブリンは、施設に逃げ込んできたジギーと同い年の青年支援に力を入れ始めるが、くだんの青年にとっては有難迷惑。
ただし、エブリンは、そのことに気づいていない・・・
といった物語。
エブリンもジギーも自分の熱意が相手にとっては有難迷惑、空回りになっていることに気づかないあたりがリアルで、母と息子の小さな物語の中にアメリカの現在が凝縮されている。
小さな物語でアメリカの縮図を描くのはケリー・ライカートに似ており、ジェシー・アイゼンバーグは、今後、米国インディーズ映画での重要監督になりそうな予感がします。
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