劇場公開日 2024年1月19日

「空回りする親子が見つめる先」僕らの世界が交わるまで kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5空回りする親子が見つめる先

2024年1月31日
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鑑賞方法:映画館

空回りする人たちを見るのは少しつらい。それだけ思いが強いということの裏返しでもあるんだけど、とにかく突き進む姿に引いてしまう。
本作に登場するエブリンとジギーはまさにそんな感じの親子だ。序盤はそうでもない。若干の違和感がある程度。その違和感が徐々に大きくなっていく展開がうまい。あの家庭での父親の存在ってなかなかつらそうだよな。大事な式を忘れてあげるなよ、かわいそうに。
一方通行の思いが向かうところはたいていろくなもんじゃない。「よかれと思って」行う他人の行為は注意が必要だ。2人のとる行動に引いてしまうのだが、観終わった印象は悪くない。これで終わり?と感じる部分もあるがここで終わらすのもいい。キチンと前向きな未来は示唆はしている。世界に向けて行動していた2人がウチなる家族に目を向ける。当たり前のことなんだけどすごく大事。そうだよな。空回りする人って思いが強いだけじゃなくて、まっすぐなんだよ。やはりそんな彼らを憎めない。泣くほどの感動ではなかったが、彼らのことが愛おしいと感じるくらいにはいい映画だった。
あと、ジギーが歌う曲が結構よかったのもよかったところ。これからもっといろんな曲を発表して大きくなってほしい。なんてことまて考えてしまった。それなりに気に入ったってことなんだろう。

kenshuchu