劇場公開日 2024年1月19日

「1月3週のおすすめ枠。迷ったらぜひ。」僕らの世界が交わるまで yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.01月3週のおすすめ枠。迷ったらぜひ。

2024年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年30本目(合計1,122本目/今月(2024年1月度)30本目)。

 DVだったかシェルター事業に翻弄する母親と、その息子でYoutuberか何かでいわゆるYourtuberとして「お小遣い」を稼いでいる(進路には迷っている模様)との考え方の違いや、相互理解をテーマにした映画です。

 どうも海外作品という扱いでは「映画」ではなく、「オーディブルブック」(日本のアマゾンにもある。音声朗読がついてくる本のこと)から派生した作品であるようで、その意味で「音声読み上げの小説が元ネタ」ですので、それを大きく超えることはありません。

 Yourtuber?か何か動画サイトで収入を得ている息子さんはそれなりに(その収益を得るために)色々な知識をお持ちで、歴史(いわゆる「歴史認識」というもの)や思想関係などかなりマニアックというか「映画という大衆娯楽でそこをふれるかな…」というところはまぁあるといえばありますが、原作ありですし…。

 なお、「1919年に日本が統治」」「それよりも前にドイツが…」というくだり(この部分は主人公が特に配信等の中で何度か話している)は、マーシャル諸島のことです(「ドイツ」がヒントになる。1919年といえば日韓併合後に事件が起きた年でもありますが、ドイツは関係してこないため)。ほか、いわゆる「資本主義と共産主義はどちらが是か非か」といったある程度の知識(高校社会を若干超えるような議論)を求められるところがあります(ただ単にYoutuberであるところの息子さんがそれを知っているだけで、それを知らないと理解ができないというものではない)

 日本ではどうしても日本の過去の加害史にふれるのでマーシャル諸島に関することなど深く学習しませんし、「共産主義と資本主義の対立」もせいぜい、朝鮮戦争や冷戦などで扱う範囲にすぎませんが、この主人公…というかアメリカの高校ではここまで深く学習するのかな…、こういった「正しい歴史認識に基づく正しい意味での(過去の)侵略行為があったこと、今でも資本主義・共産主義の対立がある」といったことまで触れているのは良かったです。

 採点上以下が気になりましたが、大きな問題ではないのでフルスコア切り上げにしています。
映画の趣旨上、アカデミックな語が飛びまくりになりますので、吹き替え版(あるのかな?)があればそちらも、といったところです。

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 (減点0.1/動詞 appreciate の語法)

 ・ この語は「人の行為」を目的語にとって「感謝する」とはいえますが、「人」を目的語にとれません(「あなたに」感謝する」とは言えない)。
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yukispica