そして、優子IIのレビュー・感想・評価
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普遍的なテーマを描いた良作
ヤクザの娘という特殊な家庭で育ち
周囲と極端に異なる環境に不安や葛藤を抱えつつも父子生活には満足げな主人公の優子
そんな誰にも打ち明けられない生活の中で
嫌でも訪れる変化の中で普通の人生とは何なのか模索します。
中盤から終盤にかけて訪れる出来事に翻弄されまくる優子。恐らくエンディング以降歩むであろう「優子Ⅱ」の人生において、かけがえのない思い出を大切にしつつもそれに負けないくらい優子なりの普通な人生を追求してくれる事を願わずにはいられませんでした。
この時間が続けばいいのに、逆に人生を変えたいという感情は誰しも持つものでありその葛藤からは逃れられず、本作はそんな普遍的なテーマを掲げており多くの人が共感できると思います。
人生自発的な変化であったり、外的要因で変わらざるを得ない事も多々あるけども、そんな中でも逞しく生きていきたいと思えました。
演者さんもそれぞれ味が有る演技を見せており群像劇という楽しみ方も出来る作品です。
(皆んな葛藤してますなぁ)
個人的に優子母の描き方が大好きだったので見てもらいたいです。
加えて舞台である沼津の離島自体も優子の変わりたく無い日常を示していたり、陽の光で人物の心情を表していたりと内容が自然に伝わってきます。
コミカルな描写やサザエさん的なほのぼの日常パートも散りばめられつつ暴力や心理的な負の描写もされており一見慌ただしくなりがちですが本作は全編に渡りとても見やすくまとまっている作品になっております。
個人的にラストで優子なりのアンサーが有れば満点でしたが高校生主人公にそれを求めるのもおかしな話かとも思うので、ここに関してはあくまで自身の好みの感想となります。
ともあれ生きるって何だろなと思考したり
客観的に今の人生を再確認するきっかけとして本作の鑑賞はオススメです
主人公を演じる女優さんに期待。
ユーロスペースでしか見られないマイナーだが面白い映画、というのが結構ある。2018年9月(聖地と言われている池袋のシネマロサでは3ヶ月前から上映していたそうだが)初めて”カメラを止めるな”を観たのも、2023年の”レンタルXファミリー”、2024年の”辰巳”もここだった。ヤクザ映画が好きだし、予告編を観て気になったので公開2日目に行ってみた。脚本が面白い(借金の取り立てで出会う引きこもり少年が伏線になっていたとは!)し台詞回しも中々上手い。主人公の父娘や、組の皆さんのほのぼのとした日常(勿論サステイナブルではない)も上手く描かれていた。どうしても受け入れかねるのは舞台設定。中途半端な田舎にすべきであって島という設定は無理があるのではないか?船でしか市内に出られない小さな島(皆標準語を話している、実際のロケは沼津でやったらしい)、というのはいくらなんでも???そんな小さなコミュニティでヤクザの家族が平和に(正に普通に)のんびりと暮らせる訳がない。主人公の親がヤクザの頭であることをクラスのみんなが知らないなどあり得ない。出演の瀬戸みちるという若い女優がとても良いと思った。透明感があって笑顔が素敵、そして声が可愛らしく台詞が実に自然。舞台挨拶でも出てきたが、可愛らしくて、将来が楽しみ。
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