ノルマル17歳。 わたしたちはADHD

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ノルマル17歳。 わたしたちはADHD

解説

発達障害のひとつであるADHD(注意欠如・多動症)に悩む2人の女子高生を描いた青春ドラマ。

進学校に通う真面目な少女・絃(いと)はADHDと診断されており、物忘れで生活や学業に支障をきたしていた。重要なテストの日に目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまった彼女は、ショックのあまり登校できず街をさまよううちに見知らぬ公園にたどり着き、茶髪で派手なメイクをした同年代の少女・朱里(じゅり)と出会う。自分と同じくADHDであるという朱里に強引に誘われて街へ遊びに行き、彼女と友だちになる絃だったが、朱里に不快感を抱く絃の母から交際を禁じられてしまう。一方、朱里は自身の物忘れが原因で姉とのケンカが絶えず、両親からも厳しく責められて家庭内で孤立していた。やがて朱里は絃とのメッセージのやり取りもやめ、部屋に引きこもるようになってしまう。

オーディションで選ばれた鈴木心緒と西川茉莉が主演を務め、絃の母を眞鍋かをり、朱里の父をアナウンサーの福澤朗が演じた。

2023年製作/80分/G/日本
配給:アルケミーブラザース
劇場公開日:2024年4月5日

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映画レビュー

4.0同じADHDとして共感してしまった

2024年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

知的

ネット検索で偶然発見し、興味本位で観にいきました。ミニシアターで上映されている映画を観るのは初めてですが、同じ発達障害を持つ者としてすごく興味深い内容でした。 ⁡ 2人の女子高生、絃(いと)と朱里(じゅり)はADHDを持っており、物忘れが激しい等の特性によって普通の生活に馴染むことができませんでした。それぞれの家族からも理解してもらえず、生きづらさを感じながら苦しんでいました。 私も同じ経験をしたことがあるので、「確かに、彼女たちの気持ちわかるな…」と共感してしまいました。同じミスを繰り返しても、自分でどう解決したらいいのかわからないので、何度注意されても簡単に直せないのが発達障害の特徴です。そのため、ありのままの自分を受け入れ、周りからの理解を得ることが何よりも大切だと痛感しました。他にも、ある人物が言った「適当に生きなさい。」という台詞には、「素直に生きても大丈夫だよ」というメッセージが込められていて涙が止まらなかったです。 ⁡ 東京では吉祥寺しかやっていなかったですが、個人的に観てよかったと思える作品になっていました。発達障害を持つ人には是非観てほしいです!

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Ken@

3.5当事者を苦しめている存在である周囲の人々も、また苦しいわけで・・・

2024年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

難しい

朱里と絃という、タイプは正反対ながら同じADHDという2人の主人公がともに奮闘する姿を通じて、発達という問題の特性からくる生きづらさの本質の片鱗みたいなものを体感できた作品でした。 2人と同じ苦しさを抱えながらそれを周囲に上手く伝えられずに、もどかしい思いで現実を生きているであろう多くの当事者たちにとっても、きっと救いになってくれる作品のように思いました。 ただひとつ気になったのは、主人公を取り巻く家族や友人たちの多くが、発達障害に対して無理解であるが故に主人公たちを苦しめている存在として描かれていたことです。 もちろんそれは事実そのとおりでしょう。ただ彼等だって、それぞれの立場なりの苦しさを抱えながら日々奮闘しているに違いなく、そんな彼等の苦しい思いにも、寄り添ってあげられればよかったかなと。 特に朱里の姉、愛里。 たしか脚本の神田凜さんの原体験が、愛里に近い立ち位置だったと仰っていましたっけ。 もしそうならそのせいかもしれませんが、ちょっと気の毒なくらい冷酷なキャラクターとして突き放した描写がされていました(そんな印象をもちました)。 でも愛里の境遇を思えば、愛里も責められないと思うんですよね。 もし、本編のエピソードを愛里の目線で描き直したらどんな映画になるのか、それもちょっと見てみたい気がしました。 障がいをもつ方がより生きやすい社会に変えていくためには、第一義的には健常者の側に必要な配慮をしていく責務があることにもちろん疑いの余地はないわけですが、それ以前に、障がいのあるなし関係なくみんなが“他者を慮る心”をもっていなければ、結局何もかもうまくいかないんだろうなと。 そういう心のゆとりをみんながもてる社会にしていかなければいけないんだなと。 自分にとって『ノルマル17歳。ーわたしたちはADHDー』は、そんなことを考えさせられた作品でした。

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周回遅れ

5.0当事者目線で見ました。

2024年9月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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天夜羽純

5.0無意識に向けていたナイフに気付かされる

2024年4月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

社会はほとんど無意識的に“普通”を押し付けていて、それが彼女たちには如何にナイフとして作用しているか、ということを痛感させられた。 また、そんな当事者が本音をさらけ出せる(それを言い訳だとか思わず、否定の言葉なく聴いてくれる)安全な存在が身近にあることがどれだけ大きいか、逆にないことがどれだけ致命的か、という点も考えさせられた。 家族が安全な存在になれればベストだと思うが、一方で家族側の積年の苦悩も垣間見えたり、また一方で家族には本人の長所の部分であったり本人が本人なりに頑張っている面が十分に見えていない様子も描かれており、家族の問題に押し込めてノータッチでいる無頓着な社会にも罪があるのでは・・・など、観終わってからも色々考えさせられている。 全体を通しては、当事者から見える景色はこんな感じなんだというのを窺い知れると同時に、自分も今ある社会もしょせんは“普通”サイドの視点からしか考えられていなかったのだなというのを思い知らされる作品だった。 身近にADHDの人を持つ人にこそお薦めかなと思う。 2人の突飛な出会いから始まるものの、朱里ちゃんの底抜けに明るく天真爛漫な感じの雰囲気がフックになって、観易かったです。

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natsu