劇場公開日 2024年1月19日

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「戦争を体験した世代が感じた2020のぎこちなさ」サン・セバスチャンへ、ようこそ 青樹礼門さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0戦争を体験した世代が感じた2020のぎこちなさ

2025年3月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

・久しぶりにウディの分身による展開だが、90歳に近くなった監督は、より達観のテイを見せてきたあね。

・おはなしは、まあ、何回もやりましたね、夫婦のじたばた。

・まさに、この老旦那ぼやき落語のスペイン版!
美麗ストラーロのパノラマ的構図、流麗ステファンレンベルのギターで、もち、衣装インテリアは抜群一流で魅せる酔わす。

・世ん中、ガチでマジで世知辛すぎて。政治メッセージを入れなきゃ興行ビジネスやばいよ、と。
ノーランのこと?笑

・若手イケメン監督に主人公カトちゃんならぬリフキンの若妻はゾッコンだ。
イケメンはフォード、キャプラのハッピーエンドバラ色で何が悪いと。人間はしあわせにならねばならない!

・老旦那は、あのヨーロッパ、人間の煩悩とはいわず
作品のあいまいさ、複雑さをベルイマン、ブニュエル、トリュフォー、フェリーニ、ゴダール、の名作に夢想をたくし、言いたいことがたくさんあるが、だれにも伝わらないのだ。人生は空ではなく、無意味かもしれないが、それにしてはいろいろあるよねーわかんねーけど。

・いかにも、毎度、古今東西よくある、じじいのたわき迷いごとの世界でウンザリもあるだろ。
しかしさ、いまのハリウッド?アメリカ?合理化?タワレコが店舗をもたない国ってさ!

・救いはヨーロッパ、そして、日本。
黒澤明、稲垣浩、加山雄三。東宝、忠臣蔵、何が悪いのさ。

・以上
アタクシはね、笑いながら、涙が出てきたね。
はじめと、ラストの場面に座っているのはアタクシかもしれない。

青樹礼門