劇場公開日 2024年1月19日

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「まんまと嫌味な罠にはめられる」サン・セバスチャンへ、ようこそ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

まんまと嫌味な罠にはめられる

2024年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 映画監督の広報担当の妻と共にスペインのサン・セバスチャン映画祭を訪れ、妻の浮気を疑い右往左往するというウディ・アレン得意分野のお話です。でもね・・

 名作映画や哲学者の言葉を引用するのはウディ・アレンの得意技でそれがちょっと嫌味な所でもあるのですが、本作はちょっと遣り過ぎではと感じました。映画のパロディが10作近く次々と繰り出されるのですが、「市民ケーン」「皆殺しの天使」「第七の封印」は原作を知らなければ「これ、何の事?」と戸惑うでしょう。「分かる人は笑ってね」という造りは、若い人を映画館から遠ざける事になりはしないでしょうか。

 でも、僕の様な半端な映画ファンに「僕は分かっているよ」とこんな風に話題にさせるのも彼の作戦なんだろうな。そして、スノッブな人間はまんまとその罠にはまってしまったという訳です。

 一方で、幼い養女に対する性加害疑惑(関係書籍を読むと、その真相はまだ謎の模様)でアメリカ映画界では完全に干されたと聞いていたウディ・アレンの映画が米本国ではどう公開され、どう評されているのでしょう。

La Strada