「「字幕付きの映画しか見ないw」ウッディアレンの映画愛が詰まった作品」サン・セバスチャンへ、ようこそ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
「字幕付きの映画しか見ないw」ウッディアレンの映画愛が詰まった作品
#me to運動で業界から干されたという話もあったウッディ・アレンだが、何とか上映に漕ぎつけることができたのは日本が米国よりも差別やハラスメント意識が低いからだろうか。
都内でも上映館数が極めて低かったが、それらの理由からか日比谷の映画館では外国人の鑑賞者がいつもよりも多かった様な気がした。
ウッディ・アレンの映画は数十年間観たり観なかったりを繰り返しながらというくらい自分の中の打率は低め。
近作の「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」は面白かったが、多分自分にとって主人公や登場人物に共感しにくい設定が多い事が理由だと思ってる。
本作も多くのアレン(が主役の)映画に見られるように主人公は理屈っぽいインテリの中年小男(おそらくアレン自身だが今回は+ハゲ)だが、そもそも夫婦間のバランスがとても悪くリアリティに欠けるし、恋に落ちた相手との釣り合いも全然取れておらず、成就する気配が全く感じられない。
それを敢えて面白い設定と捉え、理屈をこねながら相手を振り向かせようと奮闘する姿が滑稽で面白いのだろうが、残念ながら今回も深く刺さるまでには至らなかった。
「8 1/2」「男と女」「市民ケーン」「突然炎のごとく」「第七の封印」「ペルソナ」「勝手にしやがれ」辺りまではわかったが、クラシック映画に入り込む不思議体験が絶妙なオマージュでアレンがいかに欧州の映画(字幕付き)が好きかが伝わった。
奥さん役のジーナ・ガーションが1回以外浮気はしてない、からの2回、3回、結局4回したっていうセリフは少しツボったw。
サンセバスチャンの風景をもっと見たかった。