「キム牧師〜」ビヨンド・ユートピア 脱北 柴犬泣太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
キム牧師〜
すごい映画だった。これは作る価値がある、製作陣だって相当危険な思いをしてるでしょう。素晴らしい。キム牧師にこやかで優しくて、だけどブローカーには毅然とした態度で約束を果たすことを要求する、カッコ良すぎるだろ。北朝鮮出身の奥さんが金正日に似てて惚れたというのは悪い冗談みたいだけど、奥さんも協力してくれてるようでお互いにいい人を選んだね。ぜひキム牧師にノーベル平和賞をあげてほしい。本人はそんなものは望んでないだろうけど、世界に紹介したい。
家族で脱北したお婆さんの洗脳がなかなか解けない様子も憐れだったけど、逆に娘夫婦が政府に批判的な考えを持っていたのは意外。北朝鮮国民もそうそう洗脳されてばかりではなくなってきてるのかな、その人たちがまともな生活ができるようになるのはいつのことになるのだろう。
もう一人の息子を脱北させたかった人は悲痛過ぎて、国に残したお母さんからの伝言だけでお母さんにも何か良くないことが起こってるのが分けるってのがもう映画のようで、きっと息子も助からなそうだけど、この人はちゃんと生きて行けるのだろうかと、心配になってしまう。
日本は当然北朝鮮の悪事を知っているけど、世界中の人にこの映画を見てほしい。以前東京で出会ったドイツ人がこのあと北朝鮮に旅行すると言っていて、あの国はとんでもない国なんだよと教えても、若者の冒険心なのかただの好奇心なのかヘラヘラ笑って取り合ってくれなかった。彼はちゃんとドイツに帰れたのだろうか。
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