あんのことのレビュー・感想・評価
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親に感謝と情が湧くとは
社会派の内容 子は金蔓としか思わない親に対し、無邪気にあんに甘える子供 あんは何を思い、子供にご飯を食べさせ、公園で遊んであげていたのか…自分の小さな頃を懐かしんでいたのだろうか…それとも…
ただ言えるのは、最終的に佐藤二朗の毒牙にかかることで、大人に対する不信感?が増すのであれば、自殺したタイミングは良かったのかも…
実に考えさせられる内容でした
これが現実…
キャスティング
人には誰でも二面性がある
重いが、見て損はない
映画館にて鑑賞しました。
主人公自身は若干やさぐれてこそいるものの、人の優しさに応えられるし助けの手をしっかりと掴めるんですよね。(流されやすいとも言えますが。)だからこそあの母親に利用されちゃうんですよね。
また、その母親を演じた河井青葉さんすごいですね。演技力が凄すぎて、ヘイトを一身に背負っているな、と思いました。久しぶりになかなか腹が立つ人物でした。
こういった雰囲気の家庭の空気感の再現が凄いなぁ、と思いながら見てしまいました。
人の優しさやぬくもりは、人が成長していく上で大切ですね。
完全に余談ですが、佐藤二朗さんがこの役でヨガをやっていると、その瞬間だけコントっぽく見えてしまうのは、自分の心の問題だなと思いました笑。
この映画の感想とは直接異なりますが、こういう映画を見ていると生活保護ってなんのためにあるんだと思いつつも、そんな簡単に認められるものでもないよなぁ、とも思ってしまいます。生活困窮者を救うことができるセーフティネットとはどういったものなのだろうか、と無力感は感じてしまいます。
ああいった生活保護を断られるシーンは、こういった映画の中では、困っている状況の人物を助けない公的機関、それにより苦しい状況に置かれる主人公、という場づくりに利用されているな、とも感じてしまいます。
大丈夫…
世の中は優しいのか、過酷なのか
杏さんはどんな気持で大事な選択をしたのか
そばにいた場合に「大丈夫」と声をかけてあげられていたか
そんな答えの出せない問いを抱えながら劇場を出ました。
「コレさえなければ」って要因は多くの場合一つか二つだったりするんじゃないでしょうか。
彼女には数多くのことが「積み重なり」すぎていました。「大丈夫」とあたたかく受け止められることで、介護する相手に「大丈夫」と言ってあげられるまでになった彼女なのに。
間違いなく、彼女にとっては世の中は残酷すぎるものでした。
そんな彼女が実際もがき苦しみながらやりたいことを見つけて前を向いていたこと、そういう存在が世の中に彼女一人ではないこと、そういう存在に社会が寄り添ってあげられていないことは、せめて多くの人が知るべきなのかなと感じました。
そして、河合優実さんはそんな杏さんに真摯に向き合った一人になっていたような気がします。
あんの揺れ動く心情に、こちらも心が動かされる
河合優実はずっと着目していて楽しみにしていた一作。
映画としては、わかりやすい展開、俳優陣の過剰すぎる演技、ちょっとこじつけっぽい最後と、お世辞にも上手い作品とはいえないものの、作品タイトルの通り、あんに尽きる作品。
河合優実の悲喜こもった演技、表情、仕草に惹かれた2時間であった。自然と感情移入され、苦難に見舞われるたびに、心がざわつく。
苦難の中で訪れる少しの幸せなときの表情が最高である。
他の俳優陣では、佐藤二朗らしさが良かった部分もあったが、全体でみると佐藤二朗ではないほうが良かったと思うし、稲垣吾郎も役柄にはあってはいなかった。
ただ、そのおかげで、河合優実の魅力が目立ったのかもしれない。
テーマとして、いろんな人間の欲望が混ざり合っていた。必死に生きようと思う欲望、助けたいと思う気持ち、報われたいという渇望。その欲望で社会は成り立っており、その狭間であんのような人がいるということ。
つらい現実を浮き彫りにする絶望系
観てよかった。
救いがなくすごく凄惨な内容だったが、本当にあった事件を基に脚色したドラマらしく。
真正なクズ毒親に浸食された子供の心が、一気に崩れる姿を描いていた。
『告白』『由宇子の天秤』などに似た系統。
「絶望系」とでもいおうか?
観た人間に「あなたはこの現実をどう考えますか?」という問いと、「こんな環境に置かれた子供たちに『自己責任』と正義感を振りかざして言い放つ人々が正しいと思いますか?」という疑問と。
そんな主人公を演じた河合優実が神がかっていて、迫真の演技だった。
河合優実が凄い
事実は事実として。
実話に基づいたフィクションということで。
母親役の河井青葉の演技が、めちゃくちゃ良かった。彼女がいなかったら、成り立たない作品だろう。彼女の演技は映画史に残してほしい。
自分が、いわゆる「標準的な」環境で育ててもらい、こんな過酷な環境下になかったから、こんな生活は想像できないし、もし、目の前にいたら手を差し伸べられるのだろうか。
多々羅のように手を差し伸べて搾取し、あるいは、桐野のように正義感故の行動によってその逃げ場を奪い、あるいは、役所の窓口のように四角四面な対応をし、あるいは、その存在すら見もせずに過ごすのだろうか。
答えは見つからないけど、この世界のどこにでもこんな事があるのだと、心に留めておくべきなのだろう。
正直、似たような作品で『誰も知らない』があったが、そちらの方が完成度が高かったような気がしてしまった。すみません…
河合優実を観るための作品
御多分に洩れず、「不適切にも程がある」で知った女優、河合優実。これまたとんでもない若手が出てきた❗️と歓喜してたら主演映画と。これまた何と絶妙なタイミング❗️
なんてーふしぎなーちからー😁
河合優実はドラマでもそうだったが、あまり笑顔を見せない。ホントに、記憶の片隅にある、山口百恵を彷彿とさせる表情。
そんな彼女が、あんとして、ネグレクト売春薬物から只管に更生に励む日々を綴った、日記の様な映画だった。
正直、彼女だけで充分だった。
脇を二朗と吾郎が支えるのだが、
二朗のいつもより抑えた演技は、それでもまだ抑えが足らない気がする。恐らくは彼のパートは彼任せであろうが、もっと凄みと感情の昂りを抑える感じにして欲しい。同じセリフを4回言うシーンは若干暴走気味。
吾郎はいつもの感じだね。飄々として裏で何かを企む。今回はそれでも、あんの更生を一番応援してくれてた理解者であるから、もっと二朗とコミュニケーションがあっても良かった。
いつもならこういう脇の人が終始寄り添うものだが、それすら阻んでいた新型コロナのパンデミック。
急とはいえ子育てするあんには、あまりにも過酷な現実。そこに飲み込まれていった人間は、彼女だけではなかったはず。
「薬物依存の女性が」云々というニュースが流れても、自分は眼もくれない。そんなの自己責任でしょ、としか思わないだろうが、そのバックポーンや「マンボウ」が及ぼした影響は知る由もない。「密です」と言って遠ざけて良い話ではない。
物憂げな河合優実を、これ以上なく浴びた。
また目が離せない女優が増えた。
あの母親は、
「52ヘルツのクジラ」を想起した方も多いかな❓
そして唐突な早見あかり。
二朗と吾郎は逆でも良かったかもね。
違和感。
監督の作品だからという理由のみ、貧困系という以外の前情報なしで鑑賞。
うーん、言いたいことは分かるのだが弱い。紙巻タバコを選択している時点で、今の時代とのミスマッチを感じる。そういう人間としてデフォルメして描いているのだとは思うが、フィクションでもリアルに寄せないと、違和感がメッセージを凌駕してしまうのではないだろうか。
社会的弱者の行き着く先(職場)が介護職ってのも、定番中の定番だけど。描きやすいんだろうなと思う半面、チープな印象を受けてしまう。
主人公・あん。毒親、貧困の連鎖、救われない者はどの時代においても確かに存在する。
若い女性の方が注目されやすく、同情を得やすいのも確か。
同じように救われず成人した、世間から忘れ去られた男性も無数に存在するのだよな、とも思う。
近しいテーマでは昨年鑑賞した「遠いところ」の方が、でーじ良い、と感じた。
ここから目を背けてはならない
予告から、マスコミの是非を問うような作品かと思って鑑賞しましたが、そんな生やさしいものではありませんでした。衝撃に打ちのめされ、胸に強く刻まれるような作品でした。
ストーリーは、水商売の母親と足の悪い祖母と3人で暮らし、子どもの頃から体を売ることを母親に強要され、売春と麻薬の常習犯となっていた香川杏が、親身になってくれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生をめざし、少しずつ生活も軌道に乗り始めた頃、またしても周囲の状況により苦しい生活を強いられていく姿を描くというもの。
冒頭からあまりにも重く苦しい描写が続き、胸を締め付けられます。子どもは親を選べないとよく言いますが、“親ガチャに外れた”という言葉では表しきれない、あまりにも理不尽な惨状がまざまざと描かれます。死んだ目をして、心をなくして、ぼろぼろになりながら体を売った金を毒親に渡す杏の姿に、胸を抉られます。
そんな杏に寄り添い、更生の道を示す多々羅の存在が、彼女の大きな支えとなっていきます。杏にとって、初めて信頼できる大人との出会いだったのでしょう。多々羅を介して、ジャーナリストの桐野、更生をめざす仲間、職場の理解ある上司と、人の温かさに触れ、少しずつ心を開き、懸命に頑張る姿が胸を打ちます。
それなのに、あれほど親身になってくれた多々羅の裏切りが、杏を激しく動揺させ、心を深く傷つけます。また、毒親はいつまでも杏の足を引っ張り続けます。親の愛情を知らずに育った杏が、そんな親でも捨てきれず、他人に押し付けられた子どもにも精いっぱいの愛情を注ぐ姿に胸が熱くなるとともに、そこにつけ込む母親の非人間性に吐き気がします。新型コロナが蔓延する中、心を通わす相手もなく、誰にも頼れず、孤独と不安が杏をさらに追い詰めていきます。
そんなさまざまな要因が重なって、ついに杏の心の糸は切れてしまったのでしょう。薬に逃げ、多々羅に救済され、裏切られ、それでも歯を食いしばって生きていたのに、母にまたもや踏みにじられ、再び薬に手を出した杏。最後は自分にさえ絶望し、もはやこの生き地獄から逃れる術は、自死しかないと思ったのでしょうか。彼女の心中を思うと言葉も出ません。
本作は、事実をもとにしているということですが、どこからどこまでが事実なのかはわかりません。でも、どのシーンを一つ切り取っても、おそらく日本のどこかで今も続いている事実でしょう。多くの日本人が気づかない、気づこうともしない、この国の現実や闇をまざまざと見せつけられた思いがします。かといって何の行動も起こしていない自分には、多々羅の行いを責める資格すらないように思います。虐待やヤングケアラーの問題が叫ばれる昨今、せめて自分の手の届く範囲だけは、できるだけの優しさを届けたいと思います。
主演は河合優実さんで、魂を揺さぶるような渾身の演技に胸を抉られます。脇を固めるのは、佐藤二朗さん、稲垣吾郎さん、河井青葉さん、早見あかりさんら。中でも、河井青葉さんの壮絶な毒親ぶりは必見です。
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