「救いたかった!」あんのこと 翼さんの映画レビュー(感想・評価)
救いたかった!
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コロナ禍で職を追われ、学校が休みになり、あんの社会的居場所が無くなってしまう。タタラとも連絡が取れず、孤独になり追い詰められていく。部屋も散らかって生活の張りが薄れかけたように見えた。そんな折、唐突に隣人から幼な子を預けられる。彼女は懸命に面倒を見る。部屋も綺麗に片付けられ、子の命に寄り添う事で、再び生きる意味を見出したように見えた。人はひとりでは生きれない。
最後ブルーインパルスが飛んで行くのが見えた直後、ノートの破片がひらひらと舞い落ちていく、このコントラストが強烈だった。
役所では、自己責任論であんの生活保護申請が却下された。けれど万引きで食いつなぎ、小学校もまともに行けず、母親から12才で売春を強要され生きてきたあんに、どれ程の責任があったのだろうか。母から逃れ自分の力で生きようと懸命な若い命に、手を差しのべる余裕さえこの社会には無いのだろうか。
是枝監督の「誰も知らない」や「万引き家族」を思い出した。
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