ポッド・ジェネレーションのレビュー・感想・評価
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意外とライトでいい感じ
男女間の不平等って「女性しか妊娠できない」という事実に起因していると思っていたので、とても興味深い設定。公開時には見られなかったので、U-NEXTで400円払って鑑賞。 総じて面白かったし、意外とライトなお話で気軽に見られた。平日の仕事に疲れた夜でも余裕で観賞できるくらい。2時間ないのもポイント高い。以下、気に入ったポイント。 ◎冒頭の全自動朝のルーティンは、近未来SFの伝統様式でよい。モダンタイムスから続く。 ◎カウンセラーの不気味な目玉が不穏で良かった。いつ「このロリコンどもめ!」て言ってくれるかと期待していたんだけど。 ◎主人公の一人が、植物学者の夫なので、スピリチュアル系に流れるかと思ったけど、そうでもなかったのが良かった。スピッちゃうと見る気なくなるので。 ◎体外受精実況中継は初めて見たけど笑った。 あまり評価は高くないようだけど、テーマに対して、これくらいの感じの作品に仕上がっているのはいいと思う。深すぎず、浅すぎず。結構万人におすすめできる。
子は鎹
今年の風邪は熱は37.6℃しか出なかったが、鼻水と喉の炎症がヒドい。仲々治らないで参った。完治まで2週間位かかり、その間映画が観られず参った。 風邪を引いてダウンしている間に公開されていた宇宙船もアンドロイドも登場しないSF映画。先進のテクノロジーで女性を妊娠の苦痛から解放するポッドでの出産が選べる時代に、高額の負担をしてポッド出産を選択した夫婦は胎児が成長するに連れて…。 自然とテクノロジーの対比、AIに支配される社会への警鐘が含まれているが、ラストのヒネリが足りないか? 植物学者で自然尊重派の夫(最初はポッド出産に反対だった)が、胎児が成長するに連れてポッドに愛着がわき、ポッドを抱えて出掛けたりポッドに振り回されるようになるのが可笑しい。
最初はよかったのだけど
2024年劇場鑑賞8本目。 近未来で、多分木から直接果実をもぐことなく、なんらかの方法で培養して作り出したり、子供を母親のお腹でなく別の容器の中で育てられることも出来たりする世界。もちろん通常の方法で妊娠もできますが、ポッドで子供を作るのは2年のキャンセル待ち状態の人気です。 女性はこの制度を使うと昇進にも有利(産休がない)ということで積極的ですが、植物学者でもある男性は普通の方法の方がいいと思っていて・・・という内容です。 前半は近未来の今と違う価値観や生活様式が色々見られて面白かったのですが、後半は当然ポッドに対するあれこれが中心になっていき、大体予想通りの登場人物の心の動きになったのと、終始リラクゼーションミュージックがかかっているようなBGMなので眠気が・・・。
程よい共生関係
近未来、女性の妊娠出産をAIが管理する卵型ポッドが担うというお話。こう聞くと、人間の出生がすべてオートメーション化された「素晴らしい新世界」のようなディストピアものを連想するが、本作はそんなディストピアものではなく、かといってユートピアものでもない。あえて言うなら人類がどちらを選択するかという作品といえる。 男女差別が完全になくなった世界、男性同様社会進出している女性にとって唯一のハンディである妊娠出産のリスクをなくす画期的技術が開発される。 受精から出産までを子宮センターが管理するポッドが行うという、今でいう代理出産みたいなことが技術的に可能となった。 キャリアウーマン(もはや死語)のレイチェルは優秀で忙しく、いまだ子供が持てなかったが会社の昇進祝いで子宮センター利用の補助を受けられることに。 合理主義者の彼女はポッドの利用には抵抗がなかったが、自然派志向の夫アルビーには妊娠出産は母体により自然に行うべきとの考えがあった。しかし、そんな自然派の彼も便利な科学技術を完全否定するほどではない。AIを使いこなせず焦げ付いたパンを提供されてはいるが。 渋々、ポッドでの出産を認めるアルビー。しかし、彼は次第にポッドに愛着を感じるようになる。身ごもることができない男性ゆえ今まで感じることができなかった胎児への愛着がポッドと過ごすことで生じる。逆にポッドに肯定的だったレイチェルの方が妙な夢を見たり、子宮センターのやり方にどんどん違和感を感じるように。 確かにポッドのおかげで妊娠出産によりキャリアを犠牲にすることもなくなった。でもレイチェルは違和感を拭えない。砂浜を裸足で歩く夢を見る彼女は自然を渇望してる自分に気づく。生身の足で感じる砂の感触、これは作り物では決して味わえない。アルビーが言うように子供は自然に育てたいという気持ちが次第に大きくなってゆく。 科学技術が進んでAI任せの生活は便利だけどすべてを委ねたくない。AIに完全管理され肉体労働やお産の苦しみから解放されて人の暮らしは一見幸せのようにも思える。でも逆に苦しみや苦痛からすべて解放された人はどうなるのだろう。苦しみと喜びは表裏一体。つらいからこそ喜びがある、妊娠出産の苦労が大きければ出産時の喜びも大きいものとなるはず。 AIに完全管理されすべての苦痛から解放された世界なんて逆に生きてる喜びも感じられないディストピアなのではないだろうか。 ピクサーの傑作「ウォーリー」ではまさにAIに完全管理されて人間が幸せそうな毎日を送ってたけど、実は繫殖もすべてAIにより行われていて、人間は恋愛することも忘れていた。それが間違いだったと気づいて人間らしく生きなおそうというお話。本作もそれと似ている。 人間は自然から生まれた生き物、自然と完全に縁を切ることもできない、でもかといって一度知ってしまった文明の甘い蜜も捨てきれない。 本作は自然と科学文明の両者と程よく付き合っていきましょうということが言いたいのか。自然の中で出産したいといいながら、結局赤ちゃんはポッドで出産するわけだから科学技術を完全に否定はしてない。どちらか一方にこだわるわけでもなく、一方を否定するわけでもない。 地衣類の共生関係のようにお互いが居心地よい関係を築ければいい。科学技術に完全に管理されるのではなく、ほどよく利用すればいい。妊娠出産に耐えられない健康的事情などがあればポッドの利用もいいだろうし。 人類が進歩した科学技術をどう受け入れ、それとどう共存してゆくかを描いた結構深い作品。ただ、エンタメ性は弱い。 ちなみにポッドを開発運用していた企業のCEOが、我々のお客はあくまでも親ではなく子供であるとか、子どもが親を選べる時代になればいいとか言っていた。子供の教育費用も国ではなくこの企業から支出されていた。これって企業が次世代の人間たちを支配してしまう怖さを示唆していたのかな。ポッド内の胎児に夢を見させる薬剤とか開発してたし、いずれは胎児を自分たち企業の都合のいいように洗脳することまで考えてたんじゃないかな。そういう点ではディストピアものと言えるのかも。
この赤ん坊に臍はあるのか
妊娠・出産で女性が被る社会的負担や男女の妊娠の捉え方を批評的に描こうという話なのだと思うが、妻がテック系企業のバリキャリの一方、夫は植物の研究者で元から自然の何かを育てるのが好きというキャラ付けもあってか、結果的にテーマや目線がけっこうゆるい感じで、現代人が安心するようなところに着地するのもやや退屈だった。 金をあまりかけずにそこそこクールな印象の近未来SFになってるのはうまいけど、終始淡々とした展開でびっくりするオチも用意されているわけではないため、ぶっちゃけ本物の映像なのかCGなのかわからんけど大スクリーンで観るヒトの卵子と精子の受精シーンが大迫力で、小学生の頃に読んだ子どもができる仕組みを解説した学習マンガを思い出した。ついでに当時、飼育委員で飼っていたカイコが繭になったので抽斗にしまっておいたら、気づかないうちに羽化して中で白い蛾が死んでいた記憶も蘇った(どうでもいい思い出)。 そんなわけで、ポッドの中の胎児を時々確認するのは大事と思いつつも、それが父性や母性を目覚めさせるのかはやや疑問に感じつつ、産まれたての嬰児を一緒にベッドに寝かすのはさすがにまずいと思った次第(そこ?)。なお、鬼太郎誕生が混んでるようなのでこっちを観たのだけど、まさか本作で目玉おやじが観られるとは思わなかった。
これが当たり前の世の中になれば、 生みたくても生めない人が減ると思...
これが当たり前の世の中になれば、 生みたくても生めない人が減ると思う ほのぼのして良かった 主人公も夫もチャーミング
妊娠ではないだろ
AIや科学が発達し卵型のポッドで胎児を育てることが出来るようになった近未来のNYで、その方法での子作りを選択した夫婦の話。 Y染色体が不要な女児ならば精子も必要ないとのことだけど、それってクローンでは?とか、植物は自然ポッドでとか、形ばかりの行動にみえるポッドの持ち帰りとか、感覚的なズレがシニカルということでコメディ扱いなんだろうけれど、ある意味ホラーにも感じる。 中盤ぐらいまでちょっと説明的な進行が多くて弛んだ部分もあったけれど、頭でっかちでズレている子宮センターの言い分に対する不信や不安からの流れは悪くない。 ただ、途中で契約がどうのと子宮センター側が言っていたけれど、方針転換とか終盤の流れとか、それこそ契約は?と頭を過ってしかたなかった。
誰かと語りたくなる作品
世界観がとても想像力に富んでいて、いつか私たちの未来になるかもしれないと思うとワクワクする。テクノロジーへの依存に対して疑問を投げかけていて、見た後に誰かと語りたくなる作品。 エミリア・クラークとキウェテル・イジョフォーが素晴らしく、説得力を持たせている。 父親がポッドで何でもするようになり、実際の泣いている妊娠中の母親のように感情的になるシークエンスは、見ていて愉快だった。
未来のたまごっ◯はこんな感じかな
アプリで子育てするシーンはたま◯っちさながら。どんな形であれ女性側にはいつも葛藤があるし、完全な人工飼育の中で自然を求める矛盾もあれば、やっぱり男性って呑気で良いよなと思うなどした。 最後の社長の一言を実現した映画をもう一本観たいですね。
時代が変われば常識も変わる……けど。
予告から想像していたお話とはちょっぴり違ってた💦そして終わり方の呆気なさ😂その二つで自分の評価としては少々低め。 でも近い未来こんなことだって技術的にはきっと普通に起きそうな感じ。倫理的問題とかはもちろん山積みなんだろうけど。 人の行き交う駅の上の方のデッドスペースに設置された『自然ポッド』は今すぐにでも設置してほしい❤ ❤ ❤
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