劇場公開日 2024年11月22日

「長い夜の余韻」夜のまにまに HKさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0長い夜の余韻

2024年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

それぞれの一歩をふみだすまでを描いた物語。

お互いを慰めたり、説得するでもなく、
夜に、街中を歩く、走る、一緒に寄り添う、他愛無い会話を積み重ねる、ただそれだけで十分。

はっきり自分の意見が言えなかったり、圧が強かったり、
登場人物はみな不器用なところもあるけど、
主人公 新平のちょっとした秘密も含めて、
お互いの個性を自然に受け入れている雰囲気に幸せな気持ちになった。

出会いと別れが、劇的な化学反応ではなく、
日常生活や小さな偶然、出来事の積み重ねを通じた流れ(まにまに)として描かれている。

さらに、やや引き気味の距離感の画面構成が、まるで登場人物達を見守っているようで、
共感やじんわりした長い余韻を残すことにつながっていると感じた。

HK